Re:incarnation

Mr.後困る

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FinalChapter:THE END

第269話【Unexpected】

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ホールに殺到する魔王信奉者達と交戦する勇者一行。

「数が多過ぎる・・・!! 早く行かなければならないのに!!」

歯軋りをするカヌー。

「いや早く行く必要は」
「いや、 魔王は一回逃げている!! また逃げる可能性は高い!!」
「じゃあ如何しろと!?」
「・・・・・皆!! 聞いてくれ!!」

カヌーが叫ぶ。

「ここは我々、 栄光の冠が押し留める!!」
「なっ」
「!?」
「そんな!!」

驚愕する一同。

「コイツ等は数は多いが多数相手しても問題は無い!!
ならばここで我々が留めている内に早急に魔王を倒せ!!」
「しかし・・・」
「ならば私も残る!!」

スリムも前に出た。

「公爵閣下が居れば千人力です!! では行け!! 皆!!」
「でも!!」
「行くぞ!!」

ロダンを連れてモルガナが走り出した。
他の者達も追従していった。

「カヌー様、 ちょっと私達にも相談して下さいよぉ」

シーラインが軽口を叩く。

「いやいやシー、 これは寧ろ楽な仕事よ」

エアラインが言った。

「コイツ等は弱い、 数だけの雑魚
ほっとく魔王と側近共との戦いを邪魔されるからここで食い止める必要は有るけども
負ける心配は殆ど無い」
「と思っていたのか?」

ドクがやって来た。

「来たか裏切り者」
「ハッ、 私の明晰なる頭脳を危険視して排斥しようとした人類に仲間意識を持たれても困るな」
「お前、 戦えるのか?」
「戦える、 けども態々自分で戦うと思う?」
「何だと?」

か、 か、 か、 と独特な足音がする。

「こいつは・・・」

現れたのは肉の鎧を見に纏い、 腐臭を漂わせて鉄に体を覆われたアンデッド。

「足音は変だがシエン君か、 裏切り、 父殺しの果てにアンデッドになったか・・・」

悲しそうな顔をするスリム。

「コイツも父親と比べられてばかりの惨めな人生を送って来た奴だ
人類なんて滅べば良いと思っているだろうし
こうなっても文句は無いだろう」
「馬鹿なのは恰好だけにしろ、 公爵閣下」
「あぁ、 行くぞ!!」

スリムとカヌーはシエンに飛び掛かった。

「なっ!? あの超絶でぶな体で!? 動くのもやっとな筈!!」
「ふん、 ここまで来られたのに言う台詞じゃないな!!」

シエンは迎撃するもスリムの肉厚の身体に遮られ
押し潰されカヌーに首を刎ね飛ばされた。

「さぁ、 これから如何する? 降参するか?」
「舐めるな!! 数は未だこっちが上だ!!」
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