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エクストラチャプター:フィロウ
フュゥーナァラァル・ニュース
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再誕歴7701年フェブラリー8日。
N5。
この街は過日の騒乱により大規模な被害を受けて現在復興作業に勤しんでいる。
「ほら、 退いた退いたー」
この街で現在復興作業の指揮を執っているのはダイモスである。
彼はこの街では珍しく人を気にするタイプの人間で有り、 自然と人望が集まっているのだ。
とは言え自分も瓦礫の撤去作業をする等、 前に出るタイプでもある。
今日も瓦礫の撤去作業を終えて、 掘っ立て小屋の集会場にやって来た。
「ダイモス君、 御疲れ様」
集会場で復興担当と言う名目でマーナガルム男爵家から送られたウルフが
やる気無さそうに日払い金を払う。
「・・・相割らず安いなぁ」
「文句言うなよ、 掘っ立て小屋とは言え住居やら保険やらは全部こっち持ちだ
それ等を全部込みするとお前等の月収は俺の初任給よりも倍高い」
「・・・男爵家の雇い人なのにそんな給料低いのか?」
「あたぼうよ、 俺みたいなの学無し技能無しの人間なんざ物凄い安く買い叩かれる」
「それは・・・酷いな、 幾ら何でも職変えようとかしないのか?
流石に俺よりも月収安いって滅茶苦茶だろ」
「出来ねぇよ」
「何で?」
「他に職がねぇし」
「いや、 でも奴隷なんたら原則とかで安く働かせるのは禁止とか聞いた事があるぞ
訴えたりとかはしないのか?」
「あぁ・・・実際の給料は高いけども天引きされて手取りが物凄い安いんだよ」
「え? それでも何かしらの法律に引っかかるんじゃねぇの?」
「浄罪金だよ」
「浄罪金?」
「あぁ、 マーナガルム男爵領では前科者でも12年
給料から一定の金を天引きする事で自身の信用度を上げる制度だ」
「うへぇ、 何だそりゃあ・・・」
「前科者でも再就職が出来て、 企業は安く人材を手に入れるWin-Winだ」
「そもそも前科者になるなよ」
「ほっとけ、 まぁかなり天引きされたけども今じゃあ俺は貴族様の雇い人
ローンも組めるし、 結婚も夢じゃあない」
「そりゃよかったね、 じゃ俺は部屋に戻って寝るぞ」
「あ、 ちょっとまったダイモス君」
ダイモスを呼び止めるウルフ。
「君に御客さんだ、 王都から」
「王都から? 誰?」
「弁護士の先生らしい」
「弁護士の先生?」
首を傾げるダイモス。
「誰かに訴えられたか?」
「うーん、 訴状とか来てないし違うんじゃないか?」
「?????」
「応接室で待ってるよ」
「分かった」
応接室と言う名の駄弁り場に向かうダイモス。
そこには薄毛のしょぼくれた男が居た。
(弁護士ってこんなんなのか? もっとビシッとした男かと思ったが・・・)
そう思いながらも薄毛の前に座るダイモス。
「アンタが弁護士の先生か?」
「はい、 貴方がダイモスさんですか?」
「そうだ、 俺って訴えられているのか?」
「いえいえ、 そうでは無く
私は弁護士ですが、 アサフの友人でもあります」
「アサフの・・・」
アサフは教会の神父で気が狂っているが
教会の敷地を貸してくれた男である。
過日の騒乱では子供を救って死んだ。
遺体は教会が回収して葬儀を行うと言う事だったが・・・
「葬儀を始めるので是非貴方にも参加して欲しいのです」
「俺も? てっきりもう葬儀は済ませたかと思ったのだが・・・」
「彼の遺言通りに済ませる為に色々準備を進めていたのです」
「準備?」
「彼は死ぬ前に遺言書を遺していて、 遺言書通りに葬儀の準備を行っていたのです」
「遺言書? 何でそんな物を?」
「彼はずっと前から遺言書を用意していたんです」
「・・・・・」
気が狂っているのに用意周到だなと思った。
「それでもしよろしければ葬儀に参加出来ないでしょうか?
勿論、 葬儀会場までのお足代や宿泊代は支払います」
「まぁ吝かでは無いが・・・俺、 礼服なんて持ってないぞ?」
「いえ、 実は私服で参加してくれとのご要望で」
「要望? 誰の?」
「アサフの、 遺言書に書いてあります」
「・・・・・」
変な事言うなぁ、 と思ったがまぁ気が狂っているし良いかと思った。
「分かった、 それで場所は何処だ?」
「クリュネフ医学ですね」
「医学?」
「医療学校、 医者の学校ですね」
「自分の遺体は検体として何処かの学校に寄付してくれと」
「それもアサフの要望? まぁ分からなくはないが・・・他に要望は?」
「いえ、 詳しい事は全て現地で話してくれと」
「変な事を言うなぁ・・・
クリュネフはネーデル公爵門閥の貴族様の名前だったと思うが・・・」
「あ、 いえ、 クリュネフ男爵は既に没落してお家撮り潰しになっているので
名前だけと言う事ですね」
「そうか・・・となると、 ネーデル公爵門閥だからここから近いのか?」
「半日、 いやもっとかからずに馬車で着きます」
「OK、 恩人だし参加しよう、 直ぐに終わるよな?」
「そんなにかからないと思います」
「じゃあ休み貰って来るから明日で良いか?」
「大丈夫です、 私もホテルを取って有るので明日迎えに行きます」
「OK」
そうして二人は別れた。
ダイモスはその日はゆっくり休んだのだった。
N5。
この街は過日の騒乱により大規模な被害を受けて現在復興作業に勤しんでいる。
「ほら、 退いた退いたー」
この街で現在復興作業の指揮を執っているのはダイモスである。
彼はこの街では珍しく人を気にするタイプの人間で有り、 自然と人望が集まっているのだ。
とは言え自分も瓦礫の撤去作業をする等、 前に出るタイプでもある。
今日も瓦礫の撤去作業を終えて、 掘っ立て小屋の集会場にやって来た。
「ダイモス君、 御疲れ様」
集会場で復興担当と言う名目でマーナガルム男爵家から送られたウルフが
やる気無さそうに日払い金を払う。
「・・・相割らず安いなぁ」
「文句言うなよ、 掘っ立て小屋とは言え住居やら保険やらは全部こっち持ちだ
それ等を全部込みするとお前等の月収は俺の初任給よりも倍高い」
「・・・男爵家の雇い人なのにそんな給料低いのか?」
「あたぼうよ、 俺みたいなの学無し技能無しの人間なんざ物凄い安く買い叩かれる」
「それは・・・酷いな、 幾ら何でも職変えようとかしないのか?
流石に俺よりも月収安いって滅茶苦茶だろ」
「出来ねぇよ」
「何で?」
「他に職がねぇし」
「いや、 でも奴隷なんたら原則とかで安く働かせるのは禁止とか聞いた事があるぞ
訴えたりとかはしないのか?」
「あぁ・・・実際の給料は高いけども天引きされて手取りが物凄い安いんだよ」
「え? それでも何かしらの法律に引っかかるんじゃねぇの?」
「浄罪金だよ」
「浄罪金?」
「あぁ、 マーナガルム男爵領では前科者でも12年
給料から一定の金を天引きする事で自身の信用度を上げる制度だ」
「うへぇ、 何だそりゃあ・・・」
「前科者でも再就職が出来て、 企業は安く人材を手に入れるWin-Winだ」
「そもそも前科者になるなよ」
「ほっとけ、 まぁかなり天引きされたけども今じゃあ俺は貴族様の雇い人
ローンも組めるし、 結婚も夢じゃあない」
「そりゃよかったね、 じゃ俺は部屋に戻って寝るぞ」
「あ、 ちょっとまったダイモス君」
ダイモスを呼び止めるウルフ。
「君に御客さんだ、 王都から」
「王都から? 誰?」
「弁護士の先生らしい」
「弁護士の先生?」
首を傾げるダイモス。
「誰かに訴えられたか?」
「うーん、 訴状とか来てないし違うんじゃないか?」
「?????」
「応接室で待ってるよ」
「分かった」
応接室と言う名の駄弁り場に向かうダイモス。
そこには薄毛のしょぼくれた男が居た。
(弁護士ってこんなんなのか? もっとビシッとした男かと思ったが・・・)
そう思いながらも薄毛の前に座るダイモス。
「アンタが弁護士の先生か?」
「はい、 貴方がダイモスさんですか?」
「そうだ、 俺って訴えられているのか?」
「いえいえ、 そうでは無く
私は弁護士ですが、 アサフの友人でもあります」
「アサフの・・・」
アサフは教会の神父で気が狂っているが
教会の敷地を貸してくれた男である。
過日の騒乱では子供を救って死んだ。
遺体は教会が回収して葬儀を行うと言う事だったが・・・
「葬儀を始めるので是非貴方にも参加して欲しいのです」
「俺も? てっきりもう葬儀は済ませたかと思ったのだが・・・」
「彼の遺言通りに済ませる為に色々準備を進めていたのです」
「準備?」
「彼は死ぬ前に遺言書を遺していて、 遺言書通りに葬儀の準備を行っていたのです」
「遺言書? 何でそんな物を?」
「彼はずっと前から遺言書を用意していたんです」
「・・・・・」
気が狂っているのに用意周到だなと思った。
「それでもしよろしければ葬儀に参加出来ないでしょうか?
勿論、 葬儀会場までのお足代や宿泊代は支払います」
「まぁ吝かでは無いが・・・俺、 礼服なんて持ってないぞ?」
「いえ、 実は私服で参加してくれとのご要望で」
「要望? 誰の?」
「アサフの、 遺言書に書いてあります」
「・・・・・」
変な事言うなぁ、 と思ったがまぁ気が狂っているし良いかと思った。
「分かった、 それで場所は何処だ?」
「クリュネフ医学ですね」
「医学?」
「医療学校、 医者の学校ですね」
「自分の遺体は検体として何処かの学校に寄付してくれと」
「それもアサフの要望? まぁ分からなくはないが・・・他に要望は?」
「いえ、 詳しい事は全て現地で話してくれと」
「変な事を言うなぁ・・・
クリュネフはネーデル公爵門閥の貴族様の名前だったと思うが・・・」
「あ、 いえ、 クリュネフ男爵は既に没落してお家撮り潰しになっているので
名前だけと言う事ですね」
「そうか・・・となると、 ネーデル公爵門閥だからここから近いのか?」
「半日、 いやもっとかからずに馬車で着きます」
「OK、 恩人だし参加しよう、 直ぐに終わるよな?」
「そんなにかからないと思います」
「じゃあ休み貰って来るから明日で良いか?」
「大丈夫です、 私もホテルを取って有るので明日迎えに行きます」
「OK」
そうして二人は別れた。
ダイモスはその日はゆっくり休んだのだった。
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