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最終章 ラスト・ワン
第42話【六日目】
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妊娠が発覚してから一夜明けて朝食を取るピーマンとカラシナ。
しかしカラシナの食事の手が進まない。
「如何した?」
「・・・いえ・・・」
「ちゃんと食べないと
お腹の子にも君にも悪いぞ?」
「そうですね・・・」
食事をするカラシナ。
「・・・・・」
食事を終えるピーマン。
そしてその後に使用人の詰め所に向かうピーマン。
「殿下? 何の御用件でしょうか?」
警備員の一人がピーマンに尋ねる。
「念の為に屋敷の警備を強化してほしい」
「念の為?」
「カラシナに子が出来た事を知った誰かが暗殺に来るかもしれない
警戒を怠るな」
「御言葉ですが殿下、 殿下の警備体制は陛下の御指示で既に
厳戒態勢になっています」
「そうなのか?」
「殿下が先日出歩いた時に殆ど街の人々を見かけなかったでしょう?」
「そう言えばそうだった、 それも警備が気を効かせたのか?」
「えぇ、 そうです」
「ふむ・・・じゃあこれ以上無い警備体制なのか?」
「これ以上無い警備体制となると殿下とカラシナ様を監禁するしかないですね」
「それは・・・嫌だな・・・だがカラシナを・・・
いやそれも駄目だな・・・」
カラシナを守る為にカラシナだけを監禁する事を思いついたが
問題が有るかもしれないと踏み止まった。
「しかし俺の警備体制がそんなに厳重だとは知らなかった」
「・・・そうですか」
「俺を殺しに来る奴なんてそう居ないと思っていたのだがな
父上の配慮に感謝しておこう、 しかし暗殺者が真正面から来るとは思えない
毒とかで暗殺とかの可能性は無いのか?」
「殿下とカラシナ様が口にする物は全て毒見を済ませて有ります」
「そうか・・・なら安心なのか?」
「外的要因で殺される事はほぼ無いかと思います」
「外的要因と言う言葉が良く分からんが・・・安心しておくとしよう」
ピーマンは使用人達の詰め所から立ち去った。
「さて・・・病気も妊娠以外は心配ない・・・ならば死ぬ要素は・・・無いのかな?
良く分からんが・・・いずれにせよ明日は一日カラシナを見て置けば大丈夫・・・か?」
全ての運命は明日、 どうなるかにかかっている。
果たしてピーマンはカラシナを死なせずに済む事が出来るのか否か。
そしてピーマンはベッドに体を預けて横になったのであった。
しかしカラシナの食事の手が進まない。
「如何した?」
「・・・いえ・・・」
「ちゃんと食べないと
お腹の子にも君にも悪いぞ?」
「そうですね・・・」
食事をするカラシナ。
「・・・・・」
食事を終えるピーマン。
そしてその後に使用人の詰め所に向かうピーマン。
「殿下? 何の御用件でしょうか?」
警備員の一人がピーマンに尋ねる。
「念の為に屋敷の警備を強化してほしい」
「念の為?」
「カラシナに子が出来た事を知った誰かが暗殺に来るかもしれない
警戒を怠るな」
「御言葉ですが殿下、 殿下の警備体制は陛下の御指示で既に
厳戒態勢になっています」
「そうなのか?」
「殿下が先日出歩いた時に殆ど街の人々を見かけなかったでしょう?」
「そう言えばそうだった、 それも警備が気を効かせたのか?」
「えぇ、 そうです」
「ふむ・・・じゃあこれ以上無い警備体制なのか?」
「これ以上無い警備体制となると殿下とカラシナ様を監禁するしかないですね」
「それは・・・嫌だな・・・だがカラシナを・・・
いやそれも駄目だな・・・」
カラシナを守る為にカラシナだけを監禁する事を思いついたが
問題が有るかもしれないと踏み止まった。
「しかし俺の警備体制がそんなに厳重だとは知らなかった」
「・・・そうですか」
「俺を殺しに来る奴なんてそう居ないと思っていたのだがな
父上の配慮に感謝しておこう、 しかし暗殺者が真正面から来るとは思えない
毒とかで暗殺とかの可能性は無いのか?」
「殿下とカラシナ様が口にする物は全て毒見を済ませて有ります」
「そうか・・・なら安心なのか?」
「外的要因で殺される事はほぼ無いかと思います」
「外的要因と言う言葉が良く分からんが・・・安心しておくとしよう」
ピーマンは使用人達の詰め所から立ち去った。
「さて・・・病気も妊娠以外は心配ない・・・ならば死ぬ要素は・・・無いのかな?
良く分からんが・・・いずれにせよ明日は一日カラシナを見て置けば大丈夫・・・か?」
全ての運命は明日、 どうなるかにかかっている。
果たしてピーマンはカラシナを死なせずに済む事が出来るのか否か。
そしてピーマンはベッドに体を預けて横になったのであった。
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