Re:incarnation

Mr.後困る

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Chapter2:Light of life

幕間【ギルドマスターと副ギルドマスター】

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ギルド本部は四つの国の国境が交わる所に存在している。
元々ギルドには本部と言う概念が無かった。
先代のギルドマスター【ビャクヤ】は人々の為に遥か太古の昔より
ギルドを切り盛りし更に積極的に前線に出ていた。
人々を守る彼女は守護神と称えられていた。
しかし魔王との戦いより敗北し戦死した。
全盛期の彼女ならば魔王を討てたと信奉する者は未だに多い。
彼女はギルドの本部を作らなかったのは特権意識をギルド内に持ち込ませないと言う
思惑も有ったのだ、 ギルドはあくまで冒険者のサポートや人々を助ける為の物
特権意識等持ってはいけない、 ビャクヤもギルドマスターとして数万年君臨したが
世界的危機に陥らない限りは国政に口出しはしなかった。
一冒険者としての立場を遵守した。

しかしビャクヤの娘、 二代目ギルドマスター【ソレイユ】は
部下達の勧めで本部を作り、 血縁や縁故による組織運営を行った結果。
ギルドの腐敗は取り返しの付かない所に行ったのだった。

「納得いかないよ!!」

ギルドマスターの間でエルフの少女が叫ぶ。
彼女が今生のギルドマスターソレイユである。
数万年生きているハイエルフだがその大半を引き籠っていた為
幼さが目立つ。

「ソレイユ、 お気持ちは分かりますが・・・」

ソレイユを諫める黒髪の執事、 彼はアキハル。
本名では無い、 ソレイユの側近は常にアキハルと呼称される。
嘗ての想い人らしいが詳しい事は分からない。

「アキハル!! だってミーンの子供だよ!! 更迭だなんて・・・」

話題になっているのはイチジクの顔の規約違反を庇って更迭にされた支部長である。

「しかし彼は規約違反をサポートした」
「だけど彼はミーンの子供だよ!? 可哀想だよ!!」

ミーンと言うのは支部長の親である。
ソレイユの中では支部長は今でも幼い子供の姿で認知されている。

「お咎め無しでは世間が納得しません」
「そんなの如何だって良いじゃない!! 私達が世界を守っているんだよ!!
何時までも勇者が魔王を倒せないから私達が世界を守ってやっているんじゃない!!」

椅子を蹴り飛ばすソレイユ。

「ひっ、 そ、 ソレイユ!! 落ち着いて下さい!!」
「こうなったら王に直談判に!!」
「お、 落ち着いて下さい!!」

アキハルがソレイユを止めようとする。

「あらソレイユ様、 如何成されましたか?」

副ギルドマスター【タソガレ】が部屋に入って来た。
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