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チャプター9:キラー・クイーン
ミッションマン
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そこに居たのは二人の男だった。
曲剣を携えた中東産まれの様な風貌の男。
軽装だが胸元にはベネルクス王国特命省の省印が象られたプレートメイルを着ていた。
「特命省職員・・・何故ここに・・・」
狼狽するアーベントロート。
「ここに居る者共、 全員、 頭を下げて瞑目せよ」
特命省職員の支持に従う一同。
「公爵閣下、 如何します?」
「ヴァカッ!!」
スイムは状況が呑み込めていなかったのか支持に従わずに
アーベントロートが大急ぎで頭を下げさせた。
「ちょ、 痛いですよ!! 特命省とは言え職員ならば私達の方が立場は上でしょう!?」
「このヴァカ・・・!! 申し訳無い!! 特命省のお歴々
こやつに特命省の説明をしたいが宜しいでしょうか!?」
「それならば我々がしよう、 結構勘違いしている者達が多いだろうからな
特命省の職員とはベネルクス王国国王の直臣、 特命省の仕事とは
国王陛下からの特命のみ、 即ち我々が動くと言う事は国王陛下が動く事ど同意であり
特命省の行動を阻害する事は国王陛下に反逆する事と同意である」
「な・・・そんな無茶苦茶な・・・」
「文句は国王陛下に直接言って貰おうか
さて我々の目的はアーベントロート元公爵とスイム、 他重要人物の捕獲
ついでとしてこの領内に展開していた【Avenger wise man】の幹部以外は既に無力化しておいた」
「ヴァカな・・・200人の魔法使いを・・・」
「これ位出来なければ特命省の職員にはなれんのでな、 では行こうか」
「くっ!! ふざけるな!!」
バッ、 と顔を挙げるスイム。
「権力者の顔色伺う様な女じゃないわよ私は!!」
「黙ってろお前!!」
アーベントロートは激昂する。
「公爵閣下!! 私達の想いが、 これまでの活動が
権力によって全部台無しになるんですよ!? これを是とする訳には」
「スイムよ、 勘違いしないでほしいのだが」
特命省職員が言う。
「実を言うと其方はそこまで重要人物では無いし
何だったら任務達成困難なら其方を逃がしてもお咎めは左程無いだろう」
「・・・・・は?」
「我等の目的はアーベントロート元公爵、 其方はついでだ」
「・・・・・」
アーベントロートを見るスイム。
アーベントロートは伏せていた顔をあげる。
「私が一体何をしたと言うんだ?」
「それも文句と一緒に国王陛下に直接言って頂きましょう」
「・・・・・」
瞑目するアーベントロート。
「良いだろう」
「ちょ、 ちょっと待って!!」
アーベントロートの言葉にスイムが叫ぶ。
「公爵閣下だけが狙いならば私達は見逃して!!」
「「・・・・・」」
特命省職員二人が絶対零度の見下げ果てた眼でスイムを見る。
「いや、 駄目だろ」
「何故!? 私には関係無いでしょう!?
さっき私を逃がしてもお咎めは無いって言ってたじゃない!!」
「『任務達成困難なら』と枕詞が付いていただろうが
この状況ならば問題無く連れて帰れる」
「・・・・・」
スイムは怒りの篭った眼でアーベントロートを見た。
「そもそも『任務達成困難なら逃がしてもお咎め無し』ならば逆のパターンも想定した方が良い」
「逆?」
「任務達成困難なら逃がしてもお咎め無しならば
殺してもお咎め無しだろう普通に考えて
いや、 後腐れ無くする為ならば殺した方が尚よしかもしれん」
「~~~~~っ!!」
最早スイムに如何しようも出来なかった。
結局スイムとアーベントロート、 そして外に展開していた
【Avenger wise man】リーダーのナサカノは連行されていったのだった。
「・・・・・はぁ・・・」
一旦開校式は仕切り直されサンは控え室に戻った。
「災難だったなサン」
「お父様・・・」
ベルモンドが控え室にやって来た。
「初めての領地での公務だったのに・・・」
「なぁに、 私が伯爵家を継いだ時に比べたらまだかわいいもんだよ
私を含めて誰一人就任を祝おうとしなかったからな」
「・・・・・私を含めて?」
「あぁ・・・誰も喜んでなかったのが分かるよ
優秀な兄や弟が全員死んで私だけが残って仕方なく就任した
誰も彼も『何でお前が?』って目で見ていたし
私自身も『何で私が?』って思っていた
それでも何とかやれてしまっているのだ
私に比べればお前はまだまだ恵まれている」
「そうでしょうか・・・」
「そうだろうとも、 特命省の連中が来たのは不気味だったが
結果として邪魔者を排除出来た、 これは棚からBOTAMOTCI※1 だろう」
※1:思いがけない幸運と言う意味。
BOTAMOTCIと言うのは一般的に日本の餡子を使った菓子類と考えられていたが
ローマ字表記と言う不自然さから何者かからのメッセージでは無いか?
と言う新説が提唱されている。
「そうですかねぇ・・・」
「そうだとも、 少しはポジティブに行け」
そう言ってサンの頭を撫でるベルモンドだった
曲剣を携えた中東産まれの様な風貌の男。
軽装だが胸元にはベネルクス王国特命省の省印が象られたプレートメイルを着ていた。
「特命省職員・・・何故ここに・・・」
狼狽するアーベントロート。
「ここに居る者共、 全員、 頭を下げて瞑目せよ」
特命省職員の支持に従う一同。
「公爵閣下、 如何します?」
「ヴァカッ!!」
スイムは状況が呑み込めていなかったのか支持に従わずに
アーベントロートが大急ぎで頭を下げさせた。
「ちょ、 痛いですよ!! 特命省とは言え職員ならば私達の方が立場は上でしょう!?」
「このヴァカ・・・!! 申し訳無い!! 特命省のお歴々
こやつに特命省の説明をしたいが宜しいでしょうか!?」
「それならば我々がしよう、 結構勘違いしている者達が多いだろうからな
特命省の職員とはベネルクス王国国王の直臣、 特命省の仕事とは
国王陛下からの特命のみ、 即ち我々が動くと言う事は国王陛下が動く事ど同意であり
特命省の行動を阻害する事は国王陛下に反逆する事と同意である」
「な・・・そんな無茶苦茶な・・・」
「文句は国王陛下に直接言って貰おうか
さて我々の目的はアーベントロート元公爵とスイム、 他重要人物の捕獲
ついでとしてこの領内に展開していた【Avenger wise man】の幹部以外は既に無力化しておいた」
「ヴァカな・・・200人の魔法使いを・・・」
「これ位出来なければ特命省の職員にはなれんのでな、 では行こうか」
「くっ!! ふざけるな!!」
バッ、 と顔を挙げるスイム。
「権力者の顔色伺う様な女じゃないわよ私は!!」
「黙ってろお前!!」
アーベントロートは激昂する。
「公爵閣下!! 私達の想いが、 これまでの活動が
権力によって全部台無しになるんですよ!? これを是とする訳には」
「スイムよ、 勘違いしないでほしいのだが」
特命省職員が言う。
「実を言うと其方はそこまで重要人物では無いし
何だったら任務達成困難なら其方を逃がしてもお咎めは左程無いだろう」
「・・・・・は?」
「我等の目的はアーベントロート元公爵、 其方はついでだ」
「・・・・・」
アーベントロートを見るスイム。
アーベントロートは伏せていた顔をあげる。
「私が一体何をしたと言うんだ?」
「それも文句と一緒に国王陛下に直接言って頂きましょう」
「・・・・・」
瞑目するアーベントロート。
「良いだろう」
「ちょ、 ちょっと待って!!」
アーベントロートの言葉にスイムが叫ぶ。
「公爵閣下だけが狙いならば私達は見逃して!!」
「「・・・・・」」
特命省職員二人が絶対零度の見下げ果てた眼でスイムを見る。
「いや、 駄目だろ」
「何故!? 私には関係無いでしょう!?
さっき私を逃がしてもお咎めは無いって言ってたじゃない!!」
「『任務達成困難なら』と枕詞が付いていただろうが
この状況ならば問題無く連れて帰れる」
「・・・・・」
スイムは怒りの篭った眼でアーベントロートを見た。
「そもそも『任務達成困難なら逃がしてもお咎め無し』ならば逆のパターンも想定した方が良い」
「逆?」
「任務達成困難なら逃がしてもお咎め無しならば
殺してもお咎め無しだろう普通に考えて
いや、 後腐れ無くする為ならば殺した方が尚よしかもしれん」
「~~~~~っ!!」
最早スイムに如何しようも出来なかった。
結局スイムとアーベントロート、 そして外に展開していた
【Avenger wise man】リーダーのナサカノは連行されていったのだった。
「・・・・・はぁ・・・」
一旦開校式は仕切り直されサンは控え室に戻った。
「災難だったなサン」
「お父様・・・」
ベルモンドが控え室にやって来た。
「初めての領地での公務だったのに・・・」
「なぁに、 私が伯爵家を継いだ時に比べたらまだかわいいもんだよ
私を含めて誰一人就任を祝おうとしなかったからな」
「・・・・・私を含めて?」
「あぁ・・・誰も喜んでなかったのが分かるよ
優秀な兄や弟が全員死んで私だけが残って仕方なく就任した
誰も彼も『何でお前が?』って目で見ていたし
私自身も『何で私が?』って思っていた
それでも何とかやれてしまっているのだ
私に比べればお前はまだまだ恵まれている」
「そうでしょうか・・・」
「そうだろうとも、 特命省の連中が来たのは不気味だったが
結果として邪魔者を排除出来た、 これは棚からBOTAMOTCI※1 だろう」
※1:思いがけない幸運と言う意味。
BOTAMOTCIと言うのは一般的に日本の餡子を使った菓子類と考えられていたが
ローマ字表記と言う不自然さから何者かからのメッセージでは無いか?
と言う新説が提唱されている。
「そうですかねぇ・・・」
「そうだとも、 少しはポジティブに行け」
そう言ってサンの頭を撫でるベルモンドだった
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