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チャプター14:ノット・インデペンデンス
アイム・ゴー
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再誕歴7703年ジューン12日。
ベルモンド伯爵領のベルモンド伯爵邸、 応接室。
「残りの代官は14人、 これは由々しき事態ですよ」
ベルモンドから出された茶を飲みながらエルジェが現状を報告した。
ベルモンド麾下の代官22人の内、 2人が既に死亡。
一人は移籍、 情報を漏らした5人は処刑。
代官の数が激減してしまった。
「分かっている・・・娘に爵位を与えて代官昇格も考えている」
「フェザーでは駄目ですか?」
「本人が固辞している以上厳しいだろうな」
「・・・・・」
考え込むエルジェ。
「伯爵、 先代からお仕えして来ましたが
そろそろ私も老体ですので引退を考えたいのですがね・・・」
「引退って・・・君は息子と絶縁したんだろう? 誰に引き継ぎを任せるつもりだ?」
「何とか息子との仲を取り持っていただきたい・・・」
「私でも厳しいぞ・・・例え君の息子が帰って来ても、 人手が圧倒的に足りない
情報を漏らしたヴァカ共の責任を突いて他の領が我が領を狙っている
これに対する対策もしたい」
「・・・・・いっその事売り渡してしまったらどうですか?」
「確かに無くは無い手だ・・・が・・・」
悩ましい事である。
領地の縮小は貴族にとって恥、 しかしながら実利を考えるのならば
要らない領地は捨てた方が良いのは事実。
例えるならば広い豪邸は立派で見栄えも良いが手入れが大変。
そもそも住む人数によっては無駄も多い。
「代官の候補となる者は居るのですか?」
「まさかここまで一気に減るとは思わなかった・・・が
一人欲しい人間が居る、 しかし外部の人間だ」
顔を覆うベルモンド。
「まだまだ現役だと思って後任の育成をしていないツケがここで来るとは・・・」
「何れにせよ領地間決闘は熟さなければなりません
ルン子爵とセイバーダー子爵、 そしてセルデン侯爵
一体誰が出るかは分かりませんが、 こちら側からは誰を出します?」
「フェザーには断られているから除外として・・・決闘代行業に依頼を出すとしよう」
「それならば安心・・・ですかね・・・」
茶碗を置くエルジェ。
「しかしながら噂も耳にします」
「噂? 噂とは?」
「件の領、 情報を売り渡したという事は事実
それは既にヒューガルデン伯爵が調べ上げている
しかしながら売ったのならば金が有る筈なのに見当たらない
金は何処に消えたのか?」
「銀行」
「その程度ならばヒューガルデン伯爵が調べ上げているでしょうな」
考え込むベルモンド。
「・・・何が言いたい?」
「分かるでしょう? 連中は自分達の領に財を隠したのではないか?
と言う事ですよ、 俗に言う『埋蔵金』の噂です」
「・・・・・」
軽く溜息を吐くベルモンド。
「そんな単純な物かね」
「と言いますと?」
「財を隠す方法なんて山の様にある、 財を領に隠すなんて
あまりにも単純すぎる、 ヒューガルデン伯爵が気が付かない筈はない」
「なるほど・・・では財は何処に?」
「案外、 もう使ってしまったのかもしれないな・・・」
遠い目をしながら窓の外を見るベルモンド。
「使い切るなんて・・・愚かな・・・その金を使って成り上がる事を考えないのか」
「いや、 そうじゃない、 連中の領は困窮していたらしい」
「・・・・・犯罪に手を染める程だったのですか?」
「そうですね」
「ヴァカな・・・確かに特色のない領地でしたが災害も無かったのに
何故そこまで追い詰められたのですか?」
「投資の失敗、 新しい産業の失敗、 領地経営のミス」
「新しい事をして失敗した、 と言う事ですか」
「確かに横文字とか多用していましたからね・・・
外国の気取った言葉を使って頭が良くなったと錯覚して
ならば自分のやる事は上手く行くと思い込んで突っ走って・・・
それで何もかも失うとは・・・うん?」
ベルモンドは気が付いた、 外に誰か来ている。
「あれは・・・!!」
ベルモンドは直ぐに玄関に向かい出迎えた。
「これはこれはワームウッド閣下!! こんな所に良くぞおいでになられました!!」
現れたのは大臣のワームウッド。
「礼は良い」
「はっ・・・は?」
ワームウッドはそれなりに礼儀には厳しい男だった筈、 一体何故?
「陛下のご命令により領地間決闘に参加させて貰う事にした」
「へ、 陛下のご命令ですと!?」
驚愕するベルモンド。
「へ、 陛下のご命令ならば領地を返上する事も止むを得ませんが・・・」
「何を言うのか、 お前の部下のヘマはお前のヘマでは無い
ならばお前には責任は無いのだから、 お前に罰を与えられない
ハートレス判例だ」
「・・・私の面目を保って下さりありがたく思います
それで、 一体誰が決闘に参加するのですか?」
「何を言っているのだ、 領地間決闘に参加させて貰うと言っただろう」
「えぇと・・・誰が参加なさるのですか? まさか大臣自らが出る訳ではありませんよね?」
「私が出る」
「!!!!?」
流石にこれにはベルモンドも驚き
各新聞社も挙って報道した、 ワームウッドとしては単にドイツに近い場所に新しく拠点を作りたいだけで
特に他意は無かったのだがこれが『埋蔵金』が有るのではないのか?
と話題になり、 これが一騒動起こす切欠になったのだった。
ベルモンド伯爵領のベルモンド伯爵邸、 応接室。
「残りの代官は14人、 これは由々しき事態ですよ」
ベルモンドから出された茶を飲みながらエルジェが現状を報告した。
ベルモンド麾下の代官22人の内、 2人が既に死亡。
一人は移籍、 情報を漏らした5人は処刑。
代官の数が激減してしまった。
「分かっている・・・娘に爵位を与えて代官昇格も考えている」
「フェザーでは駄目ですか?」
「本人が固辞している以上厳しいだろうな」
「・・・・・」
考え込むエルジェ。
「伯爵、 先代からお仕えして来ましたが
そろそろ私も老体ですので引退を考えたいのですがね・・・」
「引退って・・・君は息子と絶縁したんだろう? 誰に引き継ぎを任せるつもりだ?」
「何とか息子との仲を取り持っていただきたい・・・」
「私でも厳しいぞ・・・例え君の息子が帰って来ても、 人手が圧倒的に足りない
情報を漏らしたヴァカ共の責任を突いて他の領が我が領を狙っている
これに対する対策もしたい」
「・・・・・いっその事売り渡してしまったらどうですか?」
「確かに無くは無い手だ・・・が・・・」
悩ましい事である。
領地の縮小は貴族にとって恥、 しかしながら実利を考えるのならば
要らない領地は捨てた方が良いのは事実。
例えるならば広い豪邸は立派で見栄えも良いが手入れが大変。
そもそも住む人数によっては無駄も多い。
「代官の候補となる者は居るのですか?」
「まさかここまで一気に減るとは思わなかった・・・が
一人欲しい人間が居る、 しかし外部の人間だ」
顔を覆うベルモンド。
「まだまだ現役だと思って後任の育成をしていないツケがここで来るとは・・・」
「何れにせよ領地間決闘は熟さなければなりません
ルン子爵とセイバーダー子爵、 そしてセルデン侯爵
一体誰が出るかは分かりませんが、 こちら側からは誰を出します?」
「フェザーには断られているから除外として・・・決闘代行業に依頼を出すとしよう」
「それならば安心・・・ですかね・・・」
茶碗を置くエルジェ。
「しかしながら噂も耳にします」
「噂? 噂とは?」
「件の領、 情報を売り渡したという事は事実
それは既にヒューガルデン伯爵が調べ上げている
しかしながら売ったのならば金が有る筈なのに見当たらない
金は何処に消えたのか?」
「銀行」
「その程度ならばヒューガルデン伯爵が調べ上げているでしょうな」
考え込むベルモンド。
「・・・何が言いたい?」
「分かるでしょう? 連中は自分達の領に財を隠したのではないか?
と言う事ですよ、 俗に言う『埋蔵金』の噂です」
「・・・・・」
軽く溜息を吐くベルモンド。
「そんな単純な物かね」
「と言いますと?」
「財を隠す方法なんて山の様にある、 財を領に隠すなんて
あまりにも単純すぎる、 ヒューガルデン伯爵が気が付かない筈はない」
「なるほど・・・では財は何処に?」
「案外、 もう使ってしまったのかもしれないな・・・」
遠い目をしながら窓の外を見るベルモンド。
「使い切るなんて・・・愚かな・・・その金を使って成り上がる事を考えないのか」
「いや、 そうじゃない、 連中の領は困窮していたらしい」
「・・・・・犯罪に手を染める程だったのですか?」
「そうですね」
「ヴァカな・・・確かに特色のない領地でしたが災害も無かったのに
何故そこまで追い詰められたのですか?」
「投資の失敗、 新しい産業の失敗、 領地経営のミス」
「新しい事をして失敗した、 と言う事ですか」
「確かに横文字とか多用していましたからね・・・
外国の気取った言葉を使って頭が良くなったと錯覚して
ならば自分のやる事は上手く行くと思い込んで突っ走って・・・
それで何もかも失うとは・・・うん?」
ベルモンドは気が付いた、 外に誰か来ている。
「あれは・・・!!」
ベルモンドは直ぐに玄関に向かい出迎えた。
「これはこれはワームウッド閣下!! こんな所に良くぞおいでになられました!!」
現れたのは大臣のワームウッド。
「礼は良い」
「はっ・・・は?」
ワームウッドはそれなりに礼儀には厳しい男だった筈、 一体何故?
「陛下のご命令により領地間決闘に参加させて貰う事にした」
「へ、 陛下のご命令ですと!?」
驚愕するベルモンド。
「へ、 陛下のご命令ならば領地を返上する事も止むを得ませんが・・・」
「何を言うのか、 お前の部下のヘマはお前のヘマでは無い
ならばお前には責任は無いのだから、 お前に罰を与えられない
ハートレス判例だ」
「・・・私の面目を保って下さりありがたく思います
それで、 一体誰が決闘に参加するのですか?」
「何を言っているのだ、 領地間決闘に参加させて貰うと言っただろう」
「えぇと・・・誰が参加なさるのですか? まさか大臣自らが出る訳ではありませんよね?」
「私が出る」
「!!!!?」
流石にこれにはベルモンドも驚き
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