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チャプター11:フリー・ライド・ヘル・ライン
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再誕歴7702年ジュライ7日。
スターダスト評議国、 首都コア。
スターダスト評議国の与党、 星派の幹事長ペーパーは部下達との避難準備に追われていた。
未曽有の国家的危機に対してペーパーは既に逃げ支度の殆どを完了していた。
既に資産はほぼ全て現金化し議会も強制的に閉めたので
野党から自分に対しての妨害も無力化した。
後は娘と重要書類を連れて逃げるだけなのだが・・・
「・・・・・このタイミングで、 か」
ペーパーは嘆息した。
「忙しい所悪いですね」
立会人№024が彼の前に現れた。
「九頭派の幹事長、 クララ氏は貴方の議会強制閉鎖に対して決闘を求めています
決闘法に照らし合わせれば貴方のやっている事は合法だが外道な事なので問題無く
決闘は行われる物となります」
「・・・・・」
ヨーロッパ連合内で決闘を断ると社会的信用が落ちる。
他国に逃げていく身としては信用が落ちるのは避けたい。
「良いだろう、 引き受けた、 だが決闘代理人を立てたい
これは合法だろう」
「全く持って合法です、 と言うか九頭派のクララ氏も決闘代理人を立てるつもりです」
「そうだろうな、 では場所と時間は追って話そう」
「かしこ参りました、 では失礼します」
そう言って立会人№024は去っていった。
「良いんですか幹事長!! あんな条件飲んで!! 決闘なんて所詮は遊びでしょう!?」
様子を見ていた議員の1人が叫んだ。
「私だって単なる茶番に過ぎないと思っているよ、 だがしかし決闘と言う遊びが
戦争の代わりになっているのも事実、 断れば連合に対して我々は舐められる事になる
今後の事を考えると賢い選択では無い」
「っ・・・」
「樹里君」
「ハッ」
スターダスト評議国と日本国のハーフであり幹事長の秘書である樹里が現れた。
「通信用モノリスを」
「ハッ」
樹里はモノリスを取り出した。
「あ、 通信の前にお耳に入れておきたい事が有ります」
「何だね樹里君」
「お嬢様が病院から消えました」
「!!」
ペーパーが顔面蒼白となる。
「直ぐに探せぇ!!」
「現在探し回っています、 直ぐに見つかるでしょう」
「だと良いのだが・・・」
一方その事、 噂の幹事長の娘マクガフィンは・・・
「ここでも無い、 か・・・」
ペーパーの所有する物件を虱潰しに探していた。
まずはアンガスの言っていたお宝を探して見つけ出し確保する
そしてそのお宝を元にジュエルの死の真相、 即ち隕石衝突の話を公開させる
という筋書きである。
「御嬢さん、 アンタさっきから何をしてるんだい?」
「黙ってなさい御者、 アンタに金払ってるんだから黙って私の言う通りにすればいいの」
マクガフィンは病院から抜け出した後、 辻馬車※1 を拾い
大金を払って物件巡りをしている所である。
※1:あらかじめ決められた駅前などの道端で客を待ち目的地まで運び運賃を貰う形式の馬車。
帰る途中で客が居なければ乗車する事も可能である。
「金は魅力的だが、 俺はアンタの従者の死の真相を世間に暴露する
って言うすげぇ感動的に乗ったんだからな」
「そうなの?」
「そうだよ、 俺は金だけで動くほど安い男じゃないからな
アンタが如何言う流れで物件巡りをしているのか知らんが
事実公表ならば新聞社に行けば良いんじゃないのか?」
「こんな小娘が喋った所で何だって言うのよ、 父親の口から喋らせないと意味がない
だから脅す為に材料を探しているのよ」
「材料ねぇ・・・何か物騒な物の証拠ならば幹事長の家を探せば良いんじゃないか?
何で態々こんな所を探すんだ?」
「父さんは自宅には大事な物は隠さないのよ
魂は箱に仕舞って隠しておけ※2 よ」
※2:大事な物は大事に隠しておこう、 という意味の故事成語
魔術の中には自分の魂を体から抜き取って自身は無敵の体にするという技法が存在する。
その場合、 魂は何かに定着させなければならないが箱がメジャーであり
その箱が見つかって破壊されたら死ぬので隠すのは当然の事である。
「なるほど、 自分の家になければ家探ししても見つからないと言う事か
確かに道理だな、 だがしかし幹事長の物件に隠してあるとは限らないんじゃないのか?」
「それは無いわ、 父さんは疑り深い性格だから自分の物件に置いて有る筈よ」
「うーん、 だがしかし誰も信用していない訳でも無いだろう?
そんな奴が幹事長になれるとは思えん、 流石に信用している人間の1人や2人居るんじゃないのか?」
「そうね・・・パッと思いつくだけで3人かな」
「3人? 誰と誰と誰?」
「1人目は私、 だけども私は物件を持っていないから
残りは二人、 副幹事長のアンガスか父さんが子供の頃から仕えていた元執事のリーパ」
「その二人は物件を持っているのか?」
「アンガスさんは言わずもがな、 元執事の方は経歴を活かして幾つもの飲食店を経営している」
「なるほど・・・じゃあ二人の所に行く、 前に腹ごしらえだ」
「腹ごしらえ? そんな暇ないわよ」
ぐぅーとマクガフィンの腹が鳴る。
「・・・・・///」
「ははっ、 辻馬車御者御用達の店に連れてってやるよ、 奢ってやるから遠慮するな」
「/////」
赤面するマクガフィンだった。
スターダスト評議国、 首都コア。
スターダスト評議国の与党、 星派の幹事長ペーパーは部下達との避難準備に追われていた。
未曽有の国家的危機に対してペーパーは既に逃げ支度の殆どを完了していた。
既に資産はほぼ全て現金化し議会も強制的に閉めたので
野党から自分に対しての妨害も無力化した。
後は娘と重要書類を連れて逃げるだけなのだが・・・
「・・・・・このタイミングで、 か」
ペーパーは嘆息した。
「忙しい所悪いですね」
立会人№024が彼の前に現れた。
「九頭派の幹事長、 クララ氏は貴方の議会強制閉鎖に対して決闘を求めています
決闘法に照らし合わせれば貴方のやっている事は合法だが外道な事なので問題無く
決闘は行われる物となります」
「・・・・・」
ヨーロッパ連合内で決闘を断ると社会的信用が落ちる。
他国に逃げていく身としては信用が落ちるのは避けたい。
「良いだろう、 引き受けた、 だが決闘代理人を立てたい
これは合法だろう」
「全く持って合法です、 と言うか九頭派のクララ氏も決闘代理人を立てるつもりです」
「そうだろうな、 では場所と時間は追って話そう」
「かしこ参りました、 では失礼します」
そう言って立会人№024は去っていった。
「良いんですか幹事長!! あんな条件飲んで!! 決闘なんて所詮は遊びでしょう!?」
様子を見ていた議員の1人が叫んだ。
「私だって単なる茶番に過ぎないと思っているよ、 だがしかし決闘と言う遊びが
戦争の代わりになっているのも事実、 断れば連合に対して我々は舐められる事になる
今後の事を考えると賢い選択では無い」
「っ・・・」
「樹里君」
「ハッ」
スターダスト評議国と日本国のハーフであり幹事長の秘書である樹里が現れた。
「通信用モノリスを」
「ハッ」
樹里はモノリスを取り出した。
「あ、 通信の前にお耳に入れておきたい事が有ります」
「何だね樹里君」
「お嬢様が病院から消えました」
「!!」
ペーパーが顔面蒼白となる。
「直ぐに探せぇ!!」
「現在探し回っています、 直ぐに見つかるでしょう」
「だと良いのだが・・・」
一方その事、 噂の幹事長の娘マクガフィンは・・・
「ここでも無い、 か・・・」
ペーパーの所有する物件を虱潰しに探していた。
まずはアンガスの言っていたお宝を探して見つけ出し確保する
そしてそのお宝を元にジュエルの死の真相、 即ち隕石衝突の話を公開させる
という筋書きである。
「御嬢さん、 アンタさっきから何をしてるんだい?」
「黙ってなさい御者、 アンタに金払ってるんだから黙って私の言う通りにすればいいの」
マクガフィンは病院から抜け出した後、 辻馬車※1 を拾い
大金を払って物件巡りをしている所である。
※1:あらかじめ決められた駅前などの道端で客を待ち目的地まで運び運賃を貰う形式の馬車。
帰る途中で客が居なければ乗車する事も可能である。
「金は魅力的だが、 俺はアンタの従者の死の真相を世間に暴露する
って言うすげぇ感動的に乗ったんだからな」
「そうなの?」
「そうだよ、 俺は金だけで動くほど安い男じゃないからな
アンタが如何言う流れで物件巡りをしているのか知らんが
事実公表ならば新聞社に行けば良いんじゃないのか?」
「こんな小娘が喋った所で何だって言うのよ、 父親の口から喋らせないと意味がない
だから脅す為に材料を探しているのよ」
「材料ねぇ・・・何か物騒な物の証拠ならば幹事長の家を探せば良いんじゃないか?
何で態々こんな所を探すんだ?」
「父さんは自宅には大事な物は隠さないのよ
魂は箱に仕舞って隠しておけ※2 よ」
※2:大事な物は大事に隠しておこう、 という意味の故事成語
魔術の中には自分の魂を体から抜き取って自身は無敵の体にするという技法が存在する。
その場合、 魂は何かに定着させなければならないが箱がメジャーであり
その箱が見つかって破壊されたら死ぬので隠すのは当然の事である。
「なるほど、 自分の家になければ家探ししても見つからないと言う事か
確かに道理だな、 だがしかし幹事長の物件に隠してあるとは限らないんじゃないのか?」
「それは無いわ、 父さんは疑り深い性格だから自分の物件に置いて有る筈よ」
「うーん、 だがしかし誰も信用していない訳でも無いだろう?
そんな奴が幹事長になれるとは思えん、 流石に信用している人間の1人や2人居るんじゃないのか?」
「そうね・・・パッと思いつくだけで3人かな」
「3人? 誰と誰と誰?」
「1人目は私、 だけども私は物件を持っていないから
残りは二人、 副幹事長のアンガスか父さんが子供の頃から仕えていた元執事のリーパ」
「その二人は物件を持っているのか?」
「アンガスさんは言わずもがな、 元執事の方は経歴を活かして幾つもの飲食店を経営している」
「なるほど・・・じゃあ二人の所に行く、 前に腹ごしらえだ」
「腹ごしらえ? そんな暇ないわよ」
ぐぅーとマクガフィンの腹が鳴る。
「・・・・・///」
「ははっ、 辻馬車御者御用達の店に連れてってやるよ、 奢ってやるから遠慮するな」
「/////」
赤面するマクガフィンだった。
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