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エクストラチャプター:プリンス・レオポルド・テリブル・24アワー

スチューデント・カウンサル・ルーム①

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ベネルクス王立学園、 生徒会室。
生徒会とは言っても何も仕事は無い。

生徒による学園の自治期間は生徒会と風紀委員会で成り立っている。
しかしながら現状、 生徒会長をしているのは王子のレオポルドである。
王族が生徒会長をするのは通例だが、 レオポルドは無能を極めている。
自身に対する意見は全て非難と捉え激怒し、 排斥。
故に現在、 生徒会にはレオポルドの太鼓持ちしかいない
のだが。

「ヨーロッパ連合に名高きベネルクス王国の
誉れ高きベネルクス王家の「相変わらず長いな省略しろ省略」

ベネルクス王国第3王子レオポルドが鬱陶しそうに自らの金髪を弄りながら言う。
言葉を遮られたのはネーデル準侯爵の三男、 クレメンタイン。

「いえ、 申し訳有りませんが本日は大事なので全て言わせて頂きます」
「・・・・・は?」

普段なら略してそのまま喋るのに何故かそのまま喋ろうとするクレメンタイン。
呆気にとられるレオポルド。

「ヨーロッパ連合に名高きベネルクス王国の
誉れ高きベネルクス王家の第三王子レオポルド殿下に本日は私
ネーデル準侯爵の三男、 クレメンタインが言上致したい事が有ります」
「何だ、 改まって」
「不肖、 私クレメンタインはこの度、 ベネルクス王国最高学府である
ベネルクス王立学園を退学する事になりました」
「何だと!?」

レオポルドは立ち上がった。

「貴様ッ!! 如何言うつもりだッ!? 理由を言えッ!!
お前は会計として充分に尽くして来た忠臣の筈だッ!!」
「殿下の為に使ったお金を父から都合して貰ったのですが父に激怒されたので
泣く泣く領地に帰る事になりました」
「何だと!? もしやアリストッドの仕業かッ!?」
「いえ、 父に『殿下の為にお金を使うから用立ててくれ』と以前申したら激怒されたので
別名目でお金を都合して貰っていたのでそれが発覚したのです」
「むむっ・・・!! アリストッドの仕業かッ!?」
「いえ、 父は『殿下の為の金を出す必要性を説け』と以前言われて
言い負かされてしまったので「つまりアリストッドの仕業か!?」
「多分違うかと・・・」
「ならアリストッドの仕業かもしれんな!!」
「殿下、 少し宜しいでしょうか?」

商人から貴族に成りあがったズベイ男爵家のミューが問う。

「何だ? ミューよ」
「要するにお金を勝手に使ったから怒られたのでは?」
「何!? つまりアリストッドの仕業では無いと!?」
「いやいや、 そうでは無く、 使ったお金を補填すれば問題無いのでは?」
「難しい用語を使って賢しげに振舞うな!! もっと簡潔に言え!!」
「使ったお金を返せばクレメンタインは退学しなくてもいいのでは?」
「そう言う事か!! ならば使った金は返そうじゃないか!! 幾らだクレメンタイン!!」
100万とんで50万ユーロ日本円換算で1億5000万円です」

戦慄する一同。

「待て待て、 クレメン、 お前それで計算合っているのか?
目録とか・・・領収書とか見せろ」

王国騎士団団長ベローダ伯爵の子息のダーロングが問う。

「それは出来ません」
「出来ない? 何で?」
「殿下のプライベートな事に関する事柄なので」
「俺のプライベートだと? 例えば何だ?」
「ではお耳を拝借」

レオポルドに耳打ちするクレメンタイン。

「・・・・・それは表沙汰には出来んな、 止むを得ん
ミュー支払っておけ」
「出来ません!! 150万ユーロなんて用意できません!!」
「こういう時にお前が居るんだろうが・・・しょうがない、 お前達で出しあって支払っておけ」
「お、 お前達とは?」
「ここには俺の側近が8人も居るんだ、 150を8で割って・・・えーっと」
18万7500ユーロ日本円換算で1875万円ですね」
「支払っておけよ、 お前達で」
「ちょ、 ちょっと待って下さいよ!!」

ルクセンブルク公爵の7男のラーカーは慌てて飛び出した。

「そんなお金、 学生の私達は支払えませんよ!! 殿下の資産で何とかなりませんか!?」
「俺の資産は今は大した額は無い、 愛しのポニカの為だけに使いたいんだ」
「しかし我々にはどうする事も出来ませんよ・・・そんな大金用意できません」

ミューが呟く。

「ふん!! 所詮は平民上がりだな!! お前達で出せよ!!」

レオポルドの言葉に目を伏せる一同。

「・・・・・おい、 如何した?」
「ヨーロッパ連合に名高きベネルクス王国の
誉れ高きベネルクス王家の第三王子レオポルド殿下
貴族とは言え、 子供の我々では18万所か10万ユーロを出すのは難しいですよ」
「・・・・・」

クレメンタインの言葉に頭を抱えるレオポルド。

「永くお世話になりました」

クレメンタインは頭を下げて荷物を持って生徒会室を出た。

「お疲れ様でした」
「ん」

外で待機している使用人のフェンリルに荷物を渡すクレメンタイン。

「やっと肩の荷が下りたよ、 ヴァカ王子の相手は疲れる」
「お察しいたします、 しかしこの度大金を使った様ですが大丈夫ですか?」
「心配要らん、 親にケツ持たせるよ」
「親と言うと」
「王子の親なんだから王様だろう、 察せ」
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