Re:incarnation

Mr.後困る

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FinalChapter:THE END

閑話【ナンテン】

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ローズは自分の邸宅に帰った。

「おじょ、 ご主人様!!」

戻るなりヤグルマが駆け寄る。
ローズは止まらずに進む。

「ヤグルマ!! ナンテンの容態は!?」

ナンテンと言うのはローズの夫の名前である。
彼はローズの2つ年下で大人しく病弱であった。

「現在、 アイビーが診ています!!
投薬や心臓マッサージをし「心停止が起こってるの!?」
「は、 はい、 発作も「くっ!!」

バンッ!! とナンテンの部屋の扉を開けるローズ。

「ナンテン!! アイビー!! ナンテンの容態は!?」
「ヤバいです!! 代わって下さい!!」
「分かった!!」

アイビーと変わり心臓マッサージや投薬を始めるローズ。

「はぁ・・・はぁ・・・」
「アイビー、 これを」

タオルを差し出すヤグルマ。

「あぁ・・・ありがとうじーさん・・・」
「お疲れ様でした・・・」
「・・・・・何でヒーラーを雇わないんだ? ヒーラーならば・・・」
「ナンテン様の病状は魔法では治りません、 今はこうするしか・・・」
「ぼさっと突っ立ってるな二人共!! 煮沸した清潔なタオルと水持ってこい!!」
「既に準備は整えてあります」

ナンテンの部屋に併設された給湯室湯を沸かして準備を整えるヤグルマ。
ナンテンの看病をしつつ処置を行い、 ナンテンの容態が安定したのは夜になっていた。
ローズは傍でずっと見守っていた。

「ご主人様・・・御疲れなら我々が見守「ほっといて」
「う、 うぅん・・・」

ナンテンが目覚めた。

「ナンテン・・・良かった・・・」

涙を流すローズ。

「ローズ・・・そうか・・・また僕は倒れて・・・ごめんね」
「良いのよ、 私達、 夫婦じゃない」
「うん・・・ありがとう・・・」

ナンテンの手を掴むローズ。

「こんなに痩せて・・・ちゃんと食べてる?」
「うん、 食べてるよ、 ヤグルマさんのお料理美味しいからね」
「喜んで貰えて何よりで旦那様」
「良かった・・・私も貴方が元気になれるようにお仕事頑張るからね」
「うん・・・何時もごめんねローズ」
「良いのよ、 貴方の為ならば私は何だって出来るんだから」
「うん・・・」

すっ、 と瞼を下ろすナンテン。

「・・・・・」

立ち上がるローズ。

「二人共、 悪いけど私は仕事場に戻るからナンテンの事を任せるわね」
「仕事ですか・・・」
「阿保らしい・・・」
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