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チャプター4:ホエア・イズ・コープ
ゴー・トゥー・ナイトワークステーション
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N5の教会。
ダイモスが窓から走り去るテラーを眺めていた。
「あの爺さん・・・刀をすられた事に漸く気が付いたのか・・・」
「相変わらずボケてんなぁ」
オガがもぐもぐとリンゴを食べながらダイモスに話しかける。
「だなぁ・・・それよりもオガ、 お前生きていたのか?」
「あぁ、 この街から出てセルデン侯爵領直轄の街に逃げたんだよ」
「如何やって?」
「あの爺さんの刀をパクッて売り払ったら結構な金になったからな何とかなった」
「刀パクった?・・・・・あの爺さん、 刀持ってなかったか?」
「あぁ、 安い刀を何とか仕入れて見た目だけ似せてすりかえておいたのさ!!※1」
※1:何ィ!?
「そうか・・・じゃあ何で戻って来た?」
「この街には碌な働き口が無い
そしてボスん所は人手が足りない、 じゃあこの街に来たら良いんじゃねぇの?
って勧めた」
「割とドライな理由だな」
「こんな街、 仕事じゃなきゃこねーよ」
「俺だったら仕事でも来たくねーわ」
どっ、 と笑う二人。
「この教会がまだ有って助かったよ
あのイカレ神父、 まだ無事だったんだな」
「あの人はネジがどっか飛んでるからなぁ・・・
まぁだからこそ助かっている部分はあるが・・・
お前の仕事仲間も大概イカレてると思うぞ?
『防御無くせば攻撃力2倍』とか」
「大真面目にセルデン軍略なんたらとか本も出ている」
「頭やられてるのか」
「かもなぁ・・・まぁヴァカな事は言っているが
シンプルだから誰でも使える戦術だ、 それだけは評価できる」
「出来るのかなぁ・・・まぁ食料を持って来てくれたのは助かるよ」
「だろぉ? デンエンさんはそういう気遣いが出来る人間だよ」
「すげぇ良い人だな、 別に喰ったから即採用とかじゃねぇんだろ?」
「あぁデンエンさんはスポンサーと言うか取引先ってだけで
俺達の会社とは別口よ」
「良い人だなぁ・・・」
しみじみと思うダイモス。
「いや、 この街自体が可笑しいんだ、 搾取し過ぎる※2」
※2:この世界では月が無い地球の自転が急速に早まり
そのお陰で常に暴風が吹き荒れている。
滅茶苦茶な環境故に人類の進歩には互いの協調が重要なのである
その為、 N5の様な住民から搾取するという体制は
短期的には儲かるが長期的な発展は不可能である。
他の真っ当な街ではここまでのやらかしは無かった。
「そんなもんかねぇ・・・」
「あぁ・・・この街を出て人とはこんなに優しい生き物だったのかと思ったよ」
「そうか・・・」
「ふぁあ・・・」
オガが欠伸をした。
「俺も寝るわ・・・」
「あぁ・・・あ、 そうだ、 アンタの会社の連中はもう寝たのか?」
「ん? 寝たけど?」
「石作りの床の上で眠れるのか? 結構裕福そうな印象だが・・・」
「そんな事気にする神経は持ち合わせてねーよ、 じゃあ寝るわ・・・」
「おう」
再誕歴7701年ジュニアリー14日。
「さてと、 じゃあアレだ、 アレを始めるぞ!!」
一晩明けた教会にて食事を摂った後にマスク・ザ・コオニが宣言した。
「アレって?」
「アレだよ、 アレ、 ほら色々並んでやる・・・アレだよ」
「あぁ、 集団面接ですね」
「そうだ」
「待て」
デンエンがぴしゃりと止める。
「・・・いやいやいや、 面接しないと駄目でしょ」
「そうじゃない、 面接よりも先にエントリーシートだろう」
「えんとりーしーと? どうせ全員採用ですから面接だけで良いかと」
「全員採用? じゃあこの教会に居る連中全員採用してくれるのか?」
ダイモスが尋ねる。
「良いぜ!! 但し研修期間中は給料出ないし完全歩合制だから
仕事しないと給料出ないぞ!!」
「給料無しで如何やって生活しろと?」
「福利厚生で寝る場所と食べ物は保障するぜ!! 副業も可!!
交通費は出ないけどな!!」
「副業可ねぇ・・・」
「社長である俺の給料がほぼゼロだからな!!
仕事しても何故か知らんが消滅する!!」
「呪いか何か?」
「多分仕事終わりに宴会やるからだろ」
オガが冷静にツッコむ。
「酒が飲めない人生なんて人生じゃない!!
まぁ兎も角だ、 即戦力になるのはアンタと・・・あれ? カップルが居た筈だが・・・」
きょろきょろと周囲を見るマスク・ザ・コオニ。
「カボチャとヨランダのヴァカ二人なら昨日出てったよ」
「何で?」
「ヴァカのやる事は分からん、 兎も角即戦力が欲しいなら
この街の愚連隊の勝彼と於駄義城の
二つの愚連隊にコンタクトを取るのは如何だろう?」
「ならコンタクトを取るべきだよなぁ!! 直ぐに向かおう!!」
「もう来ているぞ」
ふっ、 と現れたコートを身に纏ったインテリ風のサングラスをかけた男が現れた。
彼は於駄義城のリーダー、 ソンタク!!
そして護衛が数名居た。
「誰だお前!!」
「於駄義城のリーダー、 ソンタクだ」
「小鬼の一撃代表のマスク・ザ・コオニだ」
「どうも、 今回は偉い事をしてくれたな」
「照れますな」
「いや褒めてない」
「えらいねぇって褒めたんじゃないのか?」
「嫌味だよ察せ、 兎も角だ、 騎士団に侘びを入れなきゃならん」
「何で?」
「騎士団二人をぶち殺したからだ、 報復が来るぞ」
「なるほど、 全て理解しました」
ナインティナインが眼鏡をくいっ、 と上げる。
「どういう事だナイン?」
「報復が来ると言うのならば報復される前に叩きに行け、 そう言う事ですな?」
「違う、 侘びを入れて謝って報復の矛を納めさせなければならないという訳だ」
「・・・・・・・・・・・おい、 オガ、 こいつは何を言ってるんだ?」
困惑した眼でオガを見るマスク・ザ・コオニ。
「和睦を目指せと言う事だと思うッス
於駄義城は穏健派のグループッス」
「つまり?」
「人を死なせたくねぇ、 ここは抑えて欲しいと言っている」
ソンタクが言葉を紡ぐ。
「・・・・・・・・・・・どうやらお前は頭がとてつもなく悪い様だな」
「何だと? 人が死んでも良いというのか?」
「だからこそさっさと騎士団を潰しに行った方が良いだろうが
侘びを入れた相手が約定を破って襲ってくるかもしれないだろうが
死んだ奴は死んでるから襲って来ない、 当たり前の事だと思うがどうなんだ?」
「俺達は戦いたくないと言っている!! 俺達を巻き込むな!!」
「じゃあ俺達が騎士団を潰すわ」
事も無げに言うマスク・ザ・コオニ。
「いや、 いやいやいやいや、 可笑しい
何で余所者のアンタ等が全く関係無い街の揉め事に首を突っ込む?」
「採用活動の為だな
俺達の目的はこの街の猛者を我が社に採用する事だ
騎士団が邪魔なら潰してからゆっっっっっっくりと採用活動をするさ
それに箔も付くだろう」
「いや、 いやいやいやいや、 可笑しい
相手は騎士団だぞ? 武装集団だぞ?
アンタ等の様な棍棒振り回す連中が勝てるとは思えない」
「・・・・・・・・・・・はぁ」
マスク・ザ・コオニは溜息を吐いた。
「馬鹿と話すのは疲れる、 お前は適当にグダグダ言ってろ
お前達、 行くぞ」
ぞろぞろと歩き始める小鬼の一撃の一同。
「お、 おい・・・」
ソンタクは止めようとする。
しかし彼等は無視した。
「ど、 どうしますリーダー?」
ソンタクの護衛が尋ねる。
「・・・ほっとけ!! どうせ騎士団に返り討ちにされるだけだ!!」
「それはどうかな」
残ったデンエンが呟く。
「元騎士の私からすればここの騎士団のレベルは野盗以下
押し込み強盗にすら負けるレベル、 そんな弱卒の集団にあいつ等が負けるとは思えない」
「ハンッ!! 連中にはスゲー強い奴が居るんだ!!
ベネルクス二刀流の達人のテラーとか!!」
「その爺さん、 昨日刀すられてたぞ」
「・・・・・い、 いや他にも強い連中が」
「アンタが戦いたくないのは良いが戦いに行く奴等の事をグダグダ文句言うなよ」
「っ!!」
ソンタク達は怒って帰ってしまった。
ダイモスが窓から走り去るテラーを眺めていた。
「あの爺さん・・・刀をすられた事に漸く気が付いたのか・・・」
「相変わらずボケてんなぁ」
オガがもぐもぐとリンゴを食べながらダイモスに話しかける。
「だなぁ・・・それよりもオガ、 お前生きていたのか?」
「あぁ、 この街から出てセルデン侯爵領直轄の街に逃げたんだよ」
「如何やって?」
「あの爺さんの刀をパクッて売り払ったら結構な金になったからな何とかなった」
「刀パクった?・・・・・あの爺さん、 刀持ってなかったか?」
「あぁ、 安い刀を何とか仕入れて見た目だけ似せてすりかえておいたのさ!!※1」
※1:何ィ!?
「そうか・・・じゃあ何で戻って来た?」
「この街には碌な働き口が無い
そしてボスん所は人手が足りない、 じゃあこの街に来たら良いんじゃねぇの?
って勧めた」
「割とドライな理由だな」
「こんな街、 仕事じゃなきゃこねーよ」
「俺だったら仕事でも来たくねーわ」
どっ、 と笑う二人。
「この教会がまだ有って助かったよ
あのイカレ神父、 まだ無事だったんだな」
「あの人はネジがどっか飛んでるからなぁ・・・
まぁだからこそ助かっている部分はあるが・・・
お前の仕事仲間も大概イカレてると思うぞ?
『防御無くせば攻撃力2倍』とか」
「大真面目にセルデン軍略なんたらとか本も出ている」
「頭やられてるのか」
「かもなぁ・・・まぁヴァカな事は言っているが
シンプルだから誰でも使える戦術だ、 それだけは評価できる」
「出来るのかなぁ・・・まぁ食料を持って来てくれたのは助かるよ」
「だろぉ? デンエンさんはそういう気遣いが出来る人間だよ」
「すげぇ良い人だな、 別に喰ったから即採用とかじゃねぇんだろ?」
「あぁデンエンさんはスポンサーと言うか取引先ってだけで
俺達の会社とは別口よ」
「良い人だなぁ・・・」
しみじみと思うダイモス。
「いや、 この街自体が可笑しいんだ、 搾取し過ぎる※2」
※2:この世界では月が無い地球の自転が急速に早まり
そのお陰で常に暴風が吹き荒れている。
滅茶苦茶な環境故に人類の進歩には互いの協調が重要なのである
その為、 N5の様な住民から搾取するという体制は
短期的には儲かるが長期的な発展は不可能である。
他の真っ当な街ではここまでのやらかしは無かった。
「そんなもんかねぇ・・・」
「あぁ・・・この街を出て人とはこんなに優しい生き物だったのかと思ったよ」
「そうか・・・」
「ふぁあ・・・」
オガが欠伸をした。
「俺も寝るわ・・・」
「あぁ・・・あ、 そうだ、 アンタの会社の連中はもう寝たのか?」
「ん? 寝たけど?」
「石作りの床の上で眠れるのか? 結構裕福そうな印象だが・・・」
「そんな事気にする神経は持ち合わせてねーよ、 じゃあ寝るわ・・・」
「おう」
再誕歴7701年ジュニアリー14日。
「さてと、 じゃあアレだ、 アレを始めるぞ!!」
一晩明けた教会にて食事を摂った後にマスク・ザ・コオニが宣言した。
「アレって?」
「アレだよ、 アレ、 ほら色々並んでやる・・・アレだよ」
「あぁ、 集団面接ですね」
「そうだ」
「待て」
デンエンがぴしゃりと止める。
「・・・いやいやいや、 面接しないと駄目でしょ」
「そうじゃない、 面接よりも先にエントリーシートだろう」
「えんとりーしーと? どうせ全員採用ですから面接だけで良いかと」
「全員採用? じゃあこの教会に居る連中全員採用してくれるのか?」
ダイモスが尋ねる。
「良いぜ!! 但し研修期間中は給料出ないし完全歩合制だから
仕事しないと給料出ないぞ!!」
「給料無しで如何やって生活しろと?」
「福利厚生で寝る場所と食べ物は保障するぜ!! 副業も可!!
交通費は出ないけどな!!」
「副業可ねぇ・・・」
「社長である俺の給料がほぼゼロだからな!!
仕事しても何故か知らんが消滅する!!」
「呪いか何か?」
「多分仕事終わりに宴会やるからだろ」
オガが冷静にツッコむ。
「酒が飲めない人生なんて人生じゃない!!
まぁ兎も角だ、 即戦力になるのはアンタと・・・あれ? カップルが居た筈だが・・・」
きょろきょろと周囲を見るマスク・ザ・コオニ。
「カボチャとヨランダのヴァカ二人なら昨日出てったよ」
「何で?」
「ヴァカのやる事は分からん、 兎も角即戦力が欲しいなら
この街の愚連隊の勝彼と於駄義城の
二つの愚連隊にコンタクトを取るのは如何だろう?」
「ならコンタクトを取るべきだよなぁ!! 直ぐに向かおう!!」
「もう来ているぞ」
ふっ、 と現れたコートを身に纏ったインテリ風のサングラスをかけた男が現れた。
彼は於駄義城のリーダー、 ソンタク!!
そして護衛が数名居た。
「誰だお前!!」
「於駄義城のリーダー、 ソンタクだ」
「小鬼の一撃代表のマスク・ザ・コオニだ」
「どうも、 今回は偉い事をしてくれたな」
「照れますな」
「いや褒めてない」
「えらいねぇって褒めたんじゃないのか?」
「嫌味だよ察せ、 兎も角だ、 騎士団に侘びを入れなきゃならん」
「何で?」
「騎士団二人をぶち殺したからだ、 報復が来るぞ」
「なるほど、 全て理解しました」
ナインティナインが眼鏡をくいっ、 と上げる。
「どういう事だナイン?」
「報復が来ると言うのならば報復される前に叩きに行け、 そう言う事ですな?」
「違う、 侘びを入れて謝って報復の矛を納めさせなければならないという訳だ」
「・・・・・・・・・・・おい、 オガ、 こいつは何を言ってるんだ?」
困惑した眼でオガを見るマスク・ザ・コオニ。
「和睦を目指せと言う事だと思うッス
於駄義城は穏健派のグループッス」
「つまり?」
「人を死なせたくねぇ、 ここは抑えて欲しいと言っている」
ソンタクが言葉を紡ぐ。
「・・・・・・・・・・・どうやらお前は頭がとてつもなく悪い様だな」
「何だと? 人が死んでも良いというのか?」
「だからこそさっさと騎士団を潰しに行った方が良いだろうが
侘びを入れた相手が約定を破って襲ってくるかもしれないだろうが
死んだ奴は死んでるから襲って来ない、 当たり前の事だと思うがどうなんだ?」
「俺達は戦いたくないと言っている!! 俺達を巻き込むな!!」
「じゃあ俺達が騎士団を潰すわ」
事も無げに言うマスク・ザ・コオニ。
「いや、 いやいやいやいや、 可笑しい
何で余所者のアンタ等が全く関係無い街の揉め事に首を突っ込む?」
「採用活動の為だな
俺達の目的はこの街の猛者を我が社に採用する事だ
騎士団が邪魔なら潰してからゆっっっっっっくりと採用活動をするさ
それに箔も付くだろう」
「いや、 いやいやいやいや、 可笑しい
相手は騎士団だぞ? 武装集団だぞ?
アンタ等の様な棍棒振り回す連中が勝てるとは思えない」
「・・・・・・・・・・・はぁ」
マスク・ザ・コオニは溜息を吐いた。
「馬鹿と話すのは疲れる、 お前は適当にグダグダ言ってろ
お前達、 行くぞ」
ぞろぞろと歩き始める小鬼の一撃の一同。
「お、 おい・・・」
ソンタクは止めようとする。
しかし彼等は無視した。
「ど、 どうしますリーダー?」
ソンタクの護衛が尋ねる。
「・・・ほっとけ!! どうせ騎士団に返り討ちにされるだけだ!!」
「それはどうかな」
残ったデンエンが呟く。
「元騎士の私からすればここの騎士団のレベルは野盗以下
押し込み強盗にすら負けるレベル、 そんな弱卒の集団にあいつ等が負けるとは思えない」
「ハンッ!! 連中にはスゲー強い奴が居るんだ!!
ベネルクス二刀流の達人のテラーとか!!」
「その爺さん、 昨日刀すられてたぞ」
「・・・・・い、 いや他にも強い連中が」
「アンタが戦いたくないのは良いが戦いに行く奴等の事をグダグダ文句言うなよ」
「っ!!」
ソンタク達は怒って帰ってしまった。
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