Re:incarnation

Mr.後困る

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Chapter10:Battle of shame

閑話【驚愕の事実】

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振動していた老人の振動が徐々に大きくなっていき、 ピタと止まる。
そして上半身が起き上がる。
老人の顔が真ん丸に膨らみ白くなっていく、 そしてだらしの無い顔になる。
そしてぽてんと老人の首が落ちる。
落ちた老人の首から手足が生えて背伸びをする。
その様はまさにでぶ妖精である。
老人の頭がでぶ妖精になると残った体も大量のでぶ妖精になりばらばらと崩れて行った。

「こ、 これは・・・」
「これが真実にょ」

キングでぶ妖精は語った。

「Odevu verseとあの世は繋がっていないにょ
だからこの世界で死ぬと魂があの世に行かずにでぶ妖精になっちゃうにょ」
「・・・・・」
「なるほど・・・」
「ほう・・・」

一拍置いてから尋ねた。

「「「それで?」」」
「それでって・・・さっき言った通り魔王に敗北すればOdevu verseと
下界を行ったり来たり出来なくなる、 だから早く魔王を倒せと言うんだ」
「・・・・・死んででぶ妖精になるのが嫌だ、 と?」
「当たり前だ!! あんな日々食っちゃ寝する穀潰しに好んでなりたがる奴が居るか!?」
「それは・・・考え方の・・・違いですなぁ・・・」

アツシが呟いた。

「何だと!? どういう事だ!?」
「食っちゃ寝した・・・落ち着いた生活・・・まるで老人の生活と変わらないのでは?」
「ふざけるな!! あんた等は平民だから分からないかもしれないが貴族の生き方では無い!!
ラッパ!! お前もそう思うだろう!?」
「・・・・・いや・・・寧ろ、 最初から取り繕わず素直だったらなぁと思います」
「ら、 ラッパ?」
「素直なでぶ妖精は寧ろ幸いかもしれませんよ・・・」

でぶ妖精を拾い上げてむにむにするラッパ。

「まぁ何れにせよこれで何故魔王の討伐を早期に行うかと言う事が分かりました
この事は仲間達と共有する事にします」
「共有する事にしますって・・・お前達、 何とも思わないのか?
Odevu verseで死んだらでぶ妖精になるんだぞ!?」
「はぁ・・・とりあえず報告しておきますから、 それで他に何か有ります?」
「い、 いや・・・特に無いが・・・」 
「なら私から一つ質問が有る」

ラッパが尋ねた。

「何だ?」
「この穴の下は何だ?」
「Odevu verse 2nd horizon、 Odevu verseの一歩先に地平線にょ」
「そうか・・・」

ラッパはそれっきり黙った。
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