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チャプター6:ぺドルズ・クライミング・ゼアー・シェア
プアー・リヒテンシュタイン
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再誕歴7701年エイプリル8日。
リヒテンシュタイン公国首都ファドゥーツ。
周囲を山に囲まれた土地でありその土地に住まう者は
皆代々リヒテンシュタイン家と共に歩み進んだ者達である。
故に今回、 リヒテンシュタイン家の居城ファドゥーツ城の周囲にはデモ隊が集まって来ている。
ファドゥーツ城の周囲は丘になっているので山に守られず暴風吹き荒れる場所だが
それでも尚集まっていた。
「フランク王国との決闘反対!!」
「反対!!」
「フランク王国との徹底抗戦!!」
「抗戦!!」
「フランク王国との国交断絶!!」
「断絶!!」
フランク王国との決闘を受けた事に対する抗議運動である。
良く知らん女が勝手に恋人宣言して勝手に逆切れすると言うのは納得がいかないのだ。
「落ち付きたまえ諸君!! 決闘を拒めば逆上して何をしでかすか分からない状況なのだ!!」
騎士が落ち着かせようとするも民衆は興奮していた。
一方、 ファドゥーツ城の中ではリヒテンシュタイン公国の国主たる
リヒテンシュタイン大公の代行であるリヒテンシュタイン大公の息子カールが
ジョンとラダーと応接間で相対していた。
「民たちが五月蠅くてすまないね」
「いえカール閣下」
「殿下だ、 間違える魔法使い」
「何言ってるのよ、 殿下は王族の方に使う継承でしょ」
「何を言っている今回の場合は大公と言う名前だが王なのだから殿下が正解だ」
「ベネルクス王国ではそうやって人の間違いをあげつらうのが礼儀なのか?」
カールがジョンを諫める。
「・・・申し訳ありません」
「やーい、 怒られてやんのー」
「そういう事を言う物では無いぞ御嬢さん」
「あ、 す、 すみません・・・」
「さて、 ベネルクス95世陛下から大体の話は聞かせて頂いた
そしてカロリング女史からの情報でここに君達と因縁がある
ジェーンとトリニティー・エクスプレメント」
「トリニティーは既に我が家から追放されています!!」
「失敬、 その二人と君達が因縁があり、 尚且つ勝った経験があると言う事だが?」
「えぇ、 殺しておらず、 申し訳ありません」
「トリニティーの行った数々の外道に対し決闘を行い追い出しました」
「そうか、 それは心強い、 決闘の相手は貴方達にお任せします」
「ありがとうございます!!」
頭を下げるラダーとジョン。
「所で殿下、 一つお聞きしたいのですが宜しいでしょうか?」
ジョンが尋ねる。
「何です?」
「クロヴィスが語ったリヒテンシュタイン大公の恋人云々の話ですよ」
「父にあんな恋人が居たとは私も知らなかったし
そんな資料も無かった、 きっと嘘なのだろうな」
「愛人、 と言う線は如何でしょうか?」
「・・・・・ジョンさん、 貴方、 何故気になるのですかな?
人の家庭に首を突っ込むのは宜しくないですよ?」
カールで言外に警告する。
「いえ、 実は先日、 私は団体戦の決闘をしたのです」
「ふむ? それで?」
「決闘に関係無い者の手であわや窮地に追い込まれましてね」
そう言って自分の鎖骨を見せるジョン。
そこには深い傷跡が有った。
「その恋人とやら、 何か出来るかもしれない
フランク王国が決闘に負けたら恋人とやらもただでは済まないのだから
何かしらしてくる可能性も有る、 故に知っておく必要が有る
と思うのですが・・・」
「なるほど・・・一理ありました、 先程の物言いを謝罪します」
「お気になさらず」
「だが、 愛人も居ない、 父は母一筋でしたから」
「私も質問が有ります」
ラダーが尋ねる。
「何でしょうか?」
「リヒテンシュタイン大公はお見えにならないのですか、 ッ!!」
ラダーの足をつねるジョン。
「何すんのよ!? アンタのピンチ力※1 で足つねったら千切れる!!」
※1:つねる力。
首を振るジョン。
「ジョンさん、 お気遣いありがとうございます
ですが・・・知らないのならば教えましょう
父は中風※2 で寝た切りの状態です」
※2:脳卒中の後遺症、 半身不随、手足の麻痺の症状がある。
「そ、 それは失礼しました」
「いえ、 お気になさらず
父ももうかなりの歳ですし、 命が有っただけ良いですよ
父は今回の件について何も語ろうと
いや喋れないから教えようと、 でしょうかね」
「喋れないと言う事は筆記・・・」
「いえ、 そこはまぁ私の娘が世話をして何とか・・・
何れにせよ、 父は愛人を持つ事はしませんし
仮に恋人を見捨てても何かしらの事情が有ると思います
私の父は卑劣漢では有りません」
「リヒテンシュタイン大公の勇猛さは良く知っています
男子ならば夜話に聞いた事が有るでしょう」
「そう言って頂けると父も喜びます」
そう言って遠い目をするカールだった。
リヒテンシュタイン公国首都ファドゥーツ。
周囲を山に囲まれた土地でありその土地に住まう者は
皆代々リヒテンシュタイン家と共に歩み進んだ者達である。
故に今回、 リヒテンシュタイン家の居城ファドゥーツ城の周囲にはデモ隊が集まって来ている。
ファドゥーツ城の周囲は丘になっているので山に守られず暴風吹き荒れる場所だが
それでも尚集まっていた。
「フランク王国との決闘反対!!」
「反対!!」
「フランク王国との徹底抗戦!!」
「抗戦!!」
「フランク王国との国交断絶!!」
「断絶!!」
フランク王国との決闘を受けた事に対する抗議運動である。
良く知らん女が勝手に恋人宣言して勝手に逆切れすると言うのは納得がいかないのだ。
「落ち付きたまえ諸君!! 決闘を拒めば逆上して何をしでかすか分からない状況なのだ!!」
騎士が落ち着かせようとするも民衆は興奮していた。
一方、 ファドゥーツ城の中ではリヒテンシュタイン公国の国主たる
リヒテンシュタイン大公の代行であるリヒテンシュタイン大公の息子カールが
ジョンとラダーと応接間で相対していた。
「民たちが五月蠅くてすまないね」
「いえカール閣下」
「殿下だ、 間違える魔法使い」
「何言ってるのよ、 殿下は王族の方に使う継承でしょ」
「何を言っている今回の場合は大公と言う名前だが王なのだから殿下が正解だ」
「ベネルクス王国ではそうやって人の間違いをあげつらうのが礼儀なのか?」
カールがジョンを諫める。
「・・・申し訳ありません」
「やーい、 怒られてやんのー」
「そういう事を言う物では無いぞ御嬢さん」
「あ、 す、 すみません・・・」
「さて、 ベネルクス95世陛下から大体の話は聞かせて頂いた
そしてカロリング女史からの情報でここに君達と因縁がある
ジェーンとトリニティー・エクスプレメント」
「トリニティーは既に我が家から追放されています!!」
「失敬、 その二人と君達が因縁があり、 尚且つ勝った経験があると言う事だが?」
「えぇ、 殺しておらず、 申し訳ありません」
「トリニティーの行った数々の外道に対し決闘を行い追い出しました」
「そうか、 それは心強い、 決闘の相手は貴方達にお任せします」
「ありがとうございます!!」
頭を下げるラダーとジョン。
「所で殿下、 一つお聞きしたいのですが宜しいでしょうか?」
ジョンが尋ねる。
「何です?」
「クロヴィスが語ったリヒテンシュタイン大公の恋人云々の話ですよ」
「父にあんな恋人が居たとは私も知らなかったし
そんな資料も無かった、 きっと嘘なのだろうな」
「愛人、 と言う線は如何でしょうか?」
「・・・・・ジョンさん、 貴方、 何故気になるのですかな?
人の家庭に首を突っ込むのは宜しくないですよ?」
カールで言外に警告する。
「いえ、 実は先日、 私は団体戦の決闘をしたのです」
「ふむ? それで?」
「決闘に関係無い者の手であわや窮地に追い込まれましてね」
そう言って自分の鎖骨を見せるジョン。
そこには深い傷跡が有った。
「その恋人とやら、 何か出来るかもしれない
フランク王国が決闘に負けたら恋人とやらもただでは済まないのだから
何かしらしてくる可能性も有る、 故に知っておく必要が有る
と思うのですが・・・」
「なるほど・・・一理ありました、 先程の物言いを謝罪します」
「お気になさらず」
「だが、 愛人も居ない、 父は母一筋でしたから」
「私も質問が有ります」
ラダーが尋ねる。
「何でしょうか?」
「リヒテンシュタイン大公はお見えにならないのですか、 ッ!!」
ラダーの足をつねるジョン。
「何すんのよ!? アンタのピンチ力※1 で足つねったら千切れる!!」
※1:つねる力。
首を振るジョン。
「ジョンさん、 お気遣いありがとうございます
ですが・・・知らないのならば教えましょう
父は中風※2 で寝た切りの状態です」
※2:脳卒中の後遺症、 半身不随、手足の麻痺の症状がある。
「そ、 それは失礼しました」
「いえ、 お気になさらず
父ももうかなりの歳ですし、 命が有っただけ良いですよ
父は今回の件について何も語ろうと
いや喋れないから教えようと、 でしょうかね」
「喋れないと言う事は筆記・・・」
「いえ、 そこはまぁ私の娘が世話をして何とか・・・
何れにせよ、 父は愛人を持つ事はしませんし
仮に恋人を見捨てても何かしらの事情が有ると思います
私の父は卑劣漢では有りません」
「リヒテンシュタイン大公の勇猛さは良く知っています
男子ならば夜話に聞いた事が有るでしょう」
「そう言って頂けると父も喜びます」
そう言って遠い目をするカールだった。
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