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チャプター9:キラー・クイーン
ラスト・チャンス
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再誕歴7702年フェブラリー13日。
ベネルクス王国首都国王直轄領ブリュッセルの
ブリュッセル王宮の謁見の間。
そこにはベネルクス95世と大臣達が集まっていた。
「めでてぇなぁ」
「人が堕ちる様をめでたいと言うのは性格悪いなぁ軍務大臣殿」
「いや強ちそんな事は無いかと思います」
ワームウッドの言葉をフラマンが諫める言葉をコーシーが否定する。
「良くもまぁ、 この状況で無駄話が出来ますね・・・
流石の胆力です」
エンペスキーが皮肉気に言う。
「何故そこまで驚く?」
「特命省の方々が居るじゃないですか」
「そこまで恐れる事は無いさ、 それよりも今日の主役の御登場だ」
「ちょっと!! 離しなさいよ!!」
「・・・・・」
サイプレスと女長省長官が特命省の職員に連れて来られた。
そして乱暴にベネルクス95世の前に引き立てられた。
「殿下!! じゃなかった陛下!! 一体これは何の冗談ですか!?」
「私が冗談で特命省を動かす様な人間だったと思われていたとは悲しいぞサイプレス
いや大して悲しくも無いか、 君に対してあまり感情が沸かないのだよサイプレス
ところでサイプレス、 お前は私に仕えて何年だ?」
無感動な表情で言い放つベネルクス95世。
「・・・・・」
ぶわっ、 と冷や汗が溢れ出るサイプレス。
乳母として短い間だったがベネルクス95世と共に行動した時に
ベネルクス95世の親であるベネルクス94世がこういう表情をしていた。
臣下を手打ちをする前にこういう表情をしていた。
「に、 20年です!!」
「12年だった筈です、 確か」
ドグラマグラが訂正する。
「あ、 だ、 大臣になる前の乳母時代からの年数です!!」
「そうか、 じゃあ20年としようか、 お前はこの20年何をしていた?」
「え」
「この20年何をしていた?」
「え・・・そ、 それは乳母や・・・大臣としての仕事をしておりました
そうよね? 貴女も何とか言いなさいよ」
「・・・・・」
女長省長官は真っ青になって口を閉ざしていた。
「ど、 如何したの・・・よ?」
女長省長官の服に血痕が付いているのを見た。
「こ、 この血は・・・」
「民援省長官の物ですね」
特命省の職員が答えた。
「わ、 私が何をしたって言うんだぁ!?」
「こっちの台詞だよ、 お前は20年の間で何か功績を挙げたのか?」
淡々と言うベネルクス95世。
「だ、 大臣になりました!!」
「お前を大臣にしてやったのは私だろう
それを功績と言われても困るぞ、 まぁ分かり難かっただろうな
言い方を変えよう、 勲章※1 は何個貰った?」
※1:国家元首、 この場合ベネルクス95世が功績や業績を残した
個人又は団体を表彰するために与える栄典のうち章飾の授与を伴うもの
あるいはその栄誉を示す章飾。
相当に名誉な物で生半な事では貰えない代物。
但し大臣なら持って当たり前の代物でもある。
「く、 勲章ですか?」
「勲章だ、 お前の麾下の省庁が貰った分もカウントして良い」
「・・・・・あ、 ありません」
「そうかー、 お前が嫌っているワームウッドなんかもう何個やったか分からない位勲章貰ってるぞ
前にも一度言ったかな、 その時にお前がなんて言ったか覚えているか?」
「え「『ワームウッドに勲章を与えすぎです!! 贔屓しないで下さい!!』
お前は何だかんだ言うけども人の否定しかしないんだな
大臣になって何かしらの規制ばかりするじゃないか、 色本※2 とか」
※2:エロ本の事。
「だって「教育に悪いとか言って寄生したがる癖にお前はヴェルテル※3 については
何一つ言わないじゃないか、 その事を指摘しても『申し訳ありません、 その本は存じ上げません』
って幾ら何でも教養が無さ過ぎるだろう」
※3:再誕歴7096年にたヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテによって出版された小説。
最終的に恋敗れた主人公は自殺する、 その主人公を真似て自殺する者が急増し
発禁処分を取った国もある。
「ですが「お前はそうやって私が何か言う度に口答えばかりする
注意しても全く聞きやしない、 言い訳ばかりだ
はっきり言ってとてつもなく不快だ、 今回、 お前を呼び出したのは
お前とお前の麾下の省庁に関して資金の全てを凍結して資金の流れを洗い出した結果
かなり雑に横領をしてくれたな」
「横領!? そんな事しておりません!!」
サイプレスは絶叫する。
「じゃあ何で領収書が無いのに【CurePretty】に46万ユーロも金を出したんだ?」
ベネルクス95世が即座に叩き返す。
「・・・・・いや、 領収書なんか要らないでしょう」
「必要だ、 そもそも国の金を動かすんだからこれ位は当然だ
今まで我慢してきたがもう限界だ、 お前を大臣職を解任する」
「そんな!! 殿下!!」
「と、 言いたい所だったが」
大臣達がざわついた、 まさかこのタイミングで庇うのか? と
しかし次の瞬間にベネルクス95世が出て来たのは驚愕の一言だった。
「サイカレス、 お前が生きて帰れるかの最後のチャンスだ
私の質問に嘘偽りなく答えよ」
ベネルクス王国首都国王直轄領ブリュッセルの
ブリュッセル王宮の謁見の間。
そこにはベネルクス95世と大臣達が集まっていた。
「めでてぇなぁ」
「人が堕ちる様をめでたいと言うのは性格悪いなぁ軍務大臣殿」
「いや強ちそんな事は無いかと思います」
ワームウッドの言葉をフラマンが諫める言葉をコーシーが否定する。
「良くもまぁ、 この状況で無駄話が出来ますね・・・
流石の胆力です」
エンペスキーが皮肉気に言う。
「何故そこまで驚く?」
「特命省の方々が居るじゃないですか」
「そこまで恐れる事は無いさ、 それよりも今日の主役の御登場だ」
「ちょっと!! 離しなさいよ!!」
「・・・・・」
サイプレスと女長省長官が特命省の職員に連れて来られた。
そして乱暴にベネルクス95世の前に引き立てられた。
「殿下!! じゃなかった陛下!! 一体これは何の冗談ですか!?」
「私が冗談で特命省を動かす様な人間だったと思われていたとは悲しいぞサイプレス
いや大して悲しくも無いか、 君に対してあまり感情が沸かないのだよサイプレス
ところでサイプレス、 お前は私に仕えて何年だ?」
無感動な表情で言い放つベネルクス95世。
「・・・・・」
ぶわっ、 と冷や汗が溢れ出るサイプレス。
乳母として短い間だったがベネルクス95世と共に行動した時に
ベネルクス95世の親であるベネルクス94世がこういう表情をしていた。
臣下を手打ちをする前にこういう表情をしていた。
「に、 20年です!!」
「12年だった筈です、 確か」
ドグラマグラが訂正する。
「あ、 だ、 大臣になる前の乳母時代からの年数です!!」
「そうか、 じゃあ20年としようか、 お前はこの20年何をしていた?」
「え」
「この20年何をしていた?」
「え・・・そ、 それは乳母や・・・大臣としての仕事をしておりました
そうよね? 貴女も何とか言いなさいよ」
「・・・・・」
女長省長官は真っ青になって口を閉ざしていた。
「ど、 如何したの・・・よ?」
女長省長官の服に血痕が付いているのを見た。
「こ、 この血は・・・」
「民援省長官の物ですね」
特命省の職員が答えた。
「わ、 私が何をしたって言うんだぁ!?」
「こっちの台詞だよ、 お前は20年の間で何か功績を挙げたのか?」
淡々と言うベネルクス95世。
「だ、 大臣になりました!!」
「お前を大臣にしてやったのは私だろう
それを功績と言われても困るぞ、 まぁ分かり難かっただろうな
言い方を変えよう、 勲章※1 は何個貰った?」
※1:国家元首、 この場合ベネルクス95世が功績や業績を残した
個人又は団体を表彰するために与える栄典のうち章飾の授与を伴うもの
あるいはその栄誉を示す章飾。
相当に名誉な物で生半な事では貰えない代物。
但し大臣なら持って当たり前の代物でもある。
「く、 勲章ですか?」
「勲章だ、 お前の麾下の省庁が貰った分もカウントして良い」
「・・・・・あ、 ありません」
「そうかー、 お前が嫌っているワームウッドなんかもう何個やったか分からない位勲章貰ってるぞ
前にも一度言ったかな、 その時にお前がなんて言ったか覚えているか?」
「え「『ワームウッドに勲章を与えすぎです!! 贔屓しないで下さい!!』
お前は何だかんだ言うけども人の否定しかしないんだな
大臣になって何かしらの規制ばかりするじゃないか、 色本※2 とか」
※2:エロ本の事。
「だって「教育に悪いとか言って寄生したがる癖にお前はヴェルテル※3 については
何一つ言わないじゃないか、 その事を指摘しても『申し訳ありません、 その本は存じ上げません』
って幾ら何でも教養が無さ過ぎるだろう」
※3:再誕歴7096年にたヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテによって出版された小説。
最終的に恋敗れた主人公は自殺する、 その主人公を真似て自殺する者が急増し
発禁処分を取った国もある。
「ですが「お前はそうやって私が何か言う度に口答えばかりする
注意しても全く聞きやしない、 言い訳ばかりだ
はっきり言ってとてつもなく不快だ、 今回、 お前を呼び出したのは
お前とお前の麾下の省庁に関して資金の全てを凍結して資金の流れを洗い出した結果
かなり雑に横領をしてくれたな」
「横領!? そんな事しておりません!!」
サイプレスは絶叫する。
「じゃあ何で領収書が無いのに【CurePretty】に46万ユーロも金を出したんだ?」
ベネルクス95世が即座に叩き返す。
「・・・・・いや、 領収書なんか要らないでしょう」
「必要だ、 そもそも国の金を動かすんだからこれ位は当然だ
今まで我慢してきたがもう限界だ、 お前を大臣職を解任する」
「そんな!! 殿下!!」
「と、 言いたい所だったが」
大臣達がざわついた、 まさかこのタイミングで庇うのか? と
しかし次の瞬間にベネルクス95世が出て来たのは驚愕の一言だった。
「サイカレス、 お前が生きて帰れるかの最後のチャンスだ
私の質問に嘘偽りなく答えよ」
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