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エクストラチャプター:スクール・コプラス
ドント・シン
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再誕歴7701年ジュニアリー28日。
セルデン侯爵領のセルデン侯爵邸の執務室。
セルデン侯爵と彼の二人の息子がそこに居た。
「ジョン、 何だかややこしい事になっている様だな」
新聞をぽいと投げるセルデン。
新聞の見出しには
『セント・ルーブル学園の大不祥事!!
薬物汚染、 人身売買、 マネーロンダリング!!
セルデン侯爵長子ジョンにより暴かれた陸の孤島の闇!!』とでかでかと載っていた。
「・・・・・まず言い訳をさせて下さい」
眼に隈を作ったジョンが頭を抱えながら言う。
「良いだろう、 言え」
「私は決闘に勝利して馬車に載って帰宅するつもりだったのです
しかし帰る途中でゲルダと言う小娘が倒れていまして
とりあえず馬車に乗せて市内に降りて行ったのです」
「そのゲルダと言う娘は如何している?」
「病院に運びましたが荷物を残して消えていました
荷物の中身を確認した所、 何やらややこしい資料の束が入っていて
良く見ると何かの帳簿だったらしく、 とりあえず警邏に任せたら
即日任意同行で事の経緯を説明させられ説明が終わったら
セント・ルーブル学園の犯罪行為を暴いた英雄扱いになっていまして・・・」
「それなんだかヒューガルデンが気を利かせたらしいな」
「ヒューガルデン伯爵が?」
「妙な金の流れが有ったから内部調査をしていたらしいがあまりいい結果が出なかった所に
お前がゲルダとやらから手に入れた資料が手に入った
これで証拠が手に入った事で堂々と奴等を逮捕する事が出来る様になった
早々に突入してヴィードと奴の手下を逮捕したかったが
証拠の出どころを突っ込まれると色々問題が有るから
今回はお前が全部やった、 と言う事にさせて貰ったらしい」
「何と言うか自分が知らない所で功績をあげるのは何だかなぁと思いますよ」
「気持ちは分からんでも無いが・・・
まぁ今回は私達に歯向かった輩を始末する事が出来たから良しとしようじゃないか」
「そうですね・・・所でジャンが私以上に疲労困憊なのはどういう事でしょうか?」
ジャンはまさに幽鬼の様と言っても差し支えの無い状態に陥っていた。
「あぁ、 デンエンが小鬼の一撃と
サホロ・ファイターズの後釜に据えようとしていただろう?」
「・・・・・あぁ、 そうでしたね」
「何故か小鬼の一撃と共にネルネルネルネルネ、 だったか?
遠征に出かけて遠征先で功績を挙げたらしく、 その対応をさせている」
「・・・・・何だか大変そうですね」
「何だか知らんが街一つがしっちゃかめっちゃかになったとか詳しくは知らんけど」
激務に耐えかねジャンは倒れた。
「・・・・・こいつも鍛えた方が良いのでは?」
「うーん・・・・・」
一方その頃、 ドイツのとある病院で解放されている中庭にて。
嘗てセント・ルーブル学園でゲルダと呼ばれた少女がベンチに座っていた。
「隣、 良いですか?」
胸に受付のプレートを付けた女がゲルダの隣に座った。
「お久しぶりです、 受付さん」
ゲルダの隣に座ったのはモーント・ズンディカーズの幹部
受付その人であった、 ゲルダは彼女の部下で
金儲けの為にセント・ルーブル学園に潜伏していたのだった。
「本当に久しぶりだよねぇ、 セント・ルーブル学園での動きはまさに完璧以上だったよ
麻薬、 人身売買、 資金洗浄
更に背乗り用の戸籍まで用意して素晴らしいの一言だよ」
「全部学園長罪を着せてやったですから問題有りません
悪い事をしているのに面倒になって私に丸投げしていたので実に助かりました
自分が利用されている自覚が無かったんでしょう」
「素晴らしいわねぇ、 お陰でネーデル財閥の株価も道連れに下がって
こっちは儲けさせて貰ったわ」
「それはおめでとうございます」
「えぇ、 貴女にはこれからも働いて貰うわ」
そう言ってベンチに紙袋を置く受付。
「・・・・・これは?」
「貴方へのプレゼント」
「・・・・・」
中身を見るゲルダ。
中身はかなり大きい宝石が入っていた。
「これはこれは・・・凄いですね」
「でしょう? 貴女の新しい戸籍も入れておいたから
次からの仕事はそれを使ってね」
「了解しました、 それで・・・」
「安心しなさい、 これだけの功績を挙げた以上
幹部昇格とまでは行かないけれど貴女も昇格は出来るわ
勿論ドイツ国内で」
「ありがとうございます」
「気にしないで、 次の仕事なんだけどもまだ何も無いし
長い間の仕事だったし少し骨休めしていなさい」
「そうですか、 それではゆっくりさせて頂きます」
頭を下げるゲルダ、 そしてベンチから立ち上がって去って行く。
「おい」
「はい」
受付が職員に声をかける。
「さっき行った若い娘始末して紙袋奪ってこい、 病院の外に出すな」
「了解しました」
職員が足早にゲルダを追った。
「自分が利用されているとは思っていなかったようね」
ベンチで残された受付がぽつりと呟いた。
セルデン侯爵領のセルデン侯爵邸の執務室。
セルデン侯爵と彼の二人の息子がそこに居た。
「ジョン、 何だかややこしい事になっている様だな」
新聞をぽいと投げるセルデン。
新聞の見出しには
『セント・ルーブル学園の大不祥事!!
薬物汚染、 人身売買、 マネーロンダリング!!
セルデン侯爵長子ジョンにより暴かれた陸の孤島の闇!!』とでかでかと載っていた。
「・・・・・まず言い訳をさせて下さい」
眼に隈を作ったジョンが頭を抱えながら言う。
「良いだろう、 言え」
「私は決闘に勝利して馬車に載って帰宅するつもりだったのです
しかし帰る途中でゲルダと言う小娘が倒れていまして
とりあえず馬車に乗せて市内に降りて行ったのです」
「そのゲルダと言う娘は如何している?」
「病院に運びましたが荷物を残して消えていました
荷物の中身を確認した所、 何やらややこしい資料の束が入っていて
良く見ると何かの帳簿だったらしく、 とりあえず警邏に任せたら
即日任意同行で事の経緯を説明させられ説明が終わったら
セント・ルーブル学園の犯罪行為を暴いた英雄扱いになっていまして・・・」
「それなんだかヒューガルデンが気を利かせたらしいな」
「ヒューガルデン伯爵が?」
「妙な金の流れが有ったから内部調査をしていたらしいがあまりいい結果が出なかった所に
お前がゲルダとやらから手に入れた資料が手に入った
これで証拠が手に入った事で堂々と奴等を逮捕する事が出来る様になった
早々に突入してヴィードと奴の手下を逮捕したかったが
証拠の出どころを突っ込まれると色々問題が有るから
今回はお前が全部やった、 と言う事にさせて貰ったらしい」
「何と言うか自分が知らない所で功績をあげるのは何だかなぁと思いますよ」
「気持ちは分からんでも無いが・・・
まぁ今回は私達に歯向かった輩を始末する事が出来たから良しとしようじゃないか」
「そうですね・・・所でジャンが私以上に疲労困憊なのはどういう事でしょうか?」
ジャンはまさに幽鬼の様と言っても差し支えの無い状態に陥っていた。
「あぁ、 デンエンが小鬼の一撃と
サホロ・ファイターズの後釜に据えようとしていただろう?」
「・・・・・あぁ、 そうでしたね」
「何故か小鬼の一撃と共にネルネルネルネルネ、 だったか?
遠征に出かけて遠征先で功績を挙げたらしく、 その対応をさせている」
「・・・・・何だか大変そうですね」
「何だか知らんが街一つがしっちゃかめっちゃかになったとか詳しくは知らんけど」
激務に耐えかねジャンは倒れた。
「・・・・・こいつも鍛えた方が良いのでは?」
「うーん・・・・・」
一方その頃、 ドイツのとある病院で解放されている中庭にて。
嘗てセント・ルーブル学園でゲルダと呼ばれた少女がベンチに座っていた。
「隣、 良いですか?」
胸に受付のプレートを付けた女がゲルダの隣に座った。
「お久しぶりです、 受付さん」
ゲルダの隣に座ったのはモーント・ズンディカーズの幹部
受付その人であった、 ゲルダは彼女の部下で
金儲けの為にセント・ルーブル学園に潜伏していたのだった。
「本当に久しぶりだよねぇ、 セント・ルーブル学園での動きはまさに完璧以上だったよ
麻薬、 人身売買、 資金洗浄
更に背乗り用の戸籍まで用意して素晴らしいの一言だよ」
「全部学園長罪を着せてやったですから問題有りません
悪い事をしているのに面倒になって私に丸投げしていたので実に助かりました
自分が利用されている自覚が無かったんでしょう」
「素晴らしいわねぇ、 お陰でネーデル財閥の株価も道連れに下がって
こっちは儲けさせて貰ったわ」
「それはおめでとうございます」
「えぇ、 貴女にはこれからも働いて貰うわ」
そう言ってベンチに紙袋を置く受付。
「・・・・・これは?」
「貴方へのプレゼント」
「・・・・・」
中身を見るゲルダ。
中身はかなり大きい宝石が入っていた。
「これはこれは・・・凄いですね」
「でしょう? 貴女の新しい戸籍も入れておいたから
次からの仕事はそれを使ってね」
「了解しました、 それで・・・」
「安心しなさい、 これだけの功績を挙げた以上
幹部昇格とまでは行かないけれど貴女も昇格は出来るわ
勿論ドイツ国内で」
「ありがとうございます」
「気にしないで、 次の仕事なんだけどもまだ何も無いし
長い間の仕事だったし少し骨休めしていなさい」
「そうですか、 それではゆっくりさせて頂きます」
頭を下げるゲルダ、 そしてベンチから立ち上がって去って行く。
「おい」
「はい」
受付が職員に声をかける。
「さっき行った若い娘始末して紙袋奪ってこい、 病院の外に出すな」
「了解しました」
職員が足早にゲルダを追った。
「自分が利用されているとは思っていなかったようね」
ベンチで残された受付がぽつりと呟いた。
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