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チャプター6:ぺドルズ・クライミング・ゼアー・シェア

エイプリル・イン・ザ・ライ

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再誕歴7701年エイプリル1日。

ドラゴンと化した石の吐息ストーン・ブレスロックに連れられ
やって来たのはとある洞窟の中である。
洞窟と言ってもベッドなどの設備も揃えて有り一種の要塞と化している。

「・・・・・すみません、 状況を説明して下さい」

ハートレスが尋ねた。

「あぁ? さっき飛びながら説明しただろうが話聞いてなかったのか?」

人型になったロックが苛立ちながら尋ねる。
灰色の逆立った髪と合わせて恐ろしい印象を受ける。

「暴風で全く聞こえませんでした」
「トリニティーにでも聞け、 俺は寝る」

ベッドに横になるロック。

「・・・トリニティー、 さんでしたっけ? どういう事か説明して下さい」
「そ、 そうっスよ、 俺達も連れて来られて・・・一体どういう事です?」
「そもそも何で説明してくれなかったんスか?」
「はわはわはわ・・・わ、 私も聞いていなかったんですが・・・」

カッツとフリギオ、 そしてメンソールも追従して尋ねる。

「黙っていた事はすまなかった、 だが情報が漏れる可能性が有ったんだ
だからこそ黙っていた」

トリニティーが謝罪する。
だがしかし本来ならば彼等は囮だったので教える必要が無いと判断していたのだ。

「我々はエルダーストーンとハートレス男爵を確保した後に
ここに来るのが本来の計画だったのだ」
「計画って・・・そもそもここは何処だ?」
「ここはヘルヴェティア共和国、 嘗てはフランク王国と呼ばれた国
正確にはヘルヴェティア共和国含む数か国にまたがる
アルプスフジにある洞窟ですかね」
「無責任な国王が革命勢力に争わずに国を明け渡した結果、 疲弊した国か
何でこんな国に?」
「私はこの国をロック殿と共に治め様と思っています」
「何!?」
「ど、 どういう事っスか!?」

驚愕する一同。

「驚く事じゃないわ、 師匠の魔法は体系立って居て
私や貴方達の様な落伍者にも扱える様になれる」
「その通りだがジェーン、 君は特に優秀な弟子だ胸を張ってくれ
先の話だが正確にはロック殿がこの国を治め、 私が魔法を広める
私の魔法がこの国の主流となり我がエクスプレメント系魔法式は
再興する事だろう!!」
「・・・・・それに僕が何の関係が?」

ハートレスが疑問を口にする。
囮で救出に行かせたので本来の計画にはハートレスは居ないのだが
この状況もトリニティーは想定済み、 言い包める準備は出来ている。

「力だけでは駄目なのですよハートレス男爵
貴方の様な尊き血の正当性が欲しい」
「そう言う事ならば喜んで協力しよう!! ベネルクス王国貴族には愛想が尽きた!!」
「その件だがちょっと予定が変わったんだわ」

横になりながらロックが言う。

「・・・は?」
「どういう事ですかな? ロック殿」
「よっと・・・実はこの国を治める奴は他に居るんだ勿論血筋は良いぜ
元々の計画では俺が王となりこの国をドラゴヴァニアの属国とする事で
安定化を図りながらの支配と言う予定だったが
正当性のある血は重要らしいからな、 戦力としても申し分無い
更に言うともっと支配領域が広がるぜ」
「広がる? 話が見えませんね」
「元々ベネルクス王国とはベネルクス三国と呼ばれる国が併合して生まれた国だ※1」


※1:ベルギー王国、 ネーデルランド王国、 ルクセンブルク公国の三か国が併合した。


「話が見えません、 どういう事ですか?」
「オーストリア帝国、 リヒテンシュタイン公国、 そしてヘルヴェティア共和国
いやフランク王国、 この3か国を纏めて併合し治める事が出来る策がある!!」
「無茶だ!! 帝国と公国から反発が有る筈!!」

慌てて制止するトリニティー。

「正義は此方に有り!!」

洞窟の中に男が入って来る。
ホワイトプラチナの短髪の若い男である。

「何者だ?」
「彼が隠し玉だ、 コイツが居れば先に上げた三国を手中に収める事が可能になる」
「そこまでの強者だとは思えませんが」

そう言うとトリニティーが吹き飛ばされる。
すぐさま体勢を整える。

「今のは加減しました、 本気を出せば貴方は死んでいました」
「言うじゃないか、 だがしかしこの程度ではまだまだ足りぬ」
「更にダメ押しだ」

男の後ろから一人の女が現れる身形の良いピンクブロンドの女である。

「あ・・・あの・・・」

自信たっぷりの男とは対照的に女はおどおどしている。

「コイツ等一体何ですか?」
「自己紹介が遅れていた、 私はフランク王国の正統なる後継者クロヴィス
そして彼女はオーストリア帝国の正統なる後継者ルドウィカ」
「聞いた事が無い名だな・・・」
「クロヴィス!? あのクロヴィス!?」
「はわはわはわはわ!?」

トリニティーは知らないが今度はハートレスとメンソールが驚いた。

「そんなに凄い男なのか?」
「私は・・・」

と一瞬悲しそうな顔をするクロヴィスだった。
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