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チャプター13:ベトゥレイアル
スリー・レゾン
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ベネルクス王国首都国王直轄領ブリュッセル。
宮廷エリア、 軍務総省※1。
※1:大臣が所在する建物の事。
軍務総省は軍務大臣が、 財務総省には財務大臣がそれぞれいる。
大臣は王宮での仕事も有るが基本的にはこの総省で仕事や寝食を行う。
言わば大臣官邸の様な物だが大臣が指揮する下部省との打ち合わせもここで行う事が多い。
「~~~~~~~~~~」
その応接間にて待っているマーカス。
彼は今回の記者会見で納得がいっていなかったのでこうして尋ねに来たのだ。
「おぅ、 マーカス」
「大臣閣下!!」
マーカスはソファから降りて土下座をする。
「良い良い、 お前とワシとの仲だ」
「いえいえ!! 閣下あっての私で御座います!!」
「そうかそうか、 で何だ? カロリングの記者会見の件か?」
「承知だったのですか!?」
マーカスががばっ!! と前を見る。
「ワシは大臣だぞ? ラビットの様な穴の青いガキでも知っている事を
ワシに知らされない訳は無い」
「ならば何故!? 奴は使う公金は少ないとは言いましたが公金を使うのは!!」
「まぁまぁ落ち着け、 確かに少額ながらも人権屋の為に金を使うのは
ワシも嫌だ、 だがしかしなぁ、 理由はちゃんとある」
「理由ですと!?」
「説明する、 ソファに座れ」
「はい!!」
ソファに座るマーカス。
「まず理由としてはあの腐れババアサイプレスが金をばら撒いた範囲が多過ぎる
刑務所の数がいっぱいいっぱいだ、 だから新しい刑務所が居る」
「4000人位が捕まったか死んだかしたんでしょう?」
「何であやふやなんだよ」
「兎に角4000人人権屋が減った、 って事ですよね?
じゃあ残りは」
「1万人を超す」
「!?」
その数字に驚くマーカス。
「無論全員がヤバイ連中では無いだろうが恐らくは5~7割の5、 7000人は
ヤバい連中だろうな」
「な、 何でそんな数・・・」
「外国人を動員しているらしい、 恐らくは貧しい国から構成員を雇ったか
或はスパイの隠れ蓑だったのだろう」
「な、 ならば民間の刑務所にいれるのは不味いのでは!?」
「安心しろ、 スパイの疑いのある連中は国営の刑務所行きだ
そして二つ目の理由はコストの問題だ、 人権屋を入れるだけでは無く
今後は普通の犯罪者もカロリングの所の刑務所にどんどん入れて行こうと思う」
「うーむ、 コストってそんなにかかるんですか?」
「かかるとも囚人一人に10日に40フラン強」
「と、 なると先の人権屋共だと20~28万フラン!?」
「カロリングは1000人につき年100万フランの補助金で良いと言っている」
「年100万と言うと・・・えぇと・・・」
「大体1年は360日前後だから
40フランに1000人と36をかけて144万フラン強かかる」
「つまり1000人につき44万フランの節約、 と言う事ですか」
「これはデカいぞさっきの人権屋の話でも最低でも220万フランは浮く」
「おぉ・・・しかし刑務所でどうやって利益を・・・」
「働かせるんだよ、 必死こいて働かせれば利益は出るだろう」
「それは奴隷扱いでは!?」
「囚人は在任で罪人は罰せられなければならず
その罰が労働ならば過酷な労働であってしかるべきだろう
温い罰しか与えない刑務所ならば民は直ぐに犯罪に走る!!」
ぴしゃりと言うワームウッド。
「とまぁ脅す様な事を言ったが
問題は無いだろう、 労働内容は投資家共から請け負うそうだから
実質的な委託企業を刑務所でやる形だ
どこぞの鉱山で働けと言っている訳じゃあない、 死にはしないよ」
「ならば良いのですが・・・」
「そして理由の3つ目に」
「まだあるのですか」
「あるとも、 外界から隔離しなければならないのだ」
「外界から隔離?」
「そう、 人権屋共はサイプレスを通して金を国庫から持ち出した腹立たしい存在だが
死罪には当たらない」
「残念です」
「あぁ、 全くだ、 しかしながら人権屋共の中にはちゃんとした奴も居る
そう言う奴は迷惑をかけずに生きているし尊敬できる人間も居る」
「そうなんですか?」
「確率的には黄身が二つの卵位に珍しい※2」
※2:大体3~5%の確率である。
「所が人権屋連中の悪評の為にそういう奴ら迄被害に遭う
また人権屋共にも裁判を受ける権利があり私刑は許されない」
「歯痒いですね」
「全くだ、 だがしかし法は法、 国民を私刑に走らせて犯罪者にする訳にも行かない
早急且つ刑務所の場所も隔離する必要がある
その為にハートレス領の刑務所に送るのだ、 記者会見で言ったと思うが
あそこには刑務所代わりになりそうな所は多々あるからな」
「なるほど・・・しかしながらカロリングとタッグを組んでいるカリオストロ
詐欺まがいな事をしていませんでしたか? 何とかって言うクラブを価値が下がっているのを
知っていて売ったとか何とか」
「安心しろ、 我々が見張っている」
「そうですか・・・」
「そんなに心配ならば取材に行ったらどうだ? ワシも興味有る」
「そうですね、 分かりました、 取材に行ってみようと思います」
宮廷エリア、 軍務総省※1。
※1:大臣が所在する建物の事。
軍務総省は軍務大臣が、 財務総省には財務大臣がそれぞれいる。
大臣は王宮での仕事も有るが基本的にはこの総省で仕事や寝食を行う。
言わば大臣官邸の様な物だが大臣が指揮する下部省との打ち合わせもここで行う事が多い。
「~~~~~~~~~~」
その応接間にて待っているマーカス。
彼は今回の記者会見で納得がいっていなかったのでこうして尋ねに来たのだ。
「おぅ、 マーカス」
「大臣閣下!!」
マーカスはソファから降りて土下座をする。
「良い良い、 お前とワシとの仲だ」
「いえいえ!! 閣下あっての私で御座います!!」
「そうかそうか、 で何だ? カロリングの記者会見の件か?」
「承知だったのですか!?」
マーカスががばっ!! と前を見る。
「ワシは大臣だぞ? ラビットの様な穴の青いガキでも知っている事を
ワシに知らされない訳は無い」
「ならば何故!? 奴は使う公金は少ないとは言いましたが公金を使うのは!!」
「まぁまぁ落ち着け、 確かに少額ながらも人権屋の為に金を使うのは
ワシも嫌だ、 だがしかしなぁ、 理由はちゃんとある」
「理由ですと!?」
「説明する、 ソファに座れ」
「はい!!」
ソファに座るマーカス。
「まず理由としてはあの腐れババアサイプレスが金をばら撒いた範囲が多過ぎる
刑務所の数がいっぱいいっぱいだ、 だから新しい刑務所が居る」
「4000人位が捕まったか死んだかしたんでしょう?」
「何であやふやなんだよ」
「兎に角4000人人権屋が減った、 って事ですよね?
じゃあ残りは」
「1万人を超す」
「!?」
その数字に驚くマーカス。
「無論全員がヤバイ連中では無いだろうが恐らくは5~7割の5、 7000人は
ヤバい連中だろうな」
「な、 何でそんな数・・・」
「外国人を動員しているらしい、 恐らくは貧しい国から構成員を雇ったか
或はスパイの隠れ蓑だったのだろう」
「な、 ならば民間の刑務所にいれるのは不味いのでは!?」
「安心しろ、 スパイの疑いのある連中は国営の刑務所行きだ
そして二つ目の理由はコストの問題だ、 人権屋を入れるだけでは無く
今後は普通の犯罪者もカロリングの所の刑務所にどんどん入れて行こうと思う」
「うーむ、 コストってそんなにかかるんですか?」
「かかるとも囚人一人に10日に40フラン強」
「と、 なると先の人権屋共だと20~28万フラン!?」
「カロリングは1000人につき年100万フランの補助金で良いと言っている」
「年100万と言うと・・・えぇと・・・」
「大体1年は360日前後だから
40フランに1000人と36をかけて144万フラン強かかる」
「つまり1000人につき44万フランの節約、 と言う事ですか」
「これはデカいぞさっきの人権屋の話でも最低でも220万フランは浮く」
「おぉ・・・しかし刑務所でどうやって利益を・・・」
「働かせるんだよ、 必死こいて働かせれば利益は出るだろう」
「それは奴隷扱いでは!?」
「囚人は在任で罪人は罰せられなければならず
その罰が労働ならば過酷な労働であってしかるべきだろう
温い罰しか与えない刑務所ならば民は直ぐに犯罪に走る!!」
ぴしゃりと言うワームウッド。
「とまぁ脅す様な事を言ったが
問題は無いだろう、 労働内容は投資家共から請け負うそうだから
実質的な委託企業を刑務所でやる形だ
どこぞの鉱山で働けと言っている訳じゃあない、 死にはしないよ」
「ならば良いのですが・・・」
「そして理由の3つ目に」
「まだあるのですか」
「あるとも、 外界から隔離しなければならないのだ」
「外界から隔離?」
「そう、 人権屋共はサイプレスを通して金を国庫から持ち出した腹立たしい存在だが
死罪には当たらない」
「残念です」
「あぁ、 全くだ、 しかしながら人権屋共の中にはちゃんとした奴も居る
そう言う奴は迷惑をかけずに生きているし尊敬できる人間も居る」
「そうなんですか?」
「確率的には黄身が二つの卵位に珍しい※2」
※2:大体3~5%の確率である。
「所が人権屋連中の悪評の為にそういう奴ら迄被害に遭う
また人権屋共にも裁判を受ける権利があり私刑は許されない」
「歯痒いですね」
「全くだ、 だがしかし法は法、 国民を私刑に走らせて犯罪者にする訳にも行かない
早急且つ刑務所の場所も隔離する必要がある
その為にハートレス領の刑務所に送るのだ、 記者会見で言ったと思うが
あそこには刑務所代わりになりそうな所は多々あるからな」
「なるほど・・・しかしながらカロリングとタッグを組んでいるカリオストロ
詐欺まがいな事をしていませんでしたか? 何とかって言うクラブを価値が下がっているのを
知っていて売ったとか何とか」
「安心しろ、 我々が見張っている」
「そうですか・・・」
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