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第十章:大海戦

鼻っ柱を折る

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村に降り立ったスシブレーダー部隊一行。
まずは大人数で怪しまれない様に分かれる事になった。

バルド、 ラルフ、 グレン、 エミリー
ゴハン、 ハウ、 ナル
ウェッジ、 シャル、 ケイ
グリード、 ゾーバ、 マドカの四チームに別れる事になった。

「では後程、 また」
「おう」

それぞれ四組は散会した。



バルド達はまずは村の様子を探った。
村と言っても街並みはきちんとしており、 街と言ってもいいかもしれない。
しかし・・・

「これは酷いな・・・」

そこら中に怪我をして立ち上がれない兵隊やスシブレーダー、 漁師が道に座り。

【自分は長年○○として働いていました、 お恵みを】
と書かれた札を首からぶら下げていた。

「これは・・・」
「もう耐えられねぇ!!」
「!?」

建物の一つからガタイの良い男が出て来る。

「おい!! 考え直せ!!」
「ふざけんじゃねぇ!! 戦の関わらない所だって聞いていたが
毎日変な生き物や訳分からん物に関わる海なんてもう沢山だ!!」
「現場監督に聞かれたら事だぞ!!」
「都合良く出て来る訳が」
「きちゃった」

鼻が異様に長い男が現れた。

「現場監督!! 俺はもう嫌だ!! こんな訳の分からん所で漁なんかしたくねぇ!!」
「ほう、 だが子供達や嫁さんは如何する?
ここに出稼ぎに出ているアンタの稼ぎが無けりゃあ明日のパンにも困るんじゃねぇのか?」
「ぐ・・・っだが俺の身が持たねぇ!!」
「そうかい・・・じゃあ・・・」

すっ、 と懐からスシブレードを・・・
いや、 スシブレードでは無い!!
取り出したのはカジキの吻!! 即ち尖った部分である!!

「このカジキの餌食になって貰おうか!!」
「ざけんな!!」

吻を腕で受け止めて現場監督の頭を殴る。
こめかみからのフック!! 強烈である!!

「・・・・・」

よろめいたがよろよろと立ち上がる。

「舐めるなよ、 これでも闇のスシブレーダーだ」

吻をぽろりと捨てると、 懐からスシブレードを出す。
ネタは赤身、 しかしその顔から察するに恐らくカジキマグロである。

「ぐっ・・・」
「死ねぇ!!」
「3, 2, 1, へいらっしゃい!!」

バルドがエッグヴィーナスを射出する!!
意識外から飛んで来たスシブレードに現場監督は吹き飛ばされ
鼻っ柱を二つの意味で圧し折られた!!

「大丈夫か!?」
「あ、 あぁ、 すまねぇ兄ちゃん・・・だが兄ちゃん
ダークネスシ帝国の兵隊かい?」
「いや違うけど・・・」
「だったら直ぐに逃げた方が良い、 こいつをぶっ飛ばしたら
ケツ持ちのダークネスシ帝国の駐屯スシブレーダーがやって来る」
「う・・・」
「バルド隊長、 聊か軽率では?」
「すみません・・・」

ラルフの苦言に申し訳なさそうにするバルド。

「ダークネスシ帝国の連中から身を隠したいならアマギゴエって酒場に行くと良い
そこの店主は闇のスシブレーダーが嫌いだ」
「分かりました、 ありがとうございます」

バルド達は逃げ出した。
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