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チャプター15:ドクターズ・オウクワード
シルバー・コイン・ミーティング
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バルカンはヨーロッパの中でも特異な国である。
多くの民族が合わさり合い、 常に火種を抱えている国。
バルカンを統治した王や皇帝、 貴族、 議員は数知れず。
バルカン王国、 バルカン帝国、 バルカン公国、 バルカン共和国と
国号を次々とボジョレーヌーヴォーのキャッチコピー※1 の様に変える。
※1:フランスのボジョレー地区でその年に収穫したぶどうを醸造した新酒ワイン。
毎年毎年新しいキャッチコピーが出る。
ワインと同じくキャッチコピーの出来不出来も評価される。
次第に国号はバルカンに固定される様になった。
そのバルカンの決闘者は勿論強い、 と言う事は無かった。
決闘をする前に暗殺上等、 内紛上等と言う血の気が多い国なのだ。
決闘者は飾りに過ぎない。
「と思っていたがな」
ルーマニア、 VHO本部。
玄関にて無呼吸が息を切らしながら
バルカンの決闘者達を葬った。
「はぁ・・・はぁ・・・」
「だ、 大丈夫ですか? まだヴァリャーグとの戦いの傷が言えていないでしょう?」
ブラムが心配する。
「アンタの手下じゃ、 逆にやられていた
それにもう8割方回復したよ
名乗りもしない蛮族の癖にここまで強いとは・・・うん?」
決闘者の死体をごろり、 と転がすと見覚えの無い傷が有った。
つい先ほど斬られたような傷だった。
「これは?」
「え? いえ、 私は分かりません・・・」
「・・・・・本腰を入れて傷を癒す事にする」
そう言って無呼吸は引っ込んだ。
VHO本部を外から見張る【シルバー・コイン】の決闘者達
社内序列1位の決闘者のジョウゲン
2位の叭・老、 3位のダターイ、 4位のチャンダブリー、 5位のエルメンドラ。
「バルカンのれんちゅ、 出て来ませんね、 どしますボス?
エルメンドラ突っ込ませます?」
「何で私を!?」
ダターイが自身の金髪の髪を弄りながら
チクル樹液の塊※1を噛みながらジョウゲンに尋ねる。
※1:ガムの代用品、 まだまだこの世界ではガムは高価なのだ。
「おめぇがこんなかで一番下っ端だからに決まってんだろ」
「ざけんじゃなわよ」
「落ち着けお前達、 まだやるには早い」
「早い? 何を待つ? 儂の寿命が尽きたらどうするんだ?」
叭・老がギラリともさもさの髭と眉毛から眼光を光らせる。
「老爺、 まだ情報が不足している」
「情報? 何の情報が足りない?」
「我々を襲って来たタルパ共だよ、 あんな練度の高いタルパ聞いた事が無い
老爺は聞いた事あるか?」
「・・・・・聞いた事は無いな、 人間と見紛う程の精密さ
あんな物を作れるとは思わない、 数も凄まじかった」
「あのタルパがルーマニアの奴が作っていたとしたら?」
「・・・脅威だね、 しかし疑問がある
何故我々は今無事なのか?」
「それが問題なんですよ、 ここで最悪なのはルーマニアの奴が
タルパとは無関係だった場合、 俺達がケリを着けてもタルパの襲撃で終わる」
「それはご免被るね・・・ヴァリャーグを殺せる奴、 いや連中?
兎も角そんな奴等と戦ってはタダでは済まない、 その後に襲われたら目も当てられない」
「そりゃ、 考え過ぎじゃねーの? ハンガリーを抜ける少し前から
タルパは来てねーぜ?」
ダターイがちゃちゃを入れる。
「周囲に隠れている、 としたら?」
「あぁー、 なるほど、 そういうパターンか、 完全に理解したわ※2」
※2:理解できていない。
「じゃあやっぱりエルメンドラ突っ込ませます? 何らかのアクションが起きるでしょう」
「捨て駒にする気!?」
「待て待て、 エルメンドラはエルメンドラで役に立つ、 ここで切るには勿体無い」
「しかし切り時を逃すのは得策では無いぞジョウゲン」
「いや老爺、 切る必要もない」
ジョウゲンが指差す。
その先には【ルクセンブルク・インフェルノ・フェニックス】の馬車が来ていた。
「危険は奴等に任せましょう」
「手柄を先に取られたらどうする?」
「その場合は横取りしましょう」
「っひゃー、 ボスきっちくー」
タダーイが囃し立てる。
「えぇ・・・良いの? それ?」
「立会人が機能してないからなぁ、 好きにやらせて貰おう、 異論は?」
「無いな」
「ねぇっスよ」
「・・・・・まぁ、 私は手を出しませんよ」
「チャンダブリー、 お前は?」
七三分けのチャンダブリーは腕組みをしたまま頷く。
「決まりだな、 待とうか」
次の瞬間、 VHO本部は火に包まれた。
「何ィイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイ!!!!?」
流石にこれは予想外だった、 流石にジョウゲンも絶叫する。
「ちょ、 ちょ、 ちょ!?」
ダターイも言葉を紡げない。
「エメラルドは熱に弱い!! エメラルド・タブレットが台無しになる!!
皆でツッコむぞ!! エルメンドラ!!」
「あ、 あぁ!!」
エルメンドラは大砲のタルパを構築して打ち出した!!
VHO本部に激突し大穴を開いた。
「そうじゃねぇだろうが!! いや、 あって、 無い!!」
「えぇいまどろっこしい!! 行くぞ!!」
ジョウゲンは走り出し、 皆もついて言ったのだった。
多くの民族が合わさり合い、 常に火種を抱えている国。
バルカンを統治した王や皇帝、 貴族、 議員は数知れず。
バルカン王国、 バルカン帝国、 バルカン公国、 バルカン共和国と
国号を次々とボジョレーヌーヴォーのキャッチコピー※1 の様に変える。
※1:フランスのボジョレー地区でその年に収穫したぶどうを醸造した新酒ワイン。
毎年毎年新しいキャッチコピーが出る。
ワインと同じくキャッチコピーの出来不出来も評価される。
次第に国号はバルカンに固定される様になった。
そのバルカンの決闘者は勿論強い、 と言う事は無かった。
決闘をする前に暗殺上等、 内紛上等と言う血の気が多い国なのだ。
決闘者は飾りに過ぎない。
「と思っていたがな」
ルーマニア、 VHO本部。
玄関にて無呼吸が息を切らしながら
バルカンの決闘者達を葬った。
「はぁ・・・はぁ・・・」
「だ、 大丈夫ですか? まだヴァリャーグとの戦いの傷が言えていないでしょう?」
ブラムが心配する。
「アンタの手下じゃ、 逆にやられていた
それにもう8割方回復したよ
名乗りもしない蛮族の癖にここまで強いとは・・・うん?」
決闘者の死体をごろり、 と転がすと見覚えの無い傷が有った。
つい先ほど斬られたような傷だった。
「これは?」
「え? いえ、 私は分かりません・・・」
「・・・・・本腰を入れて傷を癒す事にする」
そう言って無呼吸は引っ込んだ。
VHO本部を外から見張る【シルバー・コイン】の決闘者達
社内序列1位の決闘者のジョウゲン
2位の叭・老、 3位のダターイ、 4位のチャンダブリー、 5位のエルメンドラ。
「バルカンのれんちゅ、 出て来ませんね、 どしますボス?
エルメンドラ突っ込ませます?」
「何で私を!?」
ダターイが自身の金髪の髪を弄りながら
チクル樹液の塊※1を噛みながらジョウゲンに尋ねる。
※1:ガムの代用品、 まだまだこの世界ではガムは高価なのだ。
「おめぇがこんなかで一番下っ端だからに決まってんだろ」
「ざけんじゃなわよ」
「落ち着けお前達、 まだやるには早い」
「早い? 何を待つ? 儂の寿命が尽きたらどうするんだ?」
叭・老がギラリともさもさの髭と眉毛から眼光を光らせる。
「老爺、 まだ情報が不足している」
「情報? 何の情報が足りない?」
「我々を襲って来たタルパ共だよ、 あんな練度の高いタルパ聞いた事が無い
老爺は聞いた事あるか?」
「・・・・・聞いた事は無いな、 人間と見紛う程の精密さ
あんな物を作れるとは思わない、 数も凄まじかった」
「あのタルパがルーマニアの奴が作っていたとしたら?」
「・・・脅威だね、 しかし疑問がある
何故我々は今無事なのか?」
「それが問題なんですよ、 ここで最悪なのはルーマニアの奴が
タルパとは無関係だった場合、 俺達がケリを着けてもタルパの襲撃で終わる」
「それはご免被るね・・・ヴァリャーグを殺せる奴、 いや連中?
兎も角そんな奴等と戦ってはタダでは済まない、 その後に襲われたら目も当てられない」
「そりゃ、 考え過ぎじゃねーの? ハンガリーを抜ける少し前から
タルパは来てねーぜ?」
ダターイがちゃちゃを入れる。
「周囲に隠れている、 としたら?」
「あぁー、 なるほど、 そういうパターンか、 完全に理解したわ※2」
※2:理解できていない。
「じゃあやっぱりエルメンドラ突っ込ませます? 何らかのアクションが起きるでしょう」
「捨て駒にする気!?」
「待て待て、 エルメンドラはエルメンドラで役に立つ、 ここで切るには勿体無い」
「しかし切り時を逃すのは得策では無いぞジョウゲン」
「いや老爺、 切る必要もない」
ジョウゲンが指差す。
その先には【ルクセンブルク・インフェルノ・フェニックス】の馬車が来ていた。
「危険は奴等に任せましょう」
「手柄を先に取られたらどうする?」
「その場合は横取りしましょう」
「っひゃー、 ボスきっちくー」
タダーイが囃し立てる。
「えぇ・・・良いの? それ?」
「立会人が機能してないからなぁ、 好きにやらせて貰おう、 異論は?」
「無いな」
「ねぇっスよ」
「・・・・・まぁ、 私は手を出しませんよ」
「チャンダブリー、 お前は?」
七三分けのチャンダブリーは腕組みをしたまま頷く。
「決まりだな、 待とうか」
次の瞬間、 VHO本部は火に包まれた。
「何ィイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイ!!!!?」
流石にこれは予想外だった、 流石にジョウゲンも絶叫する。
「ちょ、 ちょ、 ちょ!?」
ダターイも言葉を紡げない。
「エメラルドは熱に弱い!! エメラルド・タブレットが台無しになる!!
皆でツッコむぞ!! エルメンドラ!!」
「あ、 あぁ!!」
エルメンドラは大砲のタルパを構築して打ち出した!!
VHO本部に激突し大穴を開いた。
「そうじゃねぇだろうが!! いや、 あって、 無い!!」
「えぇいまどろっこしい!! 行くぞ!!」
ジョウゲンは走り出し、 皆もついて言ったのだった。
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