更新休止【異世界ファンタジー追放ざまぁハーレム主人公チート】デュエリスト・イン・ザ・ブロークンワールド【注釈付き】

Mr.後困る

文字の大きさ
上 下
165 / 495
チャプター8:ポイズン・グラマー

イフ・ユー・シンク・アバウト・イット

しおりを挟む
「何だ急に」
「大将首取れば手柄ってそういう時代じゃねーだろうが!!
何だアンタは!? 乱世の生まれか何かか!?」

アンポールが全力で指摘する。

「・・・・・しかしここに居る人達の大半は戦で功績を挙げた人達ですよ?」
「そうだろうとも!! 二度の戦争での英雄達だよ!!
でも今は平和な時代じゃねぇか!! 成り上がりにも方法ってもんが有るだろうが!!」
「例えば?」
「んなもん知ってたらとっくに成り上がっている!!」
「ちょっと二人とも落ち着いてくれ・・・」

ベルモンドが冷静にさせる。

「さっきも言ったが『自分達がこれから出世できるチャンスが有るのか分からないのに
フェザーが騎士になったのが気に食わない』のは分かる
しかし『だから出ていく』と言うのは可笑しくないか? 挨拶も無しに?」
「話し合っても無駄と感じました、 フェザーの事を持ち上げる功績も作っていましたし」
「いやいや、 そうじゃなくてだね、 手順と言う物が有るだろう」
「貴族が成り上がると言う手順を無視して
平民を騎士にするのは手順を無視しているとは言えませんか?」
「ヴァカかよお前は!? 騎士や貴族がバイトのバックラー※1 みたいに
黙って消えるなんて許される訳ねぇだろうが!!」


※1:仕事を勝手に辞める者達、 貴族領によっては犯罪である。


アンポールがまたしても全力で指摘する。

「その通り、 気に入らなくても私達は国民の生活を守る責任有る立場だ
その責任ある立場の人間が無責任な行動を取るのは如何な物かと思う
そもそも今回のフェザーの受勲は陛下の意志だ
文句が有るのならば陛下に直接言上すれば良い」
「そんな事をすればタダでは済まないでしょう!!」
「命が惜しくて何も言えねぇなら黙ってろ!!」
「アンポール、 五月蠅い」
「すみません」
「兎も角、 勝手に居なくなるのは事件に巻き込まれる危険も有るし
そもそも居なくなった連中の領地は今如何なっている?
まさかとは思うが何もしていない訳ではあるまいな?」
「え・・・あ・・・」

眼が泳ぐヴィング。

「まさか何もしていないと? 引継ぎは? もしも代官不在に何か有ったら如何する?」
「いや・・・その・・・」
「そもそも彼等が居なくなった後に何で私に何も言わなかったの?」

ベルモンドがヴィングを見る。
二度の戦役を潜って来た男の目である、 軟弱の男爵では見返す事が出来なかった。

「6人の居場所は?」
「え、 あ、 はい、 ブヴァール以外はヴェルギウス公爵の元へ
ブヴァールはネーデル公爵の所へ向かいました」
「ブヴァールは兎も角として他の連中はヴァカじゃねぇの?
挨拶も出来ねぇ奴がヴェルギウス様に迎え入れて貰える訳ねーじゃんか」

アンポールが荒い言葉遣いが気にならない程の正論を吐く。

「・・・・・!!」

ツーと冷たい汗が流れるのをヴィングは感じた。

「そもそもの話、 君は昇格のチャンスが無いと言っていたが
ブヴァールは昇格が内定していたんだ
君が昇格出来ないなんて言っているのは甘えじゃないのかね?」
「いえ・・・その・・・様な・・・」
「ちょっと良いですかね?」

クリフォールが挙手する。

「何だね?」
「ヴィング様が戦乱が無いから功績が立てられないと言っているのは
何処かの活動団体の受け売りでしょう?」
「!?」
「どういう事だ?」
「はい閣下、 先々代の国王陛下が定めた法律により
NPO、 即ち非営利団体に国から補助金が出るのでNPOの数が多くなりました
その中には過激な団体も含まれます
例えばバーリィ侯爵の所に入り込むエコテロリストもNPOが含まれます」
「政治団体は恐ろしいなぁ、 それで?」
「NPOが貴族達に出資を求める際にこういう事を言います
『戦争が無くなって手柄を挙げられなくなった
ならば戦争を起こせば良い、 とまでは言いませんが
正義の為に誰かを倒そう』とこういう勧誘をしてくる場合が有ります」
「つまり適当に誰か大将首にして手柄をでっちあげるって事!?
そんなんアリかよ!!」

アンポールが叫ぶ。

「そうでなくても善行の為、 とか節税の為に出資する者は居ますけどね
悪を定めて攻撃して功績を挙げる、 卑劣な連中ですよ」
「要するに」

ベルモンドが呆れた様にヴィングを見る。

「君は良く分からん奴等に乗せられたと言う事か
君が未だに男爵よりも上に行けない理由が分かったよ、 ヴィング」
「っ!!」
「ヴィング」
「・・・はい」
「君は会議に参加しなくて良い」
「え・・・こ、 降格と言う事ですか!?」
「そうだな、 居なくなった6人の領地に何か有ったらタダじゃおかない
だが、 もしも何も問題無かったら罰金にしておこう
何も無い事を全力で祈っておけ」

話は終わりと手を上下にはためかせるベルモンド。
ヴィングは一礼をして広間から退出した。

「良いんですか? あれで許して? 腹でも切らせましょうよ」
「止めろ!!」

アンポールの提案を全力で静止するベルモンド。

「・・・セルデン侯爵のノリを持ち込むな」
「しかし恥ずかしいでしょう、 訳分からん団体の訳分からん理屈に
言い包められたとヘマを晒してしまったのですから」
「男なんだから恥ずかしい事の一つや二つ有るだろう
それよりもエルジェ、 急いで部下を使って居なくなった連中の領地の様子を
見て来る様に伝えておいて」
「了解しました」

エルジェは部下に指示を出した。

「ヴィングってここまでヴァカだったとは思いませんでしたな」
「全くだアンポール、 領地経営素人の我が娘の方がまだマシだ」
「サン令嬢ですね、 彼女は?」
「湖でバカンスだよ」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

高身長お姉さん達に囲まれてると思ったらここは貞操逆転世界でした。〜どうやら元の世界には帰れないので、今を謳歌しようと思います〜

水国 水
恋愛
ある日、阿宮 海(あみや かい)はバイト先から自転車で家へ帰っていた。 その時、快晴で雲一つ無い空が急変し、突如、周囲に濃い霧に包まれる。 危険を感じた阿宮は自転車を押して帰ることにした。そして徒歩で歩き、喉も乾いてきた時、運良く喫茶店の看板を発見する。 彼は霧が晴れるまでそこで休憩しようと思い、扉を開く。そこには女性の店員が一人居るだけだった。 初めは男装だと考えていた女性の店員、阿宮と会話していくうちに彼が男性だということに気がついた。そして同時に阿宮も世界の常識がおかしいことに気がつく。 そして話していくうちに貞操逆転世界へ転移してしまったことを知る。 警察へ連れて行かれ、戸籍がないことも発覚し、家もない状況。先が不安ではあるが、戻れないだろうと考え新たな世界で生きていくことを決意した。 これはひょんなことから貞操逆転世界に転移してしまった阿宮が高身長女子と関わり、関係を深めながら貞操逆転世界を謳歌する話。

誰一人帰らない『奈落』に落とされたおっさん、うっかり暗号を解読したら、未知の遺物の使い手になりました!

ミポリオン
ファンタジー
旧題:巻き込まれ召喚されたおっさん、無能で誰一人帰らない場所に追放されるも、超古代文明の暗号を解いて力を手にいれ、楽しく生きていく  高校生達が勇者として召喚される中、1人のただのサラリーマンのおっさんである福菅健吾が巻き込まれて異世界に召喚された。  高校生達は強力なステータスとスキルを獲得したが、おっさんは一般人未満のステータスしかない上に、異世界人の誰もが持っている言語理解しかなかったため、転移装置で誰一人帰ってこない『奈落』に追放されてしまう。  しかし、そこに刻まれた見たこともない文字を、健吾には全て理解する事ができ、強大な超古代文明のアイテムを手に入れる。  召喚者達は気づかなかった。健吾以外の高校生達の通常スキル欄に言語スキルがあり、健吾だけは固有スキルの欄に言語スキルがあった事を。そしてそのスキルが恐るべき力を秘めていることを。 ※カクヨムでも連載しています

どうも、命中率0%の最弱村人です 〜隠しダンジョンを周回してたらレベル∞になったので、種族進化して『半神』目指そうと思います〜

サイダーボウイ
ファンタジー
この世界では15歳になって成人を迎えると『天恵の儀式』でジョブを授かる。 〈村人〉のジョブを授かったティムは、勇者一行が訪れるのを待つ村で妹とともに仲良く暮らしていた。 だがちょっとした出来事をきっかけにティムは村から追放を言い渡され、モンスターが棲息する森へと放り出されてしまう。 〈村人〉の固有スキルは【命中率0%】というデメリットしかない最弱スキルのため、ティムはスライムすらまともに倒せない。 危うく死にかけたティムは森の中をさまよっているうちにある隠しダンジョンを発見する。 『【煌世主の意志】を感知しました。EXスキル【オートスキップ】が覚醒します』 いきなり現れたウィンドウに驚きつつもティムは試しに【オートスキップ】を使ってみることに。 すると、いつの間にか自分のレベルが∞になって……。 これは、やがて【種族の支配者(キング・オブ・オーバーロード)】と呼ばれる男が、最弱の村人から最強種族の『半神』へと至り、世界を救ってしまうお話である。

スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活

昼寝部
ファンタジー
 この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。  しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。  そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。  しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。  そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。  これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。

石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。 だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった 何故なら、彼は『転生者』だから… 今度は違う切り口からのアプローチ。 追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。 こうご期待。

異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜

KeyBow
ファンタジー
 間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。  何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。  召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!  しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・  いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。  その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。  上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。  またぺったんこですか?・・・

欲張ってチートスキル貰いすぎたらステータスを全部0にされてしまったので最弱から最強&ハーレム目指します

ゆさま
ファンタジー
チートスキルを授けてくれる女神様が出てくるまで最短最速です。(多分) HP1 全ステータス0から這い上がる! 可愛い女の子の挿絵多めです!! カクヨムにて公開したものを手直しして投稿しています。

Sランク昇進を記念して追放された俺は、追放サイドの令嬢を助けたことがきっかけで、彼女が押しかけ女房のようになって困る!

仁徳
ファンタジー
シロウ・オルダーは、Sランク昇進をきっかけに赤いバラという冒険者チームから『スキル非所持の無能』とを侮蔑され、パーティーから追放される。 しかし彼は、異世界の知識を利用して新な魔法を生み出すスキル【魔学者】を使用できるが、彼はそのスキルを隠し、無能を演じていただけだった。 そうとは知らずに、彼を追放した赤いバラは、今までシロウのサポートのお陰で強くなっていたことを知らずに、ダンジョンに挑む。だが、初めての敗北を経験したり、その後借金を背負ったり地位と名声を失っていく。 一方自由になったシロウは、新な町での冒険者活動で活躍し、一目置かれる存在となりながら、追放したマリーを助けたことで惚れられてしまう。手料理を振る舞ったり、背中を流したり、それはまるで押しかけ女房だった! これは、チート能力を手に入れてしまったことで、無能を演じたシロウがパーティーを追放され、その後ソロとして活躍して無双すると、他のパーティーから追放されたエルフや魔族といった様々な追放少女が集まり、いつの間にかハーレムパーティーを結成している物語!

処理中です...