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チャプター13:ベトゥレイアル
ファースト・ハートレス・ウォー
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読者諸賢には今更説明するまでも無いが改めて説明しよう。
作中では『月は存在しない』。
それ故に月の重力で速度が収まっている地球の自転速度は必然的に早まり
壁や防風林で囲まれていない所は暴風吹き荒れる土地になっている。
壁が無い街と街の間の様な街道では強靭な足腰の馬で
暴風の中を走破する事になっている。
強靭な体を持っていれば走れるだろうが無謀である。
即ち盗賊や野盗は暴風の中を耐えられる強靭な体を持っている事になる。
それだけ強靭な体が有れば真っ当に暮らせるだろうが
盗賊を始めとしたアウトローは基本的には頭が悪いか
やむを得ない事情が有るのだろう。
だがしかし国クラスの巨大組織を集中的に狙う盗賊は
頭の良し悪し以前に何処か可笑しいか、 或は勝算が有ると踏んでいるのかのどちらかだろう
再誕歴7703年エイプリル30日。
旧ハートレス領を走る囚人移送馬車。
護衛には武装した馬車7台。
それぞれに5人のC~B級決闘者と同等の戦力を備えた戦闘員が乗っている。
「・・・・・」
彼等も襲撃の話は既に聞いているが不安はまるで無い。
プロである彼等は死ぬ覚悟は何時でも出来ている。
来るなら来いというのが正直な話だ。
既に張りつめている。
ぬるり。
35の戦意が最高潮に高まった。
一斉に馬車の外に出る男達。
風邪は止んでいる。
「個人領域!!」
無風、 そして明らかに異常な色彩に変った平原。
ウィルパワーの最高峰、 個人領域
即ち敵はS級決闘者クラスは確定である。
戦慄する間もなく、 巨大な頭蓋骨が戦闘員達を襲う。
恐らくウィルパワーで作り出したタルパの類なのだろうが
戦闘員も格上への対応出来る様に鍛えている。
しかし想定外だったのが・・・
「おいおいおい」
「マジかよ・・・」
敵の数は30名弱、 敵も複数で来ている。
しかも明らかに全員ウィルパワーを使いこなしている類の連中である。
B~A級決闘者並の戦闘能力を持っている。
「・・・・・やらいでか!!」
戦闘員達は武器を構えた。
「戦うつもりか?」
せせら笑う救世主妄想。
馬車がぶん投げられる。
「は?」
救世主妄想は驚愕した。
次々と投げられる馬車に潰されていく自身の手駒。
そして向かって来て剣で突いて来るフェザー。
「!!!!!」
全力でバックステップして退避する救世主妄想。
「お前が来ているなんて聞いてないぞ!!」
「それは此方の台詞だ」
怒気を込めて喋るフェザー。
「お前、 何やってんだよ」
「・・・・・」
救世主妄想は体勢を立て直す。
「何をやっていると聞かれればモーント・ズンディカーズで幹部をやっている」
「・・・・・」
頭を抑えるフェザー。
「決闘者をしていれば『何でそんな理由で決闘するの?』
『何でそんな事態に陥ってるの?』『正直ヴァカじゃないの?』
って思う事は沢山有ったよ」
「俺もその類だと?」
「二度の戦争を参加した英雄の息子に生まれヘント大学を飛び級で卒業
親の会社を継いだ男が会社を辞めてマフィア?
何もかも上手くいっているのに何をしているんだ?
これがヴァカのやる事じゃないと何なんだ?」
「ハッ・・・・・・・お前に俺の何が分かる」
「何が分かるだと?
分かっているに決まってるだろヴォイド!!!!!」
激怒するフェザー。
救世主妄想の正体は行方不明になっていた
シンゲツ・ヴォイドだった。
「分かってねぇよ!!!!!
何が上手くいっているだ!!!!!
親父は俺を碌に評価しねぇ!!!!! ミソカも俺の事なんて眼中にねぇ!!!!!
孤児で俺の下のお前は親父に評価されて皆が認めているのに
俺の事は誰も認めてねぇ!!!!! コレの何処が上手くいっているんだ!!!!!」
「ミソカは君の事を心配してたよ!!
N5で君が道を踏み外していたって聞いて直接出向いたんだ!!」
「そんなの会社を乗っ取って前社長が犯罪者なのは体面が悪いから来ただけだろう!!!!!」
「お前」
ボゴンォォォォン!!!
とフェザーを中心に大きな穴が開いた、 まるで重い物がのしかかった様に・・・
「は何でそんなにひねくれてるんだ!! 昔はそうじゃなかっただろう!!」
しかしフェザーにはまるで効いてない。
「ディスタンスによる防御、 か」
「如何します? 旦那? 敵さんは名高いフェザーですぜ、 逃げるのが鉄則かと」
短指症が尋ねる。
「否!! 手の内が割れていない今こそチャンスよ!! フェザーを打ち取って名を上げろ!!」
患者達が一気に沸き立つ。
「全員返り討ちにしてやる!!」
戦闘員達も気を持ち直す。
後の世に語られる第一次ハートレス騒乱と呼ばれる戦いが始まった。
作中では『月は存在しない』。
それ故に月の重力で速度が収まっている地球の自転速度は必然的に早まり
壁や防風林で囲まれていない所は暴風吹き荒れる土地になっている。
壁が無い街と街の間の様な街道では強靭な足腰の馬で
暴風の中を走破する事になっている。
強靭な体を持っていれば走れるだろうが無謀である。
即ち盗賊や野盗は暴風の中を耐えられる強靭な体を持っている事になる。
それだけ強靭な体が有れば真っ当に暮らせるだろうが
盗賊を始めとしたアウトローは基本的には頭が悪いか
やむを得ない事情が有るのだろう。
だがしかし国クラスの巨大組織を集中的に狙う盗賊は
頭の良し悪し以前に何処か可笑しいか、 或は勝算が有ると踏んでいるのかのどちらかだろう
再誕歴7703年エイプリル30日。
旧ハートレス領を走る囚人移送馬車。
護衛には武装した馬車7台。
それぞれに5人のC~B級決闘者と同等の戦力を備えた戦闘員が乗っている。
「・・・・・」
彼等も襲撃の話は既に聞いているが不安はまるで無い。
プロである彼等は死ぬ覚悟は何時でも出来ている。
来るなら来いというのが正直な話だ。
既に張りつめている。
ぬるり。
35の戦意が最高潮に高まった。
一斉に馬車の外に出る男達。
風邪は止んでいる。
「個人領域!!」
無風、 そして明らかに異常な色彩に変った平原。
ウィルパワーの最高峰、 個人領域
即ち敵はS級決闘者クラスは確定である。
戦慄する間もなく、 巨大な頭蓋骨が戦闘員達を襲う。
恐らくウィルパワーで作り出したタルパの類なのだろうが
戦闘員も格上への対応出来る様に鍛えている。
しかし想定外だったのが・・・
「おいおいおい」
「マジかよ・・・」
敵の数は30名弱、 敵も複数で来ている。
しかも明らかに全員ウィルパワーを使いこなしている類の連中である。
B~A級決闘者並の戦闘能力を持っている。
「・・・・・やらいでか!!」
戦闘員達は武器を構えた。
「戦うつもりか?」
せせら笑う救世主妄想。
馬車がぶん投げられる。
「は?」
救世主妄想は驚愕した。
次々と投げられる馬車に潰されていく自身の手駒。
そして向かって来て剣で突いて来るフェザー。
「!!!!!」
全力でバックステップして退避する救世主妄想。
「お前が来ているなんて聞いてないぞ!!」
「それは此方の台詞だ」
怒気を込めて喋るフェザー。
「お前、 何やってんだよ」
「・・・・・」
救世主妄想は体勢を立て直す。
「何をやっていると聞かれればモーント・ズンディカーズで幹部をやっている」
「・・・・・」
頭を抑えるフェザー。
「決闘者をしていれば『何でそんな理由で決闘するの?』
『何でそんな事態に陥ってるの?』『正直ヴァカじゃないの?』
って思う事は沢山有ったよ」
「俺もその類だと?」
「二度の戦争を参加した英雄の息子に生まれヘント大学を飛び級で卒業
親の会社を継いだ男が会社を辞めてマフィア?
何もかも上手くいっているのに何をしているんだ?
これがヴァカのやる事じゃないと何なんだ?」
「ハッ・・・・・・・お前に俺の何が分かる」
「何が分かるだと?
分かっているに決まってるだろヴォイド!!!!!」
激怒するフェザー。
救世主妄想の正体は行方不明になっていた
シンゲツ・ヴォイドだった。
「分かってねぇよ!!!!!
何が上手くいっているだ!!!!!
親父は俺を碌に評価しねぇ!!!!! ミソカも俺の事なんて眼中にねぇ!!!!!
孤児で俺の下のお前は親父に評価されて皆が認めているのに
俺の事は誰も認めてねぇ!!!!! コレの何処が上手くいっているんだ!!!!!」
「ミソカは君の事を心配してたよ!!
N5で君が道を踏み外していたって聞いて直接出向いたんだ!!」
「そんなの会社を乗っ取って前社長が犯罪者なのは体面が悪いから来ただけだろう!!!!!」
「お前」
ボゴンォォォォン!!!
とフェザーを中心に大きな穴が開いた、 まるで重い物がのしかかった様に・・・
「は何でそんなにひねくれてるんだ!! 昔はそうじゃなかっただろう!!」
しかしフェザーにはまるで効いてない。
「ディスタンスによる防御、 か」
「如何します? 旦那? 敵さんは名高いフェザーですぜ、 逃げるのが鉄則かと」
短指症が尋ねる。
「否!! 手の内が割れていない今こそチャンスよ!! フェザーを打ち取って名を上げろ!!」
患者達が一気に沸き立つ。
「全員返り討ちにしてやる!!」
戦闘員達も気を持ち直す。
後の世に語られる第一次ハートレス騒乱と呼ばれる戦いが始まった。
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