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第十二章:ヴォルフガングの願い

救援

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倒れた者達を庇いながら円陣を組むバルド達。

「くっ・・・如何すれば・・・」
「弱音を吐くんじゃねぇ!! 弱気になっても何も良い事はねぇぞ!!」

グレンの弱音に発破をかけるゴハン。

「円陣になった事で互いに近くなった、 同士討ちに気を付けながら
自分の右隣りを守れ!!」
「おう!!」

ゾーバが激を飛ばし、 皆全力で戦った。
スシブレードが舞い踊り次々と聖霊を打ち倒して行った!!





「これは少し問題が有るかもしれないな・・・」

包囲から少し離れた所で見ていたヴォルフガングが呟く。

「何がですか?」
「聖霊があっさりとやられている
普通よりも小さいし複数を操っているから通常よりも弱いのは確かなんだが
それを加味しても減りが早過ぎる・・・予想以上だ」
「それでも一斉に全軍を進めれば勝てるだろう」

ダーク・イタマエが言った。

「それもそうだがね・・・少し気になるな・・・全軍止まれ」

聖霊達が止まった、 スシブレーダー達も動きを止めた。

「バルドよ!!」

ヴォルフガングが高らかに声を上げた。

「凄い戦いぶりだった!! 歴史に残る戦いだっただろう!!
これ以上戦うならば君を殺しかねない!! 降伏したまえ!!」

バルドが皆を見る、 傷付き、 橋は折れ、 湯呑は割れ
足は震えているが目がまだ死んでいない。

「悪いけど僕達は交渉の為の人質になる訳には行かない!! 戦おう!!」

バルドが高らかに宣言した。

「そうか、 残念だ」

聖霊達が再度身構えた、 その瞬間!!

「どけどけぇええええええええええええええええええええ!!」

ミレニアム・ファルコンが引く馬車が包囲陣を押し潰しながらバルド達の傍に近付いた!!

「「な、 なんだ!?」」

バルドもヴォルフガングも半人半馬の馬車を見て何が起こったのか理解出来なかった。

「乗れ!!」

ミレニアム・ファルコンが引く馬車からトレジャーハンターが顔を出して
バルド達に向かって叫ぶ!! そして!!

「バルド!! 無事か!?」

サイがサンダリ牢獄から抜け出したスシブレーダー達を引き連れてやって来たのだった。

「な、 なんだ!?」
「喰らええええええ!!」

一斉に射出されるスシブレードを回避するヴォルフガング。

「一体こんな数のスシブレーダー何処から・・・」
「い、 一旦退いて体勢を立て直した方が良いんじゃないんですか?」

ピースメイカーの言葉にキッ、 と睨むヴォルフガング。

「ここはまずはあの新手に対応せねば・・・フェロシティー、 行け」
「はい、 今は夜中ですので十分に戦力が発揮出来ますよ」
「ピースメイカー、 お前も行け」
「分かりましたー」
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