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第十章:大海戦

コンバート

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ジューンがアジトにしていた地下墓地には一通りの厨房が揃っており
調理は出来る様になっている、 三崎はスシブレードのチューンナップの為に
海苔巻き型と軍艦巻き型のスシブレードを使うスシブレーダー達を呼び集めた。

「何で普通のタイプのスシブレーダーは呼ばないんだ?」
「海上は水分が強過ぎる、 海苔は直ぐにふやけて駄目になってしまう
そこで今回海苔をコンバートする事にする」
「海苔をコンバートだって!?」

驚くバルド。

「僕が得たスシの知識には無い知識だ・・・」
「ふむ、 海苔巻きは兎も角、 軍艦巻き自体歴史が浅い物
知識量が異なるのは仕方の無い話だ」
「だけどよぉ、 海苔を使わないで一体どうやって海苔巻きを作るつもりだ?」
「軍艦巻きもだ、 如何やってやるつもりなんだ?」

グリードとラルフが疑問を呈する。

「軍艦巻きはキュウリを使って巻く」
「キュウリを?」

三崎はキュウリを縦にスライスして細長くして見せた。

「おぉ・・・これを巻いて軍艦巻きにするのか」
「なるほど、 これならば海苔の代わりにはなるな」
「じゃあ海苔巻きは如何するんだ? ちょっと長さが足りないだろう」
「海苔巻きは卵を薄焼きにして巻く、 もしくは巻かない」
「巻かない?」
「ゴマをまぶす等の方法がある」
「そう来たか・・・ならば僕は自分の分は自分で作るよ」

バルドが言った。

「それが良い、 自分のスシブレードは自分で作った方が馴染むからな
僕も自分用のスシブレードを作っておくよ」
「私達はスシを作れないから任せる」
「うむ俺も頼むわ」
「任せろ」

バルトと三崎がスシブレードを作り始めた。

「うん、 こんな感じかな」
「どれ・・・」

バルドが薄く焼いた卵を見る三崎。

「確かに出来ている・・・しかしちょっと焦げが
と言うより焼き目があるな」
「焼き目出たらまずいの?」
「見栄えが悪いだろう」
「見栄え・・・」
「見栄えは大切だからな
でも卵は焼き慣れているんじゃないのか? 卵巻きの卵は如何しているんだ?」
「それとはまた別なんだよ」
「ふむ・・・そっちも鍛えると良いかもしれない
卵の具材に対しての理解度が増せば強さも増すだろう」
「うん、 やってみるよ」

二人は着実にスシブレードを仕上げていっている。

「・・・俺達は居る必要有るのか?」

グリードが尋ねる。

「うん」
「何でだ? 使うのは俺達だが作るのは二人だけで充分じゃあないのか?」
「否」

グリードの手を掴む三崎。

「普段はしない事だけど、 今回は君達の手に合わせたスシブレードを握る」
「俺達に合わせたスシブレード・・・」
「そうだ、 確実なフィット感と余裕、 その両方を両立する為にもここに居て欲しい」
「なるほどな、 待つぞグリード」

ゾーバがどかっと座り込む、 それに倣って他のメンバーも座ったのだった。
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