更新休止【異世界ファンタジー追放ざまぁハーレム主人公チート】デュエリスト・イン・ザ・ブロークンワールド【注釈付き】

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エクストラチャプター:プリンス・レオポルド・テリブル・24アワー

エルカーラ・ロイヤリティ モモレード・テェテェ

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再誕歴7527年メイ19日。

ベネルクス王国首都国王直轄領ブリュッセル。
ベルクスタイン伯爵家のブリュッセルハウス。
ベルクスタイン伯爵の一人息子エルカーラは一人佇んでいた。

「・・・・・あの・・・若、 お食事です・・・どうなさいますか?」

メイドがおずおずと尋ねる。

「置いていけ」
「は、 はい・・・」

メイドは慌てて去って行った。

「・・・・・走るなよ、 埃っぽくなるだろう・・・」

エルカーラは食事を摂り始める大して美味しくもないサンドイッチである。

「・・・・・はぁ・・・なんでサンドイッチで不味くなるんだよ・・・・・」
「あの若様・・・お客様ですが・・・」
「客? ・・・誰だ?」
「モモレードと名乗っております」
「通せ」

エルカーラは食事を摂りながら待っていた。

「どうもエルカーラ様」
「お前かモモレード、 如何したんだ?」
「そろそろ殿下が戻って来て良いと」
「そうか・・・かといって私が役に立てるかは怪しい所だが・・・
ハウバリン公爵の手勢との戦いが有ればお役に立てる自信はあるが・・・」
「何れは正面衝突になるのでは?」
「それは無いだろう」

断言するエルカーラ。

「何故?」
「正面衝突になれば我々は確実に死ぬ、 公爵だぞ?
王族の手足と言っても過言ではない、 我々なんて国からすればアリも良い所だ」
「・・・ですが貴方はポニカと殿下のお付き合いをとめていないではないですか」
「殿下の望みならば従う迄だ」
「・・・てっきり貴方もポニカが好きだと」
「寧ろ嫌いだね、 奴の事を好きになる他の連中の気が知れない」
「何でそこまでポニカを嫌うんですか?」
「当たり前だろ、 ポニカの存在自体が殿下の将来を閉ざす物だ
ポニカが居たせいで殿下が婚約者がいるのに他の女にうつつを抜かす様な人間になってしまったのだ」
「・・・・・ポニカを如何しますか?」
「殿下のお心次第だな」

断言するエルカーラ。
その言葉に呆気にとられるモモレード。

「どうした?」
「てっきり殺すとか言うかと」
「殿下の心持次第だよ」
「・・・何でそこまで殿下に従うんだ?」
「この面を見れば分かるだろう」

そう言って自らの皺だらけの顔を指差すエルカーラ。

「こんな面の男でも拾って頂けたんだ、 そりゃ従うさ」
「・・・・・前々から聞きたかったですが、 その顔は一体如何したんですか?」
「家族旅行中に魔物に襲われてな頭を抑えた結果
強く抑え過ぎてこんなしわくちゃになってしまった」
「え、 そんな事有ります!?」
「命の危険において、 人は常識を逸脱した力を持つという
こんな所で発揮してほしくは無かったが・・・・・」

頭を抱えるエルカーラ。

「まぁ顔なんて安いもんだ、 母と妹、 優秀な家令と
こんな不味いサンドイッチじゃない本物のサンドイッチを作れるメイド
そして未来か」
「未来?」
「元々ベルクスタインは門閥貴族だったんだ」
「何方の?」
ユーベル公爵・・・・・・
「弱肉強食で有名な?」
「そうだ、 父は生きてはいたが重傷を負っている不随者となった
それをユーベル公爵は切って捨てた、 これがベネルクス五公爵のやる事か!?」
「・・・・・俺も色々働いていてユーベル公爵領は
奴隷禁止のルールを破りかけているとか聞いた事があります」
「平民にすら本性が露になってるんだ、 こんな公爵が他に居るか?
こんな公爵に誰が付いて来る、 ハウバリン公爵の手勢をみてみろ
特にセルデンの者達はハウバリン公爵が必ず褒美か報復をすると確信しているから滅茶苦茶出来るんだ
ここまでの意識の差があるんだ、 ユーベル公爵に誰が付いて来る?」

エルカーラの顔に怒りが滲む。

「それより、 お前にも尋ねたい事がある」
「何でしょう」
「ポニカとお前は付き合わないの?」
「ポニカの事は好きですが、 愛では無いんですよ
何と言いますか、 ポニカの友人体表として結婚式のスピーチをしたいんですよ
ポニカには幸せになってほしい、 何て言うんでしょうかね・・・てぇてぇ?」
「良く分からんな・・・」
「好きなアイドルの結婚を喜ぶみたいな事です」
「ふむ、 それなら多少は分かる・・・か?
個人的にはお前とポニカが結ばれれば万々歳だが・・・」
「いやぁ、 結婚は無理ですかね」
「ハッキリ言うなぁ・・・ふふ」

笑うエルカーラ。

「如何しました?」
「こうして長話を出来たのは久々だ、 気分が良い、 少し呑みに行くか」
「え、 でも手持ちが」
「奢ってやるよ」
「ありがとうございまーす!!」

こうしてエルカーラとモモレードは互いに酒を酌み交わし親友となったのだった。
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