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チャプター16:インフェルノ・クイーン
ホノルル・マラッシイズ・スピル
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北太平洋に浮かぶハワイ列島、 そのハワイ列島に有るハワイ王国。
このハワイ王国はアメリカの避寒地となっておりアメリカのセレブ達は
ハワイにやって来る観光大国でもある。
その観光大国っぷりはヨーロッパにも轟きヨーロッパからも人がやって来る程であり
観光地と言えばハワイ、 と言う人間も少なくない。
当然ながら観光地に行きたい人間は多い、 とは言え意味も無く観光地に行く訳にもいかない。
そこで仕事と言う名目でハワイに取引相手を持つ人間も多い。
ハワイは熱帯地域な為、 固有の作物も多いのだ。
その中でも砂糖の原料であるサトウキビは欲しがる者も多いドル箱である。
再誕歴7704年メイ12日。
北太平洋上、 客船メイフラワー22世号。
自転が物凄い速いこの世界の海上は当然の事ながら常に大荒れである。
しかしその荒れた海を渡る為に公開技術と造船技術は恐ろしく高く
ヨーロッパからここまでとても早く来る事が出来た。
当然良い船と良い船乗りを使っての結果なので料金はそれなりに高くついたが。
「まぁ税金だから良しとしようか」
「・・・・・」
船内の食堂にて向かい合うベネルクス王国の農務大臣のコールスローと
財務大臣のエンペスキー、 コールスローはステーキを食べ
エンペスキーは水を飲んでいる。
「税金だからと無駄遣いは止めて頂きたいですね」
「いや、 しょうがないじゃない、 私に言わないでよ」
「・・・・・」
溜息を吐くエンペスキー。
何故彼等がハワイに向かっているのか話は今年の頭まで遡る。
再誕歴7704年ジャニュアリー20日。
ベネルクス王国首都国王直轄領ブリュッセル。
ブリュッセル王宮に呼び出しを受けたエンペスキーとコールスロー。
「おやエンペスキー殿、 貴方も呼び出しですか?」
「その様ですね、 年明け位はゆっくり過ごしたいのですがね
息子も文句を言っていましたよ」
「相変わらず家庭的な方ですね」
「コールスロー閣下はご結婚は?」
「いやぁ、 まだまだ考えられませんね」
二人はにこやかに話ながら謁見の間に向かう。
「財務大臣エンペスキー参りました」
「農務大臣コールスロー参りました」
謁見の間が開く。
「新年早々申し訳無いね」
謁見の間にはベネルクス95世、 監査省の役人、 宰相のドグラマグラ、 そしてサン。
最後に騎士に周囲を取り囲まれている嗜好省長官のクレジット。
太った体からは何時も以上に汗が流れている。
「クレジット? 何か有りましたか?」
「えぇ、 実はクレジットがハワイ王国のホノルルでの取引で横領を行っていたらしくて」
「横領」
じろり、 とコールスローを見るエンペスキー。
「いやいや!! 私は知りませんよ!!」
「当然ながら監査省の人間が調べ上げた、 横領した金はハワイでの遊興費※1に消えていた」
※1:遊びの為の金。
「それは・・・こちらの確認が足らずに申し訳無い・・・」
「・・・・・王国法で横領した金の補填を直ぐにさせましょう」
「話はそう単純では無い」
ベネルクス95世の言葉に首を傾げるエンペスキーとコールスロー。
「問題なのはその横領した金が無かったせいで我々は大損する可能性が有ると言う事だ」
「どういう事ですか?」
コールスローを見るエンペスキー。
「・・・何故私を見る?」
「ハワイで一体何をしていたのですか?※2」
※2:訳.どうせ仕事とか言って遊んでたんだろ
「いやいや、 糖蜜の仕入れとかだった筈だ
ハワイはサトウキビの原産地でもあるからね、 色々と現地の会社には投資をしていた筈だ」
「そう、 その投資だ」
ベネルクス95世が指を指す。
「その投資の金を出し渋ったせいで施設が老朽化して糖蜜のパイプが壊れてしまった」
「なるほど、 そのパイプが壊れた分の補填もしなければならないと」
「その通り、 但し糖蜜の会社は様々な資本が入り乱れて作られた会社
責任は我が国だけではないだろう、 誰の責任かを決闘で決める事になった」
「パイプの老朽化による損害ならば嗜好省長官に補填させればいいのでは?
彼が貴族とのパイプがあるのは周知の事実です
相当貯め込んでいる筈では?」
エンペスキーが提案した。
クレジットの責任で済ませてしまえば無駄に金を使わずに済む。
「クレジットの資産では賄いきれない被害が起こっている」
「はい?」
困惑するエンペスキー。
「流出した糖蜜の領は1400トンだ」
「1400!? と、 言う事は糖蜜の値段は」
「糖蜜の値段は如何でも良い、 些事だ
問題は1400トンの糖蜜が流出した事による被害だ
観光大国のハワイ近辺が糖蜜で汚染され一帯の海洋生物が全滅
サンゴも台無しになった、 これがどれだけの損害になるか、 分かるか?」
蒼褪めるエンペスキー。
想像するだけでも背筋が凍る。
公爵家クラスの家が消し飛ぶほどの大金が失われるだろう。
「・・・そこで決闘ですか、 誰を送ります?」
「サンの所のフェザーを送ります」
「彼ですか・・・大丈夫ですか? 負けたら相当な責任が」
「彼は負けませんよ」
ベネルクス95世が断言するのだった。
このハワイ王国はアメリカの避寒地となっておりアメリカのセレブ達は
ハワイにやって来る観光大国でもある。
その観光大国っぷりはヨーロッパにも轟きヨーロッパからも人がやって来る程であり
観光地と言えばハワイ、 と言う人間も少なくない。
当然ながら観光地に行きたい人間は多い、 とは言え意味も無く観光地に行く訳にもいかない。
そこで仕事と言う名目でハワイに取引相手を持つ人間も多い。
ハワイは熱帯地域な為、 固有の作物も多いのだ。
その中でも砂糖の原料であるサトウキビは欲しがる者も多いドル箱である。
再誕歴7704年メイ12日。
北太平洋上、 客船メイフラワー22世号。
自転が物凄い速いこの世界の海上は当然の事ながら常に大荒れである。
しかしその荒れた海を渡る為に公開技術と造船技術は恐ろしく高く
ヨーロッパからここまでとても早く来る事が出来た。
当然良い船と良い船乗りを使っての結果なので料金はそれなりに高くついたが。
「まぁ税金だから良しとしようか」
「・・・・・」
船内の食堂にて向かい合うベネルクス王国の農務大臣のコールスローと
財務大臣のエンペスキー、 コールスローはステーキを食べ
エンペスキーは水を飲んでいる。
「税金だからと無駄遣いは止めて頂きたいですね」
「いや、 しょうがないじゃない、 私に言わないでよ」
「・・・・・」
溜息を吐くエンペスキー。
何故彼等がハワイに向かっているのか話は今年の頭まで遡る。
再誕歴7704年ジャニュアリー20日。
ベネルクス王国首都国王直轄領ブリュッセル。
ブリュッセル王宮に呼び出しを受けたエンペスキーとコールスロー。
「おやエンペスキー殿、 貴方も呼び出しですか?」
「その様ですね、 年明け位はゆっくり過ごしたいのですがね
息子も文句を言っていましたよ」
「相変わらず家庭的な方ですね」
「コールスロー閣下はご結婚は?」
「いやぁ、 まだまだ考えられませんね」
二人はにこやかに話ながら謁見の間に向かう。
「財務大臣エンペスキー参りました」
「農務大臣コールスロー参りました」
謁見の間が開く。
「新年早々申し訳無いね」
謁見の間にはベネルクス95世、 監査省の役人、 宰相のドグラマグラ、 そしてサン。
最後に騎士に周囲を取り囲まれている嗜好省長官のクレジット。
太った体からは何時も以上に汗が流れている。
「クレジット? 何か有りましたか?」
「えぇ、 実はクレジットがハワイ王国のホノルルでの取引で横領を行っていたらしくて」
「横領」
じろり、 とコールスローを見るエンペスキー。
「いやいや!! 私は知りませんよ!!」
「当然ながら監査省の人間が調べ上げた、 横領した金はハワイでの遊興費※1に消えていた」
※1:遊びの為の金。
「それは・・・こちらの確認が足らずに申し訳無い・・・」
「・・・・・王国法で横領した金の補填を直ぐにさせましょう」
「話はそう単純では無い」
ベネルクス95世の言葉に首を傾げるエンペスキーとコールスロー。
「問題なのはその横領した金が無かったせいで我々は大損する可能性が有ると言う事だ」
「どういう事ですか?」
コールスローを見るエンペスキー。
「・・・何故私を見る?」
「ハワイで一体何をしていたのですか?※2」
※2:訳.どうせ仕事とか言って遊んでたんだろ
「いやいや、 糖蜜の仕入れとかだった筈だ
ハワイはサトウキビの原産地でもあるからね、 色々と現地の会社には投資をしていた筈だ」
「そう、 その投資だ」
ベネルクス95世が指を指す。
「その投資の金を出し渋ったせいで施設が老朽化して糖蜜のパイプが壊れてしまった」
「なるほど、 そのパイプが壊れた分の補填もしなければならないと」
「その通り、 但し糖蜜の会社は様々な資本が入り乱れて作られた会社
責任は我が国だけではないだろう、 誰の責任かを決闘で決める事になった」
「パイプの老朽化による損害ならば嗜好省長官に補填させればいいのでは?
彼が貴族とのパイプがあるのは周知の事実です
相当貯め込んでいる筈では?」
エンペスキーが提案した。
クレジットの責任で済ませてしまえば無駄に金を使わずに済む。
「クレジットの資産では賄いきれない被害が起こっている」
「はい?」
困惑するエンペスキー。
「流出した糖蜜の領は1400トンだ」
「1400!? と、 言う事は糖蜜の値段は」
「糖蜜の値段は如何でも良い、 些事だ
問題は1400トンの糖蜜が流出した事による被害だ
観光大国のハワイ近辺が糖蜜で汚染され一帯の海洋生物が全滅
サンゴも台無しになった、 これがどれだけの損害になるか、 分かるか?」
蒼褪めるエンペスキー。
想像するだけでも背筋が凍る。
公爵家クラスの家が消し飛ぶほどの大金が失われるだろう。
「・・・そこで決闘ですか、 誰を送ります?」
「サンの所のフェザーを送ります」
「彼ですか・・・大丈夫ですか? 負けたら相当な責任が」
「彼は負けませんよ」
ベネルクス95世が断言するのだった。
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