Re:incarnation

Mr.後困る

文字の大きさ
上 下
358 / 367
FinalChapter:THE END

第267話【blasphemy】

しおりを挟む
あの世とこの世の狭間。
魔王の居城エーリューズニル、 その眼前に現れた勇者御一行。

「ここが・・・魔王の居る世界・・・」

ごくり、 と唾を飲むロダン。

「おい、 早速出番だぞロダン」
「え?」

モルガナが指差す先はアンデッド達が立っていた。

「・・・アレは唯の骨だよ」
「何・・・?」

カリエが矢を放つとパラパラと崩れ去るアンデッド、 いや、 唯の骨。

「・・・・・確かに・・・だが一体何が・・・」

ずうん、 と唸り声を上げてエーリューズニルの周囲に魔方陣が展開される。

「な、 なんだ!?」
「!!?」

混乱する勇者達。

「・・・い、 一体何が起こっている!? 魔法使い達!!」
「任せて!!」
「あぁ!!」

フランソワ、 カシャ、 テラが分析を始める。

「これは・・・次元を移動する魔術式だな・・・」
「何!? つ、 つまりこの城ごと移動する気か!?」
「こんなバカデカい城が僕達の世界に来たら大問題だよ!!」
「じゃあさっさと攻め落とそう!!」

ぐちゃん、 と音がした。

「・・・何だ?」

エーリューズニルは普通の城の様な外観だった。
しかし突如として崩れ始めた。

「な、 何だ?」

ぐちゃ、 ぐちゃん、 ぐちゃり、 ぐちゃっぎ。
生々しい音を立てて壁が剥がれると内部から現れたのは生々しい肉感の城。
いや城と言うよりは巨大な内蔵の集まりの様な醜悪を超えた悍ましい物である。

「まさか・・・城並の大きさのアンデッド!?」
「いや、 アンデッド特有の感覚は無い!! 唯の肉の塊だ!!」

ロダン達は知る由も無いがエーリューズニルはローズが
決戦兵器として作った移動式要塞である。
アンデッドとは別の生体技術。
言うならばアンデッドが死体を操る技術ならば
生体技術は肉を操る技術、 神経を銅線に見立てた肉の機械。
アンデッド技術と比べると、 アンデッドは命令すれば程度の差は有れ
自立出来るが、 生体技術は自分で動かす必要が有る。
アンデッドがAIロボットならば生体技術は操縦が必要なロボットである。
更に巨体故にノロマ、 しかしその力は計り知れない。

「な、 ま、 まさか!!」

ずりゅん、 と生えた触手で勇者達を叩きつけようとする。

「皆散れえええええええええええええええ!!」

カヌーが叫ぶ。
そしてまるで隕石が落ちて来たかと見まごう爆音が響いた。
しおりを挟む

処理中です...