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チャプター9:キラー・クイーン
地獄を見た
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地獄を見た。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
誇大妄想ばばたり、 と倒れた。
ぶくぶくと泡の様な物が誇大妄想を包み
後には小汚い襤褸を纏った子供が現れた。
「愚かな、 私に成り済ますからだ」
スタスタとベネルクス95世は玉座に戻り座った。
「後で良い、 この死体を回収し調べ上げよ、 コロッサス卿」
「了解しました」
ドグラマグラの指示を受けてコロッサスが礼をする。
「いやいやいや、 この状況に誰も驚いていないって何?」
サイプレスが失禁しながら言った。
「貴様と違って我々は前陛下から仕えている者達が多い
故に驚く事は無い」
「だな、 では次に【CurePretty】のスイム、 貴様は」
「何もかも全て話します協力します資料も全て出します要求も全て呑みますだから如何か裁判だけは辞めて下さい」
一気にまくしたてる様にスイムは言った。
「裁判? おいおい、 お前は何を言っている?
私は今暗殺されかけたんだぞ?
奴と一緒に来たお前は裁判の余地無く密やかに殺す事になるだろう」
「ありがとうございます」
スイムの言葉に違和感を感じた。
「・・・・・近衛、 その女の顔を見せろ」
「は」
「止めてお願いお願いお願い!!」
スイムの顔を正面に向けさせた。
「!!」
スイムの顔は酷い状態だった、 若々しい顔が年相応
否、 老人の様に老いていた、 それだけならばまだしも顔に不自然な引きつりがあった。
「あああああああああああああああ!!!こんな顔を見られるならアアアアアアアア!!」
ぶち、 と舌を噛み切って血を吐き出すスイム。
「直ぐに治療しろ!! 死なせるな!!」
「はい!!」
近衛騎士団の処置によりスイムは一命を取り留めた。
「さてと、 最後にサイプレス、 お前の沙汰だ」
「!!」
眼に見えて震えるサイプレス。
「今回の件、 お前の監督不行き届き※1 の部分が甚だ大きい」
※1:物事を指示したり取り締まったりする役割をする者(この場合はサイプレス)が
隅々まで十分に管理が行き届かなかった様子を指す表現。
「そんな!!」
「お前がちゃんとしていたらこんな大事にはなって居ない
4000人だぞ4000人、 真っ当な生き方をしていない人に文句を言う連中とは言え
4000人も死んだんだぞ」
「そ、 それは本当に悲しい事です!! 心苦しいです!!」
「心苦しい? お前がちゃんと見張ってないからだ
いや、 そもそもお前が助長して不正を行っていた疑惑が有る」
「そんな事は有りません!! 私の事が信用出来ないんですか!?」
「救貧省長官が色々と手助けしてくれたよ」
「・・・は?」
「貴様は奴を顎で適当にこき使っていた様だったが
奴はずーーーーーーっと証拠を集めていたんだ、 お前の不正の証拠をな」
「・・・・・」
サイプレスは絶望に染まった表情をした。
「横領だけなら兎も角、 活動家と大分仲が良かったいた様だな?」
「し、 信用出来る人達です」
「あ、 そう、 とりあえず貴様のお仲間を全員捕まえてからゆっくり調べよう」
「こ、 これは違法捜査・・・そう!! 違法捜査です!!
こんな方法がまかり通ると思っているのですか!?」
「・・・・・」
ベネルクス95世は溜息を吐いた。
「王は法の上に居る」
「な・・・・・」
「ジョー卿、 監査省でこの二人を徹底的に調べ上げろ」
「二人・・・女長省長官もですか?」
「小物だが調べる価値は」
「殿下!!!!!」
サイプレスは叫んだ。
「あまりにも酷いのでは無いでしょうか!?」
「酷いのはお前だ、 4000人も死んだんだぞ?」
「私が殺したわけではありませんし私との絆をここで断ち切るのは如何なものかと!!」
「・・・・・絆ねぇ、 貴様は私の乳母だったがそれだけの他人だ」
「そんな事は無い!! 私は貴女を理解している!!
ここにいる大臣達を見て見なさい!! 貴女を王としてしか見ていない!!
貴女を王の座へと押し込んでいる!! 一人の個人としての全てを無視して!!
大臣だけじゃなくて貴女は父親からも王族としか見られていない!!
私には貴女の苦悩が良く分かります!! 私だって僻みで邪魔されたりとても辛い目に」
ベネルクス95世がサイプレスの前に立つ。
「・・・・・え」
ベネルクス95世がサイプレスの首を掴んで持ち上げる。
サイプレスは声にならない絶叫を挙げる。
「『辛いのは良く分かる』『私だって辛い』
そういう辛い人間に寄り添うふりをする文句は私は一番嫌悪する
辛い人間に寄り添うふりをして良い人に見られたい下劣な人間の言葉だ
辛い人間に寄り添うふりをして利益を貪ろうとする下衆な人間の言葉だ
辛い人間に寄り添うふりをして辛い人間に寄り添うふりをし続ける為に
根本的な解決策を提示しない冷酷な人間の言葉だ
『辛いのは良く分かる』? お前は人の心を分かる超常の力を持っているのか?
『私だって辛い』? 殺されている人間よりもお前が辛い? そんな訳有るか
究極的に譲歩した所でお前が辛いのを理解して、 自分だって辛かったとして
それが世間に如何影響すると言うのだ? お前の心情が世界を変えると?
何でそこまで自分中心に物事を考えられるのだ?」
ベネルクス95世は血走った眼でサイプレスの顔を覗く。
「私の辛さは誰にも理解出来ない
お前は私に寄り添うふりをして助かりたいだけの
下劣で下衆で下品で下等で冷酷で薄情で無能で傲慢で強欲で怠惰で
救い様の無い女だ、 地獄に堕ちろ」
声にならない絶叫が途絶えサイプレスはこの世の物とは思えない形相で息絶えた。
「・・・・・つい殺してしまったか熱くなりすぎたな・・・すまないが一旦離席する」
ベネルクス95世は離席した。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
誇大妄想ばばたり、 と倒れた。
ぶくぶくと泡の様な物が誇大妄想を包み
後には小汚い襤褸を纏った子供が現れた。
「愚かな、 私に成り済ますからだ」
スタスタとベネルクス95世は玉座に戻り座った。
「後で良い、 この死体を回収し調べ上げよ、 コロッサス卿」
「了解しました」
ドグラマグラの指示を受けてコロッサスが礼をする。
「いやいやいや、 この状況に誰も驚いていないって何?」
サイプレスが失禁しながら言った。
「貴様と違って我々は前陛下から仕えている者達が多い
故に驚く事は無い」
「だな、 では次に【CurePretty】のスイム、 貴様は」
「何もかも全て話します協力します資料も全て出します要求も全て呑みますだから如何か裁判だけは辞めて下さい」
一気にまくしたてる様にスイムは言った。
「裁判? おいおい、 お前は何を言っている?
私は今暗殺されかけたんだぞ?
奴と一緒に来たお前は裁判の余地無く密やかに殺す事になるだろう」
「ありがとうございます」
スイムの言葉に違和感を感じた。
「・・・・・近衛、 その女の顔を見せろ」
「は」
「止めてお願いお願いお願い!!」
スイムの顔を正面に向けさせた。
「!!」
スイムの顔は酷い状態だった、 若々しい顔が年相応
否、 老人の様に老いていた、 それだけならばまだしも顔に不自然な引きつりがあった。
「あああああああああああああああ!!!こんな顔を見られるならアアアアアアアア!!」
ぶち、 と舌を噛み切って血を吐き出すスイム。
「直ぐに治療しろ!! 死なせるな!!」
「はい!!」
近衛騎士団の処置によりスイムは一命を取り留めた。
「さてと、 最後にサイプレス、 お前の沙汰だ」
「!!」
眼に見えて震えるサイプレス。
「今回の件、 お前の監督不行き届き※1 の部分が甚だ大きい」
※1:物事を指示したり取り締まったりする役割をする者(この場合はサイプレス)が
隅々まで十分に管理が行き届かなかった様子を指す表現。
「そんな!!」
「お前がちゃんとしていたらこんな大事にはなって居ない
4000人だぞ4000人、 真っ当な生き方をしていない人に文句を言う連中とは言え
4000人も死んだんだぞ」
「そ、 それは本当に悲しい事です!! 心苦しいです!!」
「心苦しい? お前がちゃんと見張ってないからだ
いや、 そもそもお前が助長して不正を行っていた疑惑が有る」
「そんな事は有りません!! 私の事が信用出来ないんですか!?」
「救貧省長官が色々と手助けしてくれたよ」
「・・・は?」
「貴様は奴を顎で適当にこき使っていた様だったが
奴はずーーーーーーっと証拠を集めていたんだ、 お前の不正の証拠をな」
「・・・・・」
サイプレスは絶望に染まった表情をした。
「横領だけなら兎も角、 活動家と大分仲が良かったいた様だな?」
「し、 信用出来る人達です」
「あ、 そう、 とりあえず貴様のお仲間を全員捕まえてからゆっくり調べよう」
「こ、 これは違法捜査・・・そう!! 違法捜査です!!
こんな方法がまかり通ると思っているのですか!?」
「・・・・・」
ベネルクス95世は溜息を吐いた。
「王は法の上に居る」
「な・・・・・」
「ジョー卿、 監査省でこの二人を徹底的に調べ上げろ」
「二人・・・女長省長官もですか?」
「小物だが調べる価値は」
「殿下!!!!!」
サイプレスは叫んだ。
「あまりにも酷いのでは無いでしょうか!?」
「酷いのはお前だ、 4000人も死んだんだぞ?」
「私が殺したわけではありませんし私との絆をここで断ち切るのは如何なものかと!!」
「・・・・・絆ねぇ、 貴様は私の乳母だったがそれだけの他人だ」
「そんな事は無い!! 私は貴女を理解している!!
ここにいる大臣達を見て見なさい!! 貴女を王としてしか見ていない!!
貴女を王の座へと押し込んでいる!! 一人の個人としての全てを無視して!!
大臣だけじゃなくて貴女は父親からも王族としか見られていない!!
私には貴女の苦悩が良く分かります!! 私だって僻みで邪魔されたりとても辛い目に」
ベネルクス95世がサイプレスの前に立つ。
「・・・・・え」
ベネルクス95世がサイプレスの首を掴んで持ち上げる。
サイプレスは声にならない絶叫を挙げる。
「『辛いのは良く分かる』『私だって辛い』
そういう辛い人間に寄り添うふりをする文句は私は一番嫌悪する
辛い人間に寄り添うふりをして良い人に見られたい下劣な人間の言葉だ
辛い人間に寄り添うふりをして利益を貪ろうとする下衆な人間の言葉だ
辛い人間に寄り添うふりをして辛い人間に寄り添うふりをし続ける為に
根本的な解決策を提示しない冷酷な人間の言葉だ
『辛いのは良く分かる』? お前は人の心を分かる超常の力を持っているのか?
『私だって辛い』? 殺されている人間よりもお前が辛い? そんな訳有るか
究極的に譲歩した所でお前が辛いのを理解して、 自分だって辛かったとして
それが世間に如何影響すると言うのだ? お前の心情が世界を変えると?
何でそこまで自分中心に物事を考えられるのだ?」
ベネルクス95世は血走った眼でサイプレスの顔を覗く。
「私の辛さは誰にも理解出来ない
お前は私に寄り添うふりをして助かりたいだけの
下劣で下衆で下品で下等で冷酷で薄情で無能で傲慢で強欲で怠惰で
救い様の無い女だ、 地獄に堕ちろ」
声にならない絶叫が途絶えサイプレスはこの世の物とは思えない形相で息絶えた。
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ベネルクス95世は離席した。
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