四天王VSマフィア

勇者達

アァアァの屋敷に集められた勇者とその仲間達。
白い髪の青年、　勇者アァアァパーティの商人カルアミルクが彼等の前に立った。

「どーもどーも!!　皆様方!!」
「カルアミルクさん、　よろしくお願いします」

異世界から来た勇者、　黒田　風が頭を下げる。
彼はカルアミルクに雇われている勇者だ。

「今回の事件は帝国にとっても大事件だ、　協力は惜しまない」

帝国の勇者、　クロスワードが重苦しく口を開いた。

「とか何とか言って報奨金が目当てじゃないのぉ?」

西の商家の生まれの勇者エノキが軽口を話す。

「何だと?」
「止めるんだ二人共、　争いは無意味だ」

東の僧侶の家の勇者、　ウノハナが二人を制する。

「無意味なのはお前達だ」
「そのとーり、　我々二人だけで充分」

山生まれの勇者クロウと谷生まれの勇者パイナップルが笑う。

「ふん、　この勇者マルタに任せれば良い」

北の勇者の家系の勇者マルタが胸を張る。

「サポートは任せて下さいよ」

南の自由人の勇者オウルがやる気無さそうに言う。

「アァアァさんは来ないんです?」

首都の貴族出身の勇者イトマリは周囲をキョロキョロする。

「今回は私と秘書のサンドイッチに一任されています」
「勇者なのに戦いに参加しないのは怠慢では?」
「いえ、　魔力抜きの為に仕方ない事です、　主治医からの診断書も有ります」

クロスワードの言葉に即座に対応するカルアミルク。

「なるほど、　それで依頼内容は?」
「ブラックヤード刑務所から脱獄した脱獄囚の捕縛
及び、　マリラーシティに潜伏する四天王最後の一人、　ラスト・ワンの討伐」

ざわつく一同。

「四天王最後の一人・・・アァアァ無しで勝てるのか?」
「無理に決まってるだろ」

一人の男が呟いた、　彼は評議国の勇者、　カウントダウン。

「そもそも勇者自体特別な存在じゃない、　この世界に勇者が何人存在すると思う?
1500人だぞ1500人、　そんな数が多い連中が特別な存在?
笑わせるな」
「しかしカウントダウン殿、　それなら貴方は何故ココに?」
「さぁね、　評議国に聞いてくれ」

やる気が無いカウントダウン。

「全てにカタが付けば30億G、　これを全員で山分けです」
「35人だから・・・一人8500万位か、　悪くない稼ぎだな」
「俺一人で充分だと思うけどねぇ」
「全く持ってその通りだ」

クロウとパイナップルが笑う。