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チャプター6:ぺドルズ・クライミング・ゼアー・シェア
プロローグ・オブ・オブチュアリー
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再誕歴7701年マーチ29日。
ベルモンドのブリュッセルハウス。
舞踏会の疲れも取れぬままブリュッセルハウス内の者達が全員呼び出される。
そこにはベネルクス王国役人も一緒である。
「あなた、 何か有ったのですか?」
ポリニャックがベルモンドに尋ねる。
「・・・君の父親であるフランツ陛下が崩御※1なされた」
※1:君主、 若しくはその妃の死亡を表す最高敬語。
「そうですかお父様が・・・」
俯くポリニャック。
「ベルモンド伯爵夫人、 お辛いでしょうが国葬の準備の為に
ドイツのユーロシティでオーストリア帝国へ移動して頂きます
これは国事の為、 ブリュッセルからの移動は認められます」
役人が言った。
「そうなるでしょうね・・・葬儀の日取りは如何なっていますか?」
「まずは皇族との対面式を終えた後に葬儀と言う手筈になっています
直ぐにでも出立して貰いたいのですが準備が有ると思いますので御待ちします」
「そうね、 待っていてください」
「はい、 では邸の外でお待ちしております」
役人は頭を下げて邸の外に出た。
「お母様・・・」
「大丈夫よ、 サン、 もうお父様が長くない事は知っていたわ
それにお会いした回数も数える程度だし・・・それよりもサン
急だけども貴女もオーストリア帝国に来て貰うわよ」
「え、 私もですか?」
「一応オーストリア帝国皇族の葬儀のしきたりとして
皇帝の子とその子、 つまり私と貴女は国葬前に対面しなければならない
勿論理由が有れば欠席しても良いけども特に断る理由も無いでしょう?」
「わ、 わかりました、 父上は?」
「子の配偶者、 つまり私は国葬までに行けば良い」
ベルモンドが説明する。
「一緒に行けば良いのに・・・」
「いやいや、 皇帝の子の配偶者となると貴族以上は確実
多忙だろうから配慮だろう、 それよりも護衛は如何なる?
此方で付けておくか?」
「そうですね・・・一応付けておいた方が良いでしょう
オーストリア付近は少し荒れていますし」
読者諸賢に説明をしなければならないのでここで説明をしておこう。
ベネルクス王国とオーストリア帝国はドイツ帝国を挟んだ隣国である。
その隣国には嘗てフランク王国と呼ばれたヘルヴェティア共和国が存在し
二つの国の間に小さくリヒテンシュタイン公国が存在する。
皆さんもご存じの通りフランク王国の女王カロリングは
フランク王国の革命を察知して親戚達と共に王族を降りて
退職金を貰って革命勢力にさっさと国を明け渡した。
この事からほぼ被害が無く退職金は払った物の
カロリックが徹底抗戦するよりは国庫を使わずに済んだ。
王政から共和制に移行したフランク王国改めヘルヴェティア共和国だが
革命勢力は理想に燃え社会を良くしようと立ち上がった集団だが
いかんせん政治の経験の無い者達ばかりで占められ
更に国内貴族を弾圧、 貴族達は無論抵抗し決闘を申し込むも
共和国政府は拒絶、 決闘法の縛りから抜け出す為に共和国はヨーロッパ連合から脱退。
泥沼の内戦の末に共和国政府が勝利するも国内が荒れに荒れた。
共和国政府の貴族達の残党に頭を悩ませ、 更に国家の荒廃と共に
盗賊に堕ちる国民が増加、 共和国はヨーロッパ連合に助けを求めるも
ヨーロッパ連合に所属し運営資金を出している他の国家に申し訳が立たないと
援助を拒絶、 今やヘルヴェティア共和国は無法地帯と化し
周辺国の治安悪化の要因になっている。
更に悪い事にヘルヴェティア共和国はドラゴヴァニアとも隣国である為
ヘルヴェティア共和国はドラゴヴァニアに攻め込まれても文句が言えない立場になっている。
「じゃあフェザー君とマルガレーテ、 付いて来て貰えるかしら?」
「はい、 分かりました」
「わ、 私ですか?」
マルガレーテが目を丸くする。
「男だけじゃあ問題が有るかもしれないでしょう? 行きたくないの?」
「い、 いえ、 自分を卑下するようですがレイクの方が適任かと」
「それは駄目なのよ」
「何故?」
「オーストリア帝国周辺は反ドラゴニュート感情が強いのよ
過去に国際問題が有ったし」
「まぁ、 妥当な判断よね・・・」
レイクは溜息を吐いた。
「まぁ行って帰って来るだけだから念の為として、 ね
ユーロシティには警備の人も居るし、 問題は無いわ」
「そうね、 フェザーも居るし」
「・・・?」
首を傾げるマルガレーテ。
「ドイツのユーロシティを経由してオーストリアに向かうのですよね?
ユーロシティに警備が居てもその後は如何するのですか?」
「え? その後って?」
「ユーロシティを出た後ですよ」
「・・・・・あー、 なるほどね、 そう言う事」
得心した様なポリニャック。
「まぁ仕方ないな、 我が領は何方かと言えば田舎だ
君が知らないのも無理はない」
ベルモンド伯爵も軽く溜息を吐いた。
「え、 そのユーロシティと言うのは有名な街なんですか?」
「マルガレーテ」
ぽん、 とフェザーがマルガレーテの肩を叩く。
「ユーロシティは街じゃない」
「え?」
ベルモンドのブリュッセルハウス。
舞踏会の疲れも取れぬままブリュッセルハウス内の者達が全員呼び出される。
そこにはベネルクス王国役人も一緒である。
「あなた、 何か有ったのですか?」
ポリニャックがベルモンドに尋ねる。
「・・・君の父親であるフランツ陛下が崩御※1なされた」
※1:君主、 若しくはその妃の死亡を表す最高敬語。
「そうですかお父様が・・・」
俯くポリニャック。
「ベルモンド伯爵夫人、 お辛いでしょうが国葬の準備の為に
ドイツのユーロシティでオーストリア帝国へ移動して頂きます
これは国事の為、 ブリュッセルからの移動は認められます」
役人が言った。
「そうなるでしょうね・・・葬儀の日取りは如何なっていますか?」
「まずは皇族との対面式を終えた後に葬儀と言う手筈になっています
直ぐにでも出立して貰いたいのですが準備が有ると思いますので御待ちします」
「そうね、 待っていてください」
「はい、 では邸の外でお待ちしております」
役人は頭を下げて邸の外に出た。
「お母様・・・」
「大丈夫よ、 サン、 もうお父様が長くない事は知っていたわ
それにお会いした回数も数える程度だし・・・それよりもサン
急だけども貴女もオーストリア帝国に来て貰うわよ」
「え、 私もですか?」
「一応オーストリア帝国皇族の葬儀のしきたりとして
皇帝の子とその子、 つまり私と貴女は国葬前に対面しなければならない
勿論理由が有れば欠席しても良いけども特に断る理由も無いでしょう?」
「わ、 わかりました、 父上は?」
「子の配偶者、 つまり私は国葬までに行けば良い」
ベルモンドが説明する。
「一緒に行けば良いのに・・・」
「いやいや、 皇帝の子の配偶者となると貴族以上は確実
多忙だろうから配慮だろう、 それよりも護衛は如何なる?
此方で付けておくか?」
「そうですね・・・一応付けておいた方が良いでしょう
オーストリア付近は少し荒れていますし」
読者諸賢に説明をしなければならないのでここで説明をしておこう。
ベネルクス王国とオーストリア帝国はドイツ帝国を挟んだ隣国である。
その隣国には嘗てフランク王国と呼ばれたヘルヴェティア共和国が存在し
二つの国の間に小さくリヒテンシュタイン公国が存在する。
皆さんもご存じの通りフランク王国の女王カロリングは
フランク王国の革命を察知して親戚達と共に王族を降りて
退職金を貰って革命勢力にさっさと国を明け渡した。
この事からほぼ被害が無く退職金は払った物の
カロリックが徹底抗戦するよりは国庫を使わずに済んだ。
王政から共和制に移行したフランク王国改めヘルヴェティア共和国だが
革命勢力は理想に燃え社会を良くしようと立ち上がった集団だが
いかんせん政治の経験の無い者達ばかりで占められ
更に国内貴族を弾圧、 貴族達は無論抵抗し決闘を申し込むも
共和国政府は拒絶、 決闘法の縛りから抜け出す為に共和国はヨーロッパ連合から脱退。
泥沼の内戦の末に共和国政府が勝利するも国内が荒れに荒れた。
共和国政府の貴族達の残党に頭を悩ませ、 更に国家の荒廃と共に
盗賊に堕ちる国民が増加、 共和国はヨーロッパ連合に助けを求めるも
ヨーロッパ連合に所属し運営資金を出している他の国家に申し訳が立たないと
援助を拒絶、 今やヘルヴェティア共和国は無法地帯と化し
周辺国の治安悪化の要因になっている。
更に悪い事にヘルヴェティア共和国はドラゴヴァニアとも隣国である為
ヘルヴェティア共和国はドラゴヴァニアに攻め込まれても文句が言えない立場になっている。
「じゃあフェザー君とマルガレーテ、 付いて来て貰えるかしら?」
「はい、 分かりました」
「わ、 私ですか?」
マルガレーテが目を丸くする。
「男だけじゃあ問題が有るかもしれないでしょう? 行きたくないの?」
「い、 いえ、 自分を卑下するようですがレイクの方が適任かと」
「それは駄目なのよ」
「何故?」
「オーストリア帝国周辺は反ドラゴニュート感情が強いのよ
過去に国際問題が有ったし」
「まぁ、 妥当な判断よね・・・」
レイクは溜息を吐いた。
「まぁ行って帰って来るだけだから念の為として、 ね
ユーロシティには警備の人も居るし、 問題は無いわ」
「そうね、 フェザーも居るし」
「・・・?」
首を傾げるマルガレーテ。
「ドイツのユーロシティを経由してオーストリアに向かうのですよね?
ユーロシティに警備が居てもその後は如何するのですか?」
「え? その後って?」
「ユーロシティを出た後ですよ」
「・・・・・あー、 なるほどね、 そう言う事」
得心した様なポリニャック。
「まぁ仕方ないな、 我が領は何方かと言えば田舎だ
君が知らないのも無理はない」
ベルモンド伯爵も軽く溜息を吐いた。
「え、 そのユーロシティと言うのは有名な街なんですか?」
「マルガレーテ」
ぽん、 とフェザーがマルガレーテの肩を叩く。
「ユーロシティは街じゃない」
「え?」
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