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第十章:大海戦

サンドイッチと墓

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店主が戻って来る。

「店主、 さっきの男は?」
「ここいらを支配しているスシの暗黒卿とか言う闇のスシブレーダー
サヴァージだ、 今はダースシ・オーモリとか名乗っているが」
「・・・知り合いなのか?」
「あの男は元々ここら辺では網元の家系だ」
「網元?」

網元とは漁網や漁船を所有する経営者のこと。
つまり船や道具を漁師達に貸して漁業の利益を得ている者と言う事である。
必然的に有力者だ。

「強引な所は有ったが良い男だったよ、 でもこの村を良くする為に
闇寿司に魂を売り渡してしまった、 それからこの村には金が入って来た
街並みも立派になった、 でも争いが絶えない場所になっちまった
娘のソーンも死んじまった・・・」

店主が俯く。

「・・・・・店主」
「頼む、 あいつを倒してくれ、 この村を解放してくれ」
「・・・任せて下さい」

バルドが力強く行った。

「それじゃあ墓場にまで行くかバルド」
「待った、 こっちに来い」

更に店の奥に案内されるバルド達。
そこには秘密の抜け道が有った。

「墓場に続いている」
「ありがとう店主」
「それからこれも」

つつみを渡される。

「これは?」
「ウチの店の名物、 ニシンの薫製のサンドイッチだ
良かったら食って行ってくれ」
「何から何まですまない店主」
「いいってことよ、 さぁ行け」

店主に背中を押される形で秘密の抜け道を通り墓場へとやって来たバルド達。
墓場は草だらけでとても整備されているとは思えない。

「これは酷いな、 発展した街並みとは対照的だ・・・」
「・・・・・墓自体も酷いぞ」

墓石がある墓なら兎も角、 適当に穴を掘って埋めただけの墓も多い。

「その墓はよそもんの墓だァ」
「!?」

振り返ると腰の曲がった墓守の男が居た。

「待つだァ、 おらは敵じゃないだァ
アンタ等、 アマギゴエの抜け道通って来ただァ?
ボスに会いたいんじゃないかァ?」
「ボス・・・」
「ダークネスシ帝国に逆らう闇のスシブレーダー達のボスだァ」
「・・・・・会えるのか?」
「こっちだァ」

墓守の男が建物の中に誘う。
如何やら地下に続いている様だ。

「カタコンベって奴か」

三崎が呟く。

「かた・・・何?」
「地下墓地さ」
「あんちゃん良く知ってるだァ、 カタ何とかじゃないが
ここは地下墓地だァ」
「何で地下に墓地を?」
「今よりずっと前、 墓石を買う金も無い時に
皆で骨をこの地下墓地に置いただァ」
「何とも悪趣味だな・・・」
「価値観の違いって奴だァ、 文句言うなだァ」

墓守がランタンに火を点けて先に進む。

「ボスは一番奥だァ、 付いて来るだァ」
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