更新休止【異世界ファンタジー追放ざまぁハーレム主人公チート】デュエリスト・イン・ザ・ブロークンワールド【注釈付き】

Mr.後困る

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チャプター6:ぺドルズ・クライミング・ゼアー・シェア

ライフ・ゴーン・オン

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前回から数分遡る。

ブリュッセル王宮の内通者の王宮錬金術師に手引きされて侵入に成功する
トリニティーとジェーンを含む弟子6人。
当然ながら変装をして誤魔化している。

「タイム・ハック※1 は完璧か?」


※1:軍事作戦行動の前に時計を合わせる事で
作戦行動をスムーズに進行する事が出来る。
懐中時計は貴重品だが内通者の王宮錬金術師に人数分用意して貰えた。


「ばっちりですよ」
「良し、 じゃあ改めて説明だ、 まず私とジェーン、 フリオドール
カーライト、 バンキンチェーンは私に付いてきてくれ
カッツとフリギオはメンソールと合流、 メンソールを脅迫する振りをして
ハートレス男爵を救出する、 無事に外に出られたら回収地点に移動してくれ」
「お、 俺達二人で大丈夫っスか?」
「そ、 そッスよ、 俺達新入りだし・・・」

カッツとフリギオは不安そうにする。
二人共魔法の薫陶は受けているが何方かと言えば大柄のチンピラで
肉弾戦の方が強そうである。

「安心しろ、 時間になったらエルダーストーンを我々が回収するついでに騒ぎを起こす
その騒ぎに乗じてお前達は逃げろ、 ちゃんと城の中の地図は頭に入っているだろ?」
「そ、 そりゃあまぁ・・・」
「ならば大丈夫だ、 私を信じろ、 そして魔法を信じるんだ」
「わ、 分かりました、 じゃあ行って来ます」
「うす!!」

カッツとフリギオは去って行った。

「・・・・・よし、 じゃあ我々は手筈通りに囮の二人カッツとフリギオが騒ぎを起こしたら
エルダーストーンを探しに行くぞ」
「・・・師匠、 これはちょっと酷くないですか?」
「ジェーンよ、 確かに私に師事した者を切り捨てるのは辛いが我々の数は少ない
内通している錬金術師もサポートはしていても直接手を貸す事はしない
一応脱出ルートは確保しているしこれからの身の振り方も考えている
しかしながら魔法も万能では無い、 数の差を埋める事は難しい
ならばこそ、 囮は必須だ、 本当に申し訳無いが必要な犠牲だ」
「しかし・・・」
「君とてセルデン侯爵に認められたいんだろう? ならば多少の心の痛みは目を瞑れ」
「わ、 わかりました・・・」
「まぁ、 気にすんなよ、 直ぐに慣れるさ」

フリオドールがジェーンの肩を叩く。
彼の右眼は強さを求めた結果、 邪眼になってしまった。
その力を開放すれば常の5倍の力を得られるが命を削られる禁断の外法である。
その為、 常に右目を閉じている。
彼はエクスプレメント家に追従している男だったがトリニティーと共に放逐された。
元々は義の男だったらしいが貧困と没落の生活により容赦のない男と化した。

「ジェーン、 吾輩は貴様をまだ認めていない
邪魔になれば貴様も囮にするであーる」
「カーライト君、 ジェーンちゃんをいじめちゃ駄目でしょ」

カイゼル髭の決闘者崩れのカーライトと
洒落にならない犯罪を犯した毒婦バンキンチェーンが茶々を入れる。
双方、 共にフリオドールと同等の魔法使いである。

「仲良くし」

ろと言い切る前に
カーン!!カーン!!カーン!!と鐘が連打される。
見張り台からの緊急事態発生のサインである。

「!?」

時計を見るトリニティー。

「時間より早いぞ!? 何やってんだ囮共あいつ等!!」
「あの貧乏人共※2 め!!」


※2:慌てる乞食は貰いが少ないと言う慣用句から
転じて急ぎする馬鹿を揶揄している。


「ちぃ!! こっちも急ぐぞ」
「おう!!」

トリニティーも走った、 向かう先は場所は宝物庫である。
そこに目当てのエルダーストーンが有るのだ。

「うん?」

走っている途中で一人の男と出会ったトリニティー一行。
身形の良い童顔の青年で箱を持っていた。

「この気配エルダーストーンか!?」
「これはお前達の仕業か!!」

青年は箱を放り、 裾から草刈りの鎌を取り出した。
鎌二刀流、 否、 鎌二鎌流である。

楽園に祈るマンティス!!」

ウィルパワーを鎌に纏わせまるで蟷螂かまきりの様に
巨大な鎌を構築しトリニティー達に襲い掛かる青年!!

「っ!! 避けろ!!」

通りすがりに大鎌の一撃!! トリニティーは歴戦の経験から回避したが
回避し切れずにカートライトとフリオドールが胴体から真っ二つになった!!
嘆く暇も無く再度死神の鎌の如く襲って来る!!

「はあああああああああああああああああああ!!」

バンキンチェーンが向かって来る青年の胴体に正確に拳を叩き込み
そして火球での零距離攻撃!! トリニティーから教わったエクスプレメント系魔法式は
ウィルパワーを炎や爆発に変換する魔法である!! 単純ながらも隙の無い魔法!!
だがしかし零距離の魔法はバンキンチェーンの腕も吹き飛ばした!!

「くっ・・・」

失った右腕に歯噛みするバンキンチェーン。

「だけどこれで・・・!?」

目の前の青年を見て驚愕するバンキンチェーン。
上半身を吹き飛ばしたかと思ったら
ダメージは受けているようだが無事である!! 大鎌も健在!!

「馬鹿な・・・」

トリニティーもこれには驚愕する!!
余りにも常識離れしている!!

「ならば!! すまんフリオドール!!」

フリオドールの死体から邪眼を抉り出し魔術式を構築するトリニティー!!

「ジェーン!! エルダーストーンを!!」
「は、 はい師匠!! こ、 これがエルダーストーンですよね!?」

箱を回収するジェーン。

「そうだ!! こっちも行くぞ!! 禁呪※3!! 魔炎邪精フォールン・イグニス!!」


※3:国際魔法連盟が制定した魔法取扱法によって定められた禁じられた魔法。
極めて強力なだけでは無く、 余りにも倫理に反した物として封印されるべき魔法である。


邪眼から紫色の人型の業火が現れる。

「ここは任せたぞ!! ジェーン!! バンキン!! 逃げるぞ!!」
「はい!!」
「二人だけで逃げな!! 私はここに残る!!」

バンキンチェーンが上着を脱いで上半身下着だけになる。
ウィルパワーを漲らせる規定動作ルーティーンの為に体中に刻み込まれた
幼子の血の入れ墨が赤黒く怪しい輝きを放つ。

「何言ってるんだ!?」
「こいつは良い!! 是非とも殺したい!!」
「こんな時に発作か・・・好きにしろ!! ジェーン行くぞ!!」
「は、 はい!!」

トリニティーとジェーンはエルダーストーンを持って逃走した。
背後では紫の爆炎と赤黒い炎が燃え盛った。



一方その頃、 カッツとフリギオは牢獄に居た。
メンソールも合流したが先程の騒ぎで看守たちも出払っていた。

「な、 何か騒がしいけど如何すんだよ!?」
「ど、 如何するって!?」
「は、 はわはわ!! 看守室が空いているから鍵を取って来ました!!」
「お、 おし!! じゃあハートレス男爵を救出しよう!!」
「ハートレス男爵!! 何処ですー!?」
「ここだ!!」

牢屋の一つからハートレスの声がする。
メンソールは鍵を使ってハートレスを救出した。

「後は脱出だ!! 抜け道を覚えているんでついて来て下せぇ男爵!!」
「だ、 誰だ君は!? い、 いやメンソールの知り合いか!! ならばついて行くぞ!!」

こうして囮に使われた彼等は無事に逃げる事に成功したのだった。
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