Re:incarnation

Mr.後困る

文字の大きさ
上 下
187 / 367
Chapter7:Martial arts competition

閑話【キスとフギット】

しおりを挟む
フギットの自宅兼工房にて
がああああああああああああああといびきを立てながら
ソファーで横になるフギット。

「フギットさーん、 御客さんですよー」

隣人がノックと共に起こしに来た。

「・・・・・客・・・誰だよ・・・」

フギットが不機嫌そうにソファから起き上がり
ドアを開けるとそこに居たのは白衣の少女キス。

「あ、 御嬢さん、 こちらがフギットさん」
「ありがとうございますー」
「じゃあ俺はこれで」

隣人が帰る。
キスが当然の様に家の中に入りソファに座る。

「お邪魔しますの一言も言えないのか貴様は」

向かい側に座るフギット。

「見た所、 貴方も私と同じ研究者の様だしね、 手間は省いて本題を話そう
私と組みませんか? フギットさん」
「唐突、 でも無いな、 確かにお互いに技術畑の育ちだ
アンタの技術力の高さは正直驚いている
人間の足だけでは無く全身を作り出して歩行させるのは
並々ならぬ努力と技術の賜物だろう」
「貴方の方こそ、 凄まじいパワーだった
私のマニュマタと貴方の魔導義肢
二つが組み合わされば凄いのが出来上がると思わない?」
「なるほど、 確かに、 そちらのカードを見せろ」
「勿論、 私の技術を存分に披露しようじゃないですか」
「そうじゃない」

キスの顔が歪む。

「どういう事?」
「マニュマタの素材に使われたミスリル合金
ミスリルの調達にはかなりの額の金が動く
そしてミスリルを合金にする加工技術
とてもアンタの様な娘が出来る代物とは思えないな
見た所、 貴族って訳でも無いだろう? 富豪の娘でも無さそうだ」
「鋭いね・・・確かに私一人ではマニュマタは作れないよ
でも技術的な物は全て私が構築した」
「なるほどな、 確かに操作をしているし、 そこは信じようか
それでミスリルの調達等は誰がやっているんだ?」
「うーん、 じゃあその人達の所に案内しても良いけどもちょっと遠いよ? 大丈夫?」
「まぁ問題無いだろう、 そいつ等の所に行こうじゃないか、 と言いたい所だが
まだ朝飯も食べてないんだ、 朝飯食ってからで良いか?」
「私ベーコンエッグね」
「何でお前も食べようとしてるんだ」
「私も朝ごはん食べてないから」
「そうだとしても朝飯を食べようとするのは流石に許容出来んわ
喫茶店でも行って来い」
「ちぇー・・・」
しおりを挟む

処理中です...