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チャプター12:ウォー・オブ・スノーホワイト

スポイル

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「ゲオルギー・ロマノフ!! 並びにオリガ・ロマノフ!!
直ちに非公式アクネドート、 計算ミスピチリェートカを渡して投降せよ!!」

赤い軍服の男が叫んだ。

「・・・・・」

フェザーは止まった。
ゲオルギーは起き上がり赤い軍服の男に向き直る。

「何者だ、 貴様は、 私をロマノフ帝国第二皇子だと知っての事か」
「そんな国はもう無い!!」

静寂の後にざわつく。

「我々、 多数派議会ソヴィエト・ボリシェヴィキ
ロマノフ帝国皇室を既に処刑し新国家を樹立した!!」
「な!? 何だと!?」

ゲオルギーは驚愕した。

「ん、 となると・・・どうなるんだ?」
「決闘は第三者の乱入で中止だが・・・あの赤い連中が如何動くか・・・」

観戦者達はどよどよとしていた。



「どういう事だ!! あの狂った僧侶の仕業か!?」
「僧侶?」
「ラスプーチンだ!!」
「知らんな!! そんな奴!!
兎に角革命だよ!! 今まで皇室は我々労働者を搾取し続けていた!!
その報いが下ったのだよ!!」
「貴様等ァアアアアアアアアアアアアア!!」

ゲオルギーは氷の城塞リョートリオート・クレムリンを展開して赤服の軍人に突っ込んだ!!


鉄血ビスマルク

赤い軍人も聖剣を抜いた、 と同時に剣は融解した。

「っ!!」

ゲオルギーは止まり急反転したが間に合わず融解し溶けた剣による攻撃を受けた。

「ぐわああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!」

破壊力は凄まじく氷の城塞リョートリオート・クレムリンを破壊し吹き飛ばした。

「・・・・・液体状の剣、 と言うよりは超高熱で溶けた剣を自在に操ると言う所か」

フェザーは冷静に判断する。

「一つ分からないのは何で僕迄攻撃されているのか、 って所か」

溶けた剣の攻撃をいなしながら尋ねるフェザー。

「何と!? 鉄血ビスマルクの攻撃を受けて、 いや躱して・・・無い!?
何で平気なんだ!? えぇい!! お前達!! 後ろのブルジョワ共含めて皆殺しだ!!」

赤い服の軍人が続々と侵入し弓矢や投げ槍で攻撃して来た。

「陛下!! 危ない!!」

マイルズが叫ぶも攻撃は全て空中で落下した。

「な、 何だ!?」
「近衛騎士団を舐めて貰っては困る」
「ど、 何処から出て来た!?」

唐突に現れた近衛騎士団達に驚く面々。

「気配を消してずっと傍にいた」
「何だと!?」
「良く分からんが進めええええええええええええええええええええええ!!!」

赤い軍服達と近衛騎士団との乱戦に入った。



「俺達は如何する?」

ゲオルギー配下の白服軍人が同僚に尋ねる。

「隠れてようぜ、 俺達も皇族に無理矢理徴兵されて来たし
悪い扱いはされないだろ」
「だな」

呆然としているミハイル・リャブコを置いて彼等は隠れてしまった。
そしてミハイル・リャブコは乱戦に巻き込まれて意識混濁の後に担架で運ばれる事になった。



「くっ・・・おのれ・・・」

ゲオルギーは立ち上がるも向かおうとはしなかった。
非公式アネクドート鉄血ビスマルクも良く知っている。
鉄血ビスマルクは本質的には熱の聖剣、 氷の聖剣非公式アネクドートでは分が悪い。

「・・・・・」

逃げる一択だがこのまま逃げても仕方ない。
彼は出来る事をするのだった。



「私は逃げる事にする、 国も無くなった以上決闘を行っても仕様が無い」
「正直に言うと『私の国の兵を殺して何を言っているんだ、 このクズ野郎』と言いたいのですが
貴方の様な男は生きていた方が苦しむだけでしょうから生かして差し上げますよ」

チェルノボグ城から少し離れた地点でゲオルギーと向き合うベネルクス95世。
周囲の貴族達、 護衛達はその様子を見守っている。

「・・・・・まぁ良いだろう、 祖国を失った怒りで並の罵倒なんて如何でも良い
ただこのまま逃げるのも癪だから私が何故ここに来たのか理由を説明しよう」
「先程言い渋った事ですね、 何でしょうか?」
「我が父、 ロマノフ帝国皇帝は有る僧侶の甘言に乗せられ骨抜きにされ
国政が乱れ始めていた、 その為、 私には力が必要だった
功績が必要だった、 それ故に征伐に出かけたと言う訳だ
ロマノフ帝国、 いや元ロマノフ帝国と交流を持つのならば
怪僧ラスプーチンには注意せよ、 ではな」

ゲオルギーは早々に立ち去った。

「・・・・・捕らえなくて宜しいのですか?」

マイルズが尋ねる。

「先の話を聞いていなかったのか? 彼の様な男は生きていた方が苦しむだけだ」
「はぁ・・・」



赤服軍人達との戦いは1時間経たずに片付いた。

「くっ・・・おのれ・・・」

小さな世界ミクロコスモス展開中のフェザーに太刀打ちできるのは同クラスの相手でも厳しい。
そして近衛騎士団まで居るのだから尚勝ち目は無い。
彼等は捕虜として捕らえられ、 後日多数派議会ソヴィエト・ボリシェヴィキとの会談により
ゲオルギーの配下共々、 国に帰る事になるのだが、 それはまた別の話である。
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