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チャプター15:ドクターズ・オウクワード

ビッグ・ボイス!!!!!

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フランス決闘代行業【クレフとダン】所属の大十字の異名を持つS級決闘者タブー。
ナポレオンに使えた元帥ダヴーの子孫を自称しており
現フランス政権に対して抗議活動をしていた活動家でもあった
また複数の破壊工作の関与を疑われている危険人物でもある。
十字架にウィルパワーを込める事により爆弾に変える事が出来る。
『神に祈るな、 世の中に不満が有れば戦って変えろ』
怒りを込めながらの祈りに似た新年は彼の頭部から毛髪を無くした。

そのタブーが大苦戦をしている。
十字架を次々と爆発させて視界を塞ぎながら戦っている。
暴風吹き荒れるこの世でも充分な煙を出しながら。

「おや、 おかしいね、 何をしているんだい?
当てるつもりがないのか?」

煙で見えない敵がのんびりと喋りながら話しかける。

「間抜けが、 お前の力は邪眼※1 の類だろう?」


※1:見る事で発動するタイプの能力。
ゴーゴンの目を合わせた者を石化させる物がメジャーである。


「何故分かる」
「生憎俺はお前みたいな輩とも戦ってる、 んだ!!」

声の方向に十字架を投げるタブー。
しかし物凄いスピードで投げ返される。
パシッ、 と受け止める。

「間抜けが、 俺の十字架に込められているウィルパワーは俺のウィルパワーだ
てめぇの爆弾で死ぬ奴は居ねぇ、 帰してくれるならばありがたく受取ろう」
「ふーむ・・・参ったな、 こりゃ」

参ったはこっちの台詞だ。
と心の中で呟く。
何でこっちが十字架投げたタイミングで即座に返せるんだ?

「くそ・・・ウィルパワー使い過ぎたか・・・」

少しふらつき始めた、 これは不味い。

「・・・!?」

懐を探って事態を察知した。
不味い所じゃないヤバイ!!
懐の十字架はまだ大量に有る!! 必要な分だけを持ち歩いているタブーにとって
十字架が有るのに疲れ始めるのは異常!!

「あぐっ・・・」

胸が苦しい・・・泡を吹きながらタブーは倒れ伏したのだった。

「・・・終わった? 狭心症アンギナペトリス
「はい」

煙が晴れて二人の男が現れた。

「やれやれ、 こいつ俺にだけ注意を払っていたな」
「まぁ貴方は見た奴を心臓麻痺にしますからね、 警戒は必須でしょう」
「やれや「This is Appleこれはリンゴです!! And Youお前もな!!」

ぽとん、 と男がリンゴになって転がる。

「っ!?」

狭心症アンギナペトリスと呼ばれた男が驚愕で眼を見開く。

「やっぱりな、 手配書で見た顔だ
モーント・ズンディカーズの幹部心臓発作ハートアタック
その配下、 狭心症アンギナペトリス、 まさかタルパだとは思わなかったぞ」

アッポーとペンがやって来た。

「・・・・・まぁ、 本人じゃないからな」
「あん?」
多重人格マルチプルパーソナリティと本体は呼んでいる
言ってみれば本体が知っている人間を再現してタルパとして使う事が出来る
当然、 再現した人間が使う技巧は全て使う事が出来る」
「俺のタルパがゴミみたいに見えるな」

ペンが呟いた。

「だがそんなに強い能力、 いくつかの規定動作ルーティーンが必要だろう
説明エクスプレインもその一環か?」
「いや? これは俺の狭心症アンギナペトリスを強める規定動作ルーティーン
俺は周囲の人間の心臓の動きを阻害して殺す事が出来る
本来ならば数分はかかるが説明エクスプレインを挟めばもっと短くて済む」
「そんなに存在きられると思うのか?
俺はお前をリンゴに作り替えられる」
「試してみるか?」
This is Appこれはリン ちぃ!!」

狭心症アンギナペトリスはナイフを投げてリンゴを落とした。

「タルパを消す技こそ規定動作ルーティーンが必要だ
恐らくさっきの呪文? みたいなのが必要なんだろう」
「・・・・・」

長引かせる訳にはいかない。
時間切れになれば二人共死ぬのだ。

「一気に攻めるぞ」
「こ」

狭心症アンギナペトリスの頭部に深々と剣が刺さる。
狭心症アンギナペトリスは霧散して消えた。

「な、 何だ?」

ズン、 ズンと大きな音を響かせて騎士が現れた。
顔が見えない全身鎧フルプレートアーマーの騎士だ。

「な、 何者『我はドイツ帝国専属S級決闘者!! アイゼンクォーポ!!
貴様等は何者だ!?』

響き過ぎる大声で叫ぶアイゼンクォーポ。

「わ、 私達はフランス決闘代行業【ライトニング】のアッポーとペンだ」
『ふむ!! 噂はかねがね聞いておる!! 如何だろうか!! 協力しないか!?』
「きょ、 協力?」
『我は手柄は如何でも良い!! 肝心なのは敵を殺す事だ!!
【クレフとダン】と手を組む為に話し合いをしていたが突如として襲われ!!
【クレフとダン】のタブーは死んでしまった!! 他に三人来ていたが何処に行ったた分からん!!』
「・・・・・ガブリエルとランパードは死んだ」
『こちらも私と後学の為に連れて来た見習い以外は死んだ!!
話を聞くと凄いタルパを作り出せる何者かが相手らしい!!』
「・・・・・社長の元に案内しますんで、 話し合って下さい」
『助かる!!』
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