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チャプター4:ホエア・イズ・コープ
コブリン・スマッシュ
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再誕歴7701年ジュニアリー4日。
セルデン侯爵邸にてデンエンが年始の挨拶にやって来た。
「どうも侯爵閣下!! 新年あけましておめでとうございます!!」
「丁度良い所に来たな、 今からお前の所に向かうつもりだった」
邸に入る前に玄関先で挨拶を交わすセルデンとデンエン。
ジョンとジャン、 グレゴリオとフランクも居る。
「それはそれは態々御年始の挨拶、 痛み入ります」
「年始の挨拶では無い」
「は?」
「先日のフランクとフェザーの決闘だがフランクが負けたのは足場が悪かったからだ
と本人が言っている」
「は!?」
「えぇ、 コロシアムの舞台上の足場が悪く機動力が削がれました
全部が全部が私のせいとは言いませんが7:3で貴方の整備不足で負けたと思ってます
当然7が貴方です」
「ちょ、 ちょっと!? どういう事ですか!?」
「黙れデンエン」
ジョンがデンエンの言葉を制する。
「整備をきちんとしてなかったお前が悪い」
「そんな無茶苦茶な・・・」
「先の決闘ではフェザーと決闘する為の条件として勝者に5万ユーロを渡す事になっている
先の通り7:3で貴方が悪いので5万の7割の35000ユーロを払って貰います」
「ちょ、 ちょっと待って下さいジャン様!!
先日はチケットの売り上げとかサクラ代で出費が嵩んでげほァ!?」
ジョンがデンエンを蹴り飛ばし踏みつける。
「黙れや、 お前がピンハネしまくるからこんな事になってるんだろうが」
「す、 すみません・・・」
「あとそれからコロシアムだがさっさと廃業しろ」
「は、 はぁ!? い、 一体如何言う」
「・・・・・」
苦々しそうに足を退けるジョン。
「説明するとだね、 今度市街地を拡張して新しいコロシアムを作ろうと思う」
「あ、 新しいコロシアムぅ!?」
ジャンの言葉に驚愕するデンエン。
「前々から新コロシアムを作ろうと言う話はジャンがしていたのだが
今回の件で決心がついた」
「じゃ、 じゃあ私はどうなるんですか!?」
セルデン侯爵に縋りつくデンエン。
「知るか、 サホロにはとっくに見捨てられているのだろう
もう既にコロシアムは終わっている、 隠居しろ」
「そ、 そんな・・・・・いや、 まだ・・・
まだだ!! サホロ・ファイターズが無くなっても
まだこの街には決闘代行業は居る!!」
立ち上がるデンエン。
「だがしかしサホロ・ファイターズ程の勢力がある連中は居ないだろう」
「いや!! やる気のある奴等が居ます!! 連中に賭ける!!」
「やる気のある奴等?」
「 小鬼の一撃です!!
アイツらは前々からコロシアムでの決闘に興味がありました!!」
「あいつ等か、 ならば手向けとして激励をしておこう」
セルデンはサラサラと公用便箋※1 に『頑張れ』と署名と一筆入れる。
※1:ベネルクス王国貴族当主にのみ発行される公式な便箋。
この便箋に当主が書くと言う事は紛れも無い真実とベネルクス政府が保証する。
だが30枚セットで500ユーロと凄い高いので極めて緊急性と非常性が高い時以外には使われない
因みにセルデン侯爵は公用便箋を親である先代当主から買って貰ったはいい物の
重大事には伝令を使ったり自分で向かう事が多い為、 全く使っていない。
30枚セットの3枚目の使用である。
「ありがとうございます!! では失礼!!」
ダッシュで駆けるデンエン。
「アイツもナンギだネ、 カネモチになり続けるのもタイヘンだ」
グレゴリオが呟く。
「寧ろ、 現役時代よりも焦っているだろうな
現役のアイツは貧乏でも若かったがここでヘマしたら
年金で最低限の生活は出来るだろうが
高みを味わった分、 惨めさは酷い上に年老いている
やはり戦場で死んだ方が良いだろうか・・・終活考えようか」
「いやいや!! もっと長生きしてくれないと困りますよ父上!!
それよりも小鬼の一撃って何です?」
「ジョン、 説明してやれ」
「・・・・・侯爵領騎士団団員の落ちこぼれとか脛に傷ある奴とか
集まっている決闘代行業だ、 従業員数10人
サホロの所とは格落ちするが、 まぁまぁやるだろうが
コロシアムで決闘出来るとは思えない」
「何故です?」
「アイツ等はヴァカで貧乏な連中だから剣がまともに使えないし
良い武器を揃えられないから所属決闘者全員が棍棒しか使わん」
「蛮族ですね」
「そうだな、 まぁ義理堅い連中だ、 歳暮※2も送って来る」
※2:冬の終わりに贈り物を送る事。
元々は日本の行事だったが如何言う訳だがヨーロッパにも伝来した。
「そうですか、 まぁアイツが如何なろうが新しいコロシアム作ってしまえば奴も終わりですよ」
「だな・・・・・」
小鬼の一撃の事務所が有るビルの一室にやって来たデンエン。
「と言う訳でサホロが撤退したのでコロシアムで決闘をやって貰えないだろうか」
「デンエンさん、 それはキツイっすわ」
小鬼の一撃代表のマスク・ザ・コオニが
自慢のオニ・ザ・マスク※3 のツノ・ザ・マスク※4 を撫でながら答える。
※3:左右に角が生えたマスク。
※4:角
「前々からコロシアムで決闘したかったッスけども
サホロん所のバーター※5 を考えてましたから、 俺達だけじゃあ人手不足ッスよ」
※5:役者の抱き合わせ、 『束』にして売り出すの束を逆さ読みしたと言う説が支配的。
「他の決闘代行業にも声をかけます?」
「いや、 手続きが煩雑になって手数料もかかる
もっと人を雇えないか?」
「それならナイスな話がありますよ、 おーい新入り―」
「へい」
上半身裸のチョコレート色の良く焼けた肌の男がやって来た。
「こいつはウチの新入りのオガっす
コイツはネルネルネルネルネって言う街から逃げて来た奴なんですが
スゲェ強いです」
「ねる・・・何?」
「マーナガルム男爵の治める治安の悪い街っす」
「マーナガルム男爵? 知らんなぁ・・・で?」
「ネルネルネルネルネでは明日の飯にも困る連中が多いんで
そいつ等を雇うって言うのは如何でしょう」
「なるほど、 それは名案だな、 では早速スカウトに向かおう」
「ちょっと待った、 住んでいる奴等は警戒心が強いから
土産とかも買っておいた方が良い、 食べ物とか
それから治安悪いから全員で行った方が良い」
「出費が嵩む・・・えぇい!! 乗り掛かった舟だ!! 金は全部任せろ!!」
「よっ!! 太っ腹!!」
画してデンエンと小鬼の一撃はN5に向かうのだった。
セルデン侯爵邸にてデンエンが年始の挨拶にやって来た。
「どうも侯爵閣下!! 新年あけましておめでとうございます!!」
「丁度良い所に来たな、 今からお前の所に向かうつもりだった」
邸に入る前に玄関先で挨拶を交わすセルデンとデンエン。
ジョンとジャン、 グレゴリオとフランクも居る。
「それはそれは態々御年始の挨拶、 痛み入ります」
「年始の挨拶では無い」
「は?」
「先日のフランクとフェザーの決闘だがフランクが負けたのは足場が悪かったからだ
と本人が言っている」
「は!?」
「えぇ、 コロシアムの舞台上の足場が悪く機動力が削がれました
全部が全部が私のせいとは言いませんが7:3で貴方の整備不足で負けたと思ってます
当然7が貴方です」
「ちょ、 ちょっと!? どういう事ですか!?」
「黙れデンエン」
ジョンがデンエンの言葉を制する。
「整備をきちんとしてなかったお前が悪い」
「そんな無茶苦茶な・・・」
「先の決闘ではフェザーと決闘する為の条件として勝者に5万ユーロを渡す事になっている
先の通り7:3で貴方が悪いので5万の7割の35000ユーロを払って貰います」
「ちょ、 ちょっと待って下さいジャン様!!
先日はチケットの売り上げとかサクラ代で出費が嵩んでげほァ!?」
ジョンがデンエンを蹴り飛ばし踏みつける。
「黙れや、 お前がピンハネしまくるからこんな事になってるんだろうが」
「す、 すみません・・・」
「あとそれからコロシアムだがさっさと廃業しろ」
「は、 はぁ!? い、 一体如何言う」
「・・・・・」
苦々しそうに足を退けるジョン。
「説明するとだね、 今度市街地を拡張して新しいコロシアムを作ろうと思う」
「あ、 新しいコロシアムぅ!?」
ジャンの言葉に驚愕するデンエン。
「前々から新コロシアムを作ろうと言う話はジャンがしていたのだが
今回の件で決心がついた」
「じゃ、 じゃあ私はどうなるんですか!?」
セルデン侯爵に縋りつくデンエン。
「知るか、 サホロにはとっくに見捨てられているのだろう
もう既にコロシアムは終わっている、 隠居しろ」
「そ、 そんな・・・・・いや、 まだ・・・
まだだ!! サホロ・ファイターズが無くなっても
まだこの街には決闘代行業は居る!!」
立ち上がるデンエン。
「だがしかしサホロ・ファイターズ程の勢力がある連中は居ないだろう」
「いや!! やる気のある奴等が居ます!! 連中に賭ける!!」
「やる気のある奴等?」
「 小鬼の一撃です!!
アイツらは前々からコロシアムでの決闘に興味がありました!!」
「あいつ等か、 ならば手向けとして激励をしておこう」
セルデンはサラサラと公用便箋※1 に『頑張れ』と署名と一筆入れる。
※1:ベネルクス王国貴族当主にのみ発行される公式な便箋。
この便箋に当主が書くと言う事は紛れも無い真実とベネルクス政府が保証する。
だが30枚セットで500ユーロと凄い高いので極めて緊急性と非常性が高い時以外には使われない
因みにセルデン侯爵は公用便箋を親である先代当主から買って貰ったはいい物の
重大事には伝令を使ったり自分で向かう事が多い為、 全く使っていない。
30枚セットの3枚目の使用である。
「ありがとうございます!! では失礼!!」
ダッシュで駆けるデンエン。
「アイツもナンギだネ、 カネモチになり続けるのもタイヘンだ」
グレゴリオが呟く。
「寧ろ、 現役時代よりも焦っているだろうな
現役のアイツは貧乏でも若かったがここでヘマしたら
年金で最低限の生活は出来るだろうが
高みを味わった分、 惨めさは酷い上に年老いている
やはり戦場で死んだ方が良いだろうか・・・終活考えようか」
「いやいや!! もっと長生きしてくれないと困りますよ父上!!
それよりも小鬼の一撃って何です?」
「ジョン、 説明してやれ」
「・・・・・侯爵領騎士団団員の落ちこぼれとか脛に傷ある奴とか
集まっている決闘代行業だ、 従業員数10人
サホロの所とは格落ちするが、 まぁまぁやるだろうが
コロシアムで決闘出来るとは思えない」
「何故です?」
「アイツ等はヴァカで貧乏な連中だから剣がまともに使えないし
良い武器を揃えられないから所属決闘者全員が棍棒しか使わん」
「蛮族ですね」
「そうだな、 まぁ義理堅い連中だ、 歳暮※2も送って来る」
※2:冬の終わりに贈り物を送る事。
元々は日本の行事だったが如何言う訳だがヨーロッパにも伝来した。
「そうですか、 まぁアイツが如何なろうが新しいコロシアム作ってしまえば奴も終わりですよ」
「だな・・・・・」
小鬼の一撃の事務所が有るビルの一室にやって来たデンエン。
「と言う訳でサホロが撤退したのでコロシアムで決闘をやって貰えないだろうか」
「デンエンさん、 それはキツイっすわ」
小鬼の一撃代表のマスク・ザ・コオニが
自慢のオニ・ザ・マスク※3 のツノ・ザ・マスク※4 を撫でながら答える。
※3:左右に角が生えたマスク。
※4:角
「前々からコロシアムで決闘したかったッスけども
サホロん所のバーター※5 を考えてましたから、 俺達だけじゃあ人手不足ッスよ」
※5:役者の抱き合わせ、 『束』にして売り出すの束を逆さ読みしたと言う説が支配的。
「他の決闘代行業にも声をかけます?」
「いや、 手続きが煩雑になって手数料もかかる
もっと人を雇えないか?」
「それならナイスな話がありますよ、 おーい新入り―」
「へい」
上半身裸のチョコレート色の良く焼けた肌の男がやって来た。
「こいつはウチの新入りのオガっす
コイツはネルネルネルネルネって言う街から逃げて来た奴なんですが
スゲェ強いです」
「ねる・・・何?」
「マーナガルム男爵の治める治安の悪い街っす」
「マーナガルム男爵? 知らんなぁ・・・で?」
「ネルネルネルネルネでは明日の飯にも困る連中が多いんで
そいつ等を雇うって言うのは如何でしょう」
「なるほど、 それは名案だな、 では早速スカウトに向かおう」
「ちょっと待った、 住んでいる奴等は警戒心が強いから
土産とかも買っておいた方が良い、 食べ物とか
それから治安悪いから全員で行った方が良い」
「出費が嵩む・・・えぇい!! 乗り掛かった舟だ!! 金は全部任せろ!!」
「よっ!! 太っ腹!!」
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