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チャプター6:ぺドルズ・クライミング・ゼアー・シェア
エヴァ・オブ・ウォー
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再誕歴7701年エイプリル4日。
機関車を乗り継ぎ、 馬車を乗り継ぎ
漸くオーストリアの首都ウィーンに馬車で向かうフェザー一行。
「モノポリー※1 私の勝ちね」
※1:トランプゲーム大富豪のマイナールールの一つ。
同じ♠♡♦♧のA~Kが揃っていた場合
勝利する事が出来る。
「またしてもマイナールール・・・お母様、 自分に都合の良いルール作ってませんか?」
この6日間ほぼ只管、 食事と睡眠以外の時間は大富豪をやっていた。
他のトランプゲームは紛れと各々の資質で偏りが大きいので結果として大富豪になった。
「オーストリアルールよ」
「7渡し※2 4止め※3 9リバース※4 聞いた事無いですよ」
※2:トランプゲーム大富豪のマイナールールの一つ。
7を出す事で次のプレイヤーに任意のカードを渡すことが出来る。
※3:トランプゲーム大富豪のマイナールールの一つ。
8切りに対して8の2倍の枚数の4を出す事で
8切りの効果を無効にし4を出したプレイヤーがターンを取る。
※4:トランプゲーム大富豪のマイナールールの一つ。
9を出す事でプレイする順番が逆向きに変わる。
「9リバースは聞いた事ありますよ」
「9リバースは寧ろメジャールールでは?」
「えぇ? 私聞いた事無いわよ」
ぼやきながら片付けるサン。
「馬車も止まりましたし到着ですかね」
「そうね、 とりあえずお風呂行って用意した喪服に着替えますか」
「お風呂?」
首を傾げるサン。
「あら、 サン、 貴女気遣いがなってないんじゃなくて?
もう6日も弾丸旅行※5 してるんだから匂うでしょ」
※5:物凄い早く移動する旅行の事。
この世界にも銃は有るが広まっておらず、 物凄い速い弾が出るという認識が広がり
とりあえず速い物には弾丸と付けておけと言う認識が広がっている。
「お母様こそ何を仰っているのですか? 香水で良いでしょう※6」
※6:風呂に入らない悪臭を誤魔化す手段としての香水は一般的である。
とは言え一々香水を使うのは馬鹿にならない金額がかかるので
普段は入浴をするのが一般的である。
「・・・私の姉である
オーストリア帝国皇族の長女ミケレ=ロートリンゲンは香水嫌いなのよ」
「香水嫌い?」
「肌荒れがしやすい体質でね・・・さっさとお風呂に行くわよ」
「分かりました」
フェザー一行は馬車から降りてウィーンに降り立つ
と思いきや
「お久しぶりですポリニャック殿下!!」
頭を下げる壮年の騎士、 まだに歴戦の益荒男と言った風貌の男である、
「ジョンソン?」
「何方様です?」
「私のお付きだった騎士、 騎士団長の職を蹴って結婚して引退したと聞いたけど?」
「何と・・・新聞を御覧になっていない?」
驚愕するジョンソン。
「新聞? 読んでいないわね
対面式も有るし余計な情報を入れて精神を乱されるのは不味いと思って」
「陛下との対面式は延期となりました」
「延期?」
怪訝そうな顔をするポリニャック。
「歩きながらお話ししましょう」
「分かったわ」
ジョンソンの先導で歩くポリニャック達。
ウィーンとはオーストリア帝国の首都であると同時に
音楽家達にとっては聖地とも言える。
偉大なる音楽家達を生み出したこの街は
人類文化史において重要な役割を持っていると言っても過言では無い。
更に音楽だけでは無くヨーロッパ圏最古の大学と称されるウィーン大学も存在し
まさに人は財なりを地で行く街とも言える。
「・・・・・ここがあのウィーンとは信じられません」
喧噪のウィーンを歩くフェザーが呟いた。
「そうね、 普段ならば風に音楽が乗って来る筈なのに・・・」
「この街の楽団や学徒達は既にドイツへ疎開しました」
「嘘、 何が有ったの?」
「フランク王国のカロリング女王の息子クロヴィスが
ヘルヴェティア共和国を制圧し王政復古※7 を宣言しました」
※7:政治体制が君主制から共和制などに変わった後に再び君主制に戻る事。
「・・・・・信じられないわね、 一体何でそんな事を・・・」
「クロヴィスはフランク王国の復興を宣言し
旧フランク王国騎士団の騎士達と協力して国内を平定した模様です」
「確かに驚くべきニュースだが、 疎開する程の事ですか?」
マルガレーテは疑問を口にした。
確かに隣国の政変は警戒するべきだろうがここまでやる必要は有るのだろうか?
「それがクロヴィスは我が国とリヒテンシュタイン公国の併合を宣言したのです」
「ごめんなさい、 全く意味が分からないわ、 一体何の権限があってクロヴィスがそんな事を?
フランク王国に関してはギリギリ分からなくもないけども
彼が他の国に口出しする権利は無い筈よ」
「それが我が国の正統なる後継者が居て、 その後継者がリヒテンシュタイン公国の
現リヒテンシュタイン大公に裏切られたからその賠償として国の明け渡しを求めて来ています」
「正統なる後継者ねぇ・・・適当にでっち上げたのかしら
でもこの国にも騎士団が居るわ、 そんな無茶な理屈を並べて攻め込んできたら打ち倒せば良い」
「それが一連の騒動の背後にはドラゴヴァニアが居るらしいのです」
「っ・・・とんだ里帰りになったわね・・・」
冷や汗を流したポリニャックだった。
機関車を乗り継ぎ、 馬車を乗り継ぎ
漸くオーストリアの首都ウィーンに馬車で向かうフェザー一行。
「モノポリー※1 私の勝ちね」
※1:トランプゲーム大富豪のマイナールールの一つ。
同じ♠♡♦♧のA~Kが揃っていた場合
勝利する事が出来る。
「またしてもマイナールール・・・お母様、 自分に都合の良いルール作ってませんか?」
この6日間ほぼ只管、 食事と睡眠以外の時間は大富豪をやっていた。
他のトランプゲームは紛れと各々の資質で偏りが大きいので結果として大富豪になった。
「オーストリアルールよ」
「7渡し※2 4止め※3 9リバース※4 聞いた事無いですよ」
※2:トランプゲーム大富豪のマイナールールの一つ。
7を出す事で次のプレイヤーに任意のカードを渡すことが出来る。
※3:トランプゲーム大富豪のマイナールールの一つ。
8切りに対して8の2倍の枚数の4を出す事で
8切りの効果を無効にし4を出したプレイヤーがターンを取る。
※4:トランプゲーム大富豪のマイナールールの一つ。
9を出す事でプレイする順番が逆向きに変わる。
「9リバースは聞いた事ありますよ」
「9リバースは寧ろメジャールールでは?」
「えぇ? 私聞いた事無いわよ」
ぼやきながら片付けるサン。
「馬車も止まりましたし到着ですかね」
「そうね、 とりあえずお風呂行って用意した喪服に着替えますか」
「お風呂?」
首を傾げるサン。
「あら、 サン、 貴女気遣いがなってないんじゃなくて?
もう6日も弾丸旅行※5 してるんだから匂うでしょ」
※5:物凄い早く移動する旅行の事。
この世界にも銃は有るが広まっておらず、 物凄い速い弾が出るという認識が広がり
とりあえず速い物には弾丸と付けておけと言う認識が広がっている。
「お母様こそ何を仰っているのですか? 香水で良いでしょう※6」
※6:風呂に入らない悪臭を誤魔化す手段としての香水は一般的である。
とは言え一々香水を使うのは馬鹿にならない金額がかかるので
普段は入浴をするのが一般的である。
「・・・私の姉である
オーストリア帝国皇族の長女ミケレ=ロートリンゲンは香水嫌いなのよ」
「香水嫌い?」
「肌荒れがしやすい体質でね・・・さっさとお風呂に行くわよ」
「分かりました」
フェザー一行は馬車から降りてウィーンに降り立つ
と思いきや
「お久しぶりですポリニャック殿下!!」
頭を下げる壮年の騎士、 まだに歴戦の益荒男と言った風貌の男である、
「ジョンソン?」
「何方様です?」
「私のお付きだった騎士、 騎士団長の職を蹴って結婚して引退したと聞いたけど?」
「何と・・・新聞を御覧になっていない?」
驚愕するジョンソン。
「新聞? 読んでいないわね
対面式も有るし余計な情報を入れて精神を乱されるのは不味いと思って」
「陛下との対面式は延期となりました」
「延期?」
怪訝そうな顔をするポリニャック。
「歩きながらお話ししましょう」
「分かったわ」
ジョンソンの先導で歩くポリニャック達。
ウィーンとはオーストリア帝国の首都であると同時に
音楽家達にとっては聖地とも言える。
偉大なる音楽家達を生み出したこの街は
人類文化史において重要な役割を持っていると言っても過言では無い。
更に音楽だけでは無くヨーロッパ圏最古の大学と称されるウィーン大学も存在し
まさに人は財なりを地で行く街とも言える。
「・・・・・ここがあのウィーンとは信じられません」
喧噪のウィーンを歩くフェザーが呟いた。
「そうね、 普段ならば風に音楽が乗って来る筈なのに・・・」
「この街の楽団や学徒達は既にドイツへ疎開しました」
「嘘、 何が有ったの?」
「フランク王国のカロリング女王の息子クロヴィスが
ヘルヴェティア共和国を制圧し王政復古※7 を宣言しました」
※7:政治体制が君主制から共和制などに変わった後に再び君主制に戻る事。
「・・・・・信じられないわね、 一体何でそんな事を・・・」
「クロヴィスはフランク王国の復興を宣言し
旧フランク王国騎士団の騎士達と協力して国内を平定した模様です」
「確かに驚くべきニュースだが、 疎開する程の事ですか?」
マルガレーテは疑問を口にした。
確かに隣国の政変は警戒するべきだろうがここまでやる必要は有るのだろうか?
「それがクロヴィスは我が国とリヒテンシュタイン公国の併合を宣言したのです」
「ごめんなさい、 全く意味が分からないわ、 一体何の権限があってクロヴィスがそんな事を?
フランク王国に関してはギリギリ分からなくもないけども
彼が他の国に口出しする権利は無い筈よ」
「それが我が国の正統なる後継者が居て、 その後継者がリヒテンシュタイン公国の
現リヒテンシュタイン大公に裏切られたからその賠償として国の明け渡しを求めて来ています」
「正統なる後継者ねぇ・・・適当にでっち上げたのかしら
でもこの国にも騎士団が居るわ、 そんな無茶な理屈を並べて攻め込んできたら打ち倒せば良い」
「それが一連の騒動の背後にはドラゴヴァニアが居るらしいのです」
「っ・・・とんだ里帰りになったわね・・・」
冷や汗を流したポリニャックだった。
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