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チャプター16:インフェルノ・クイーン
世界最強
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サンの目の前には一糸纏わぬベネルクス95世の姿。
声を挙げる暇無く、 苦痛がサンを襲った。
息を吸うだけで呼吸器が鑢に賭けられている様な
毛穴全てに槍を刺される様な
この言葉すら足りない激痛がサンを襲った。
サンは倒れ叫ぶ事すら出来なかった。
「これが地獄だ、 聞こえているか? 大丈夫か?」
「」
反応すら出来ない。
だが理解出来た、 周囲には絶叫が響く。
ここは正に・・・
「私も最初は辛かった、 でももう慣れた、 とは言えんな
麻痺していると言って良いかもしれん」
「」
「お前は私の言っている事を話半分か
若しくは全く信じていなかったかもしれないが言ってやろう
ここが地獄だ、 言ったよな? 『地獄を見る事になるだろう』と」
「」
「まぁ落ち着くまで・・・落ち着ければだが、 暫く大人しくしていろ
安心しろ、 時間は腐る程ある」
「」
「落ち着くまで話をしてやろうか、 先程言った様に天は我が王家を許さない様だ
我々は死んだ時、 例外無く地獄に堕ちる、 だけでは無く
死に瀕した状態、 つまり眠りに墜ちた時に地獄を前もって体験するのだ」
「・・・・・」
「その時、 周囲に居る連中も巻き添えを食うから私は極力一人で眠る様にしているのだが
今日はお前が地獄を見たいらしいから一緒に来た訳だ、 意外と着やせするタイプなんだな」
「・・・あ」
一言でも喋ろうとすると空気が体中で暴れ回る。
否、 まるで嵐が口に入った様だった。
「即位してから数日は私もそうなったよ
とは言っても地獄の時間経過は現実とは違うから体感で数百年かな
まぁ、 無理をするな」
「~~~~~」
サンは起き上がろうとする。
まるで砂の粒の様に細かい剃刀の中を起き上がるが如く
否、 言語化出来ない痛みの中立ち上がった。
「無理をするな、 先日、 私に変装した狼藉者も私になった事で
地獄を味わって死んだ、 お前は良く耐えてるよ、 尊敬に値する
だから倒れていろ」
「こ、 と・・・あ・・・う」
「喋れたのは感嘆に値する、 だが休め」
「断る!!」
眼を見開くベネルクス95世。
「・・・・・驚いた、 この地獄で叫べるとは、 だがな意地を張っても」
「意地ではありません!! そんな事では無いのですよ陛下!!」
サンは起き上がり立ち上がりベネルクス95世を見つめる。
体中に激痛と言う言葉では済まないレベルの激痛が奔る。
ベネルクス95世はあり得ない物を見たと言う表情になった。
「フェザーと共に歩むという事はこの地獄をフェザーに体験させると言う事!!
そんな事をさせる訳にはいかない!!」
「・・・・・ではこの地獄に一人で耐えて生きろと言うのか?」
ベネルクス95世はサンを睨む。
サンは言語化出来ない地獄の中で確かに殺気を感じた。
「一人で行きたくないと言うのならば私が共に歩みます!!」
「出来もしない事を言うな!! お嬢様風情が!!」
「フェザーにこんな事をさせられません!!」
サンがベネルクス95世を睨み返す。
「■■■■■■■■」
既に原型すら留めていないミンチになっている
男か女か分からない者がベネルクス95世に声をかける。
「■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■」
「・・・・・」
「■■■■■■■■■■■■■■■■」
「分かっていますともっ!! この場所では嘘なんかが入り込む余地は無い!!
分かっていますともっ!!」
号泣するベネルクス95世。
サンは見つめていた、 目を逸らす訳にはいかないと。
「・・・・・誰かの為に地獄に堕ちるなんて選択が出来る奴を私は知らない」
「フェザーは私を助けてくれました、 ならばこそ私は彼を助けたい
地獄に堕ちねばならぬというのならば代わりに私が地獄に堕ちます
私が苦しむよりもフェザーが苦しむ方が何よりも辛い」
「少し黙ってくれ・・・君は私が思っているよりも上等な人間らしい・・・」
「ただの恋する乙女ですよ」
「・・・・・恋する乙女強過ぎるだろ、 世界最強か」
「ふふ」
「はは」
地獄で二人は笑っていた。
狂った訳では無く本当に可笑しかった。
地獄の筆舌に尽くしがたい、 王ですら狂気の渦に陥る苦痛
その苦痛に耐えられる原因が恋?
こんな訳の分からない事があるのかと笑った。
地獄に二人の笑い声が響く。
そして周囲の絶叫が止まったのだった。
最早地獄の異常事態だった。
「と、 ここで終われば良いが地獄の体感時間は恐ろしく長い
まだまだ地獄を見る事になる」
「ではどうします? 恋バナでもしますか?」
「暇になる事は無いぞ」
ベネルクス95世の死線を見るとミンチ達がやって来た。
「歴代の王たちがお前に興味を持ったらしい、 色々とためになる事を教えて貰えるかもしれないぞ」
「・・・是非ともご指導ご鞭撻をお願いします」
サンは頭を下げた。
声を挙げる暇無く、 苦痛がサンを襲った。
息を吸うだけで呼吸器が鑢に賭けられている様な
毛穴全てに槍を刺される様な
この言葉すら足りない激痛がサンを襲った。
サンは倒れ叫ぶ事すら出来なかった。
「これが地獄だ、 聞こえているか? 大丈夫か?」
「」
反応すら出来ない。
だが理解出来た、 周囲には絶叫が響く。
ここは正に・・・
「私も最初は辛かった、 でももう慣れた、 とは言えんな
麻痺していると言って良いかもしれん」
「」
「お前は私の言っている事を話半分か
若しくは全く信じていなかったかもしれないが言ってやろう
ここが地獄だ、 言ったよな? 『地獄を見る事になるだろう』と」
「」
「まぁ落ち着くまで・・・落ち着ければだが、 暫く大人しくしていろ
安心しろ、 時間は腐る程ある」
「」
「落ち着くまで話をしてやろうか、 先程言った様に天は我が王家を許さない様だ
我々は死んだ時、 例外無く地獄に堕ちる、 だけでは無く
死に瀕した状態、 つまり眠りに墜ちた時に地獄を前もって体験するのだ」
「・・・・・」
「その時、 周囲に居る連中も巻き添えを食うから私は極力一人で眠る様にしているのだが
今日はお前が地獄を見たいらしいから一緒に来た訳だ、 意外と着やせするタイプなんだな」
「・・・あ」
一言でも喋ろうとすると空気が体中で暴れ回る。
否、 まるで嵐が口に入った様だった。
「即位してから数日は私もそうなったよ
とは言っても地獄の時間経過は現実とは違うから体感で数百年かな
まぁ、 無理をするな」
「~~~~~」
サンは起き上がろうとする。
まるで砂の粒の様に細かい剃刀の中を起き上がるが如く
否、 言語化出来ない痛みの中立ち上がった。
「無理をするな、 先日、 私に変装した狼藉者も私になった事で
地獄を味わって死んだ、 お前は良く耐えてるよ、 尊敬に値する
だから倒れていろ」
「こ、 と・・・あ・・・う」
「喋れたのは感嘆に値する、 だが休め」
「断る!!」
眼を見開くベネルクス95世。
「・・・・・驚いた、 この地獄で叫べるとは、 だがな意地を張っても」
「意地ではありません!! そんな事では無いのですよ陛下!!」
サンは起き上がり立ち上がりベネルクス95世を見つめる。
体中に激痛と言う言葉では済まないレベルの激痛が奔る。
ベネルクス95世はあり得ない物を見たと言う表情になった。
「フェザーと共に歩むという事はこの地獄をフェザーに体験させると言う事!!
そんな事をさせる訳にはいかない!!」
「・・・・・ではこの地獄に一人で耐えて生きろと言うのか?」
ベネルクス95世はサンを睨む。
サンは言語化出来ない地獄の中で確かに殺気を感じた。
「一人で行きたくないと言うのならば私が共に歩みます!!」
「出来もしない事を言うな!! お嬢様風情が!!」
「フェザーにこんな事をさせられません!!」
サンがベネルクス95世を睨み返す。
「■■■■■■■■」
既に原型すら留めていないミンチになっている
男か女か分からない者がベネルクス95世に声をかける。
「■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■」
「・・・・・」
「■■■■■■■■■■■■■■■■」
「分かっていますともっ!! この場所では嘘なんかが入り込む余地は無い!!
分かっていますともっ!!」
号泣するベネルクス95世。
サンは見つめていた、 目を逸らす訳にはいかないと。
「・・・・・誰かの為に地獄に堕ちるなんて選択が出来る奴を私は知らない」
「フェザーは私を助けてくれました、 ならばこそ私は彼を助けたい
地獄に堕ちねばならぬというのならば代わりに私が地獄に堕ちます
私が苦しむよりもフェザーが苦しむ方が何よりも辛い」
「少し黙ってくれ・・・君は私が思っているよりも上等な人間らしい・・・」
「ただの恋する乙女ですよ」
「・・・・・恋する乙女強過ぎるだろ、 世界最強か」
「ふふ」
「はは」
地獄で二人は笑っていた。
狂った訳では無く本当に可笑しかった。
地獄の筆舌に尽くしがたい、 王ですら狂気の渦に陥る苦痛
その苦痛に耐えられる原因が恋?
こんな訳の分からない事があるのかと笑った。
地獄に二人の笑い声が響く。
そして周囲の絶叫が止まったのだった。
最早地獄の異常事態だった。
「と、 ここで終われば良いが地獄の体感時間は恐ろしく長い
まだまだ地獄を見る事になる」
「ではどうします? 恋バナでもしますか?」
「暇になる事は無いぞ」
ベネルクス95世の死線を見るとミンチ達がやって来た。
「歴代の王たちがお前に興味を持ったらしい、 色々とためになる事を教えて貰えるかもしれないぞ」
「・・・是非ともご指導ご鞭撻をお願いします」
サンは頭を下げた。
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