上 下
66 / 355
第七章:鮮血のオルフェンズ

美味しいスシを召し上がれ

しおりを挟む
次元間スシ・フィールドが解かれる。

「私はね確かにスシの暗黒卿だよ
でも私はね、 戦いが嫌いなんだ、 私はスシを食べて貰いたい、 それだけなんだよ」

にこりと笑うセキユー。

「・・・と言う事は貴方はダークネスシ帝国とは関係が無い?」
「いや? 帝国からは資金援助を受けている代わりに
何処何処で店を開いてくれと言う指示が出ている
今回はサイさんが協力してくれて屋台で炊き出しをする事になった」
「・・・サイさん、 どういう事ですか?」

エミリーがサイを睨む。

「その前に謝らせて頂戴、 ごめんなさい」

土下座をするサイ。

「・・・どういう事ですか、 一体」
「私は貴方達スシブレーダーを可笑しな連中だと勘違いしていた
でもスシって本当に奥深い物だと分かったの
そのスシの奥深さを教えてくれたのがセキユーさん」
「・・・・・どういう事ですか?」
「私は最初セキユーさんを殺そうとしたの」
「スシの暗黒卿ですからね、 殺そうとするのは仕方が無い・・・」
「でもセキユーさんは私とスシブレード勝負をしたの」
「サイさんはスシブレード無いじゃ無いか」
「私が貸しました」
「なるほど・・・」

納得するバルト。

「そして私はスシブレード勝負に負けてセキユーさんの寿司を食べたんです・・・
何と言うか本当に美味しかった・・・」

涙を流すサイ。

「確かに美味しかった」
「セキユーさんはこのザクロ寿司を作るのに本当に苦労しているのよ
何度もシャリを握って・・・見てセキユーさんの手」

セキユーの手は不自然に凸凹している。

「こ、 この手は?」
「寿司を握る為に変質したんです、 闇のスシブレーダーにはよくある事です」
「怖い・・・」
「そしてセキユーさんが
純粋にスシを握って食べて欲しいって言う気持ちを持っているって知ったんです」
「加えると食べて美味しいって言ってくれる事だね
私は私の子供、 スシが世界の役に立って認められるのが嬉しいんだよ」

セキユーは優し気に語った。

「・・・・・セキユーさん、 貴方は上流階級にもスシを?」

エミリーが少し考えて話す。

「それは如何だろう・・・身形の良い人は一杯店にも来る、 その人たちにもスシを振舞うよ」
「つまり上流階級に闇寿司思想を植え付けているのは貴方、 そう言う事ですね」
「如何だろう・・・私はスシを握って食べさせているだけだ・・・
そういう思想とかそういうのは良く分からない・・・」

セキユーは優し気に語った。
この雰囲気、 如何見てもスシの暗黒卿には見えない。
バルトもトゥーンウィと対峙した時と比較しても威圧感が無い事に驚いている。

「では私は店の方に戻りますので、 では」

そう言うとその場から消えるセキユー。
次元間スシ・フィールドの応用である。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【取り下げ予定】愛されない妃ですので。

ごろごろみかん。
恋愛
王妃になんて、望んでなったわけではない。 国王夫妻のリュシアンとミレーゼの関係は冷えきっていた。 「僕はきみを愛していない」 はっきりそう告げた彼は、ミレーゼ以外の女性を抱き、愛を囁いた。 『お飾り王妃』の名を戴くミレーゼだが、ある日彼女は側妃たちの諍いに巻き込まれ、命を落としてしまう。 (ああ、私の人生ってなんだったんだろう──?) そう思って人生に終止符を打ったミレーゼだったが、気がつくと結婚前に戻っていた。 しかも、別の人間になっている? なぜか見知らぬ伯爵令嬢になってしまったミレーゼだが、彼女は決意する。新たな人生、今度はリュシアンに関わることなく、平凡で優しい幸せを掴もう、と。 *年齢制限を18→15に変更しました。

没落した建築系お嬢様の優雅なスローライフ~地方でモフモフと楽しい仲間とのんびり楽しく生きます~

土偶の友
ファンタジー
優雅な貴族令嬢を目指していたクレア・フィレイア。 しかし、15歳の誕生日を前に両親から没落を宣言されてしまう。 そのショックで日本の知識を思いだし、ブラック企業で働いていた記憶からスローライフをしたいと気付いた。 両親に勧められた場所に逃げ、そこで楽しいモフモフの仲間と家を建てる。 女の子たちと出会い仲良くなって一緒に住む、のんびり緩い異世界生活。

【悲報】人気ゲーム配信者、身に覚えのない大炎上で引退。~新たに探索者となり、ダンジョン配信して最速で成り上がります~

椿紅颯
ファンタジー
目標である登録者3万人の夢を叶えた葭谷和昌こと活動名【カズマ】。 しかし次の日、身に覚えのない大炎上を経験してしまい、SNSと活動アカウントが大量の通報の後に削除されてしまう。 タイミング良くアルバイトもやめてしまい、完全に収入が途絶えてしまったことから探索者になることを決める。 数日間が経過し、とある都市伝説を友人から聞いて実践することに。 すると、聞いていた内容とは異なるものの、レアドロップ&レアスキルを手に入れてしまう! 手に入れたものを活かすため、一度は去った配信業界へと戻ることを決める。 そんな矢先、ダンジョンで狩りをしていると少女達の危機的状況を助け、しかも一部始終が配信されていてバズってしまう。 無名にまで落ちてしまったが、一躍時の人となり、その少女らとパーティを組むことになった。 和昌は次々と偉業を成し遂げ、底辺から最速で成り上がっていく。

備蓄スキルで異世界転移もナンノソノ

ちかず
ファンタジー
久しぶりの早帰りの金曜日の夜(但し、矢作基準)ラッキーの連続に浮かれた矢作の行った先は。 見た事のない空き地に1人。異世界だと気づかない矢作のした事は? 異世界アニメも見た事のない矢作が、自分のスキルに気づく日はいつ来るのだろうか。スキル【備蓄】で異世界に騒動を起こすもちょっぴりズレた矢作はそれに気づかずマイペースに頑張るお話。 鈍感な主人公が降り注ぐ困難もナンノソノとクリアしながら仲間を増やして居場所を作るまで。

婚約破棄で追放されて、幸せな日々を過ごす。……え? 私が世界に一人しか居ない水の聖女? あ、今更泣きつかれても、知りませんけど?

向原 行人
ファンタジー
第三王子が趣味で行っている冒険のパーティに所属するマッパー兼食事係の私、アニエスは突然パーティを追放されてしまった。 というのも、新しい食事係の少女をスカウトしたそうで、水魔法しか使えない私とは違い、複数の魔法が使えるのだとか。 私も、好きでもない王子から勝手に婚約者呼ばわりされていたし、追放されたのはありがたいかも。 だけど私が唯一使える水魔法が、実は「飲むと数時間の間、能力を倍増する」効果が得られる神水だったらしく、その効果を失った王子のパーティは、一気に転落していく。 戻ってきて欲しいって言われても、既にモフモフ妖狐や、新しい仲間たちと幸せな日々を過ごしてますから。 ※第○話:主人公視点  挿話○:タイトルに書かれたキャラの視点  となります。

日本帝国陸海軍 混成異世界根拠地隊

北鴨梨
ファンタジー
太平洋戦争も終盤に近付いた1944(昭和19)年末、日本海軍が特攻作戦のため終結させた南方の小規模な空母機動部隊、北方の輸送兼対潜掃討部隊、小笠原増援輸送部隊が突如として消失し、異世界へ転移した。米軍相手には苦戦続きの彼らが、航空戦力と火力、機動力を生かして他を圧倒し、図らずも異世界最強の軍隊となってしまい、その情勢に大きく関わって引っ掻き回すことになる。

【SCP&Cthulhu】機動部隊Ω-0

R
SF
Secure, Contain, Protect (確保,収容,保護) 「SCP財団」は、自然法則に反した異常な存在・場所・物体・現象(SCPオブジェクト。これらはそれぞれの「特別収容プロトコル(Special Containment Procedures)」のファイル番号で呼称される)の保護・研究を世界各国の政府より委任された秘密結社である。 財団はSCPオブジェクトが一般市民の目に触れれば彼らの日常生活や正常な感覚を揺るがすだけでなく、場合によっては人類の生存そのものを脅かしかねないと考えている。そのため財団は集団パニックや予想される混乱を避け、人類の文明を正常に機能させるためSCPオブジェクトを秘密裏に保管し、また一部のSCPオブジェクトについては、将来の脅威に対処するための知識を求めて研究を行っている。 機動部隊(MTFs)は財団全体から選抜された精鋭部隊で、特定の脅威あるいは我々の制御能力や通常の現場エージェントの専門知識を超えた状況に対処すべく動員され、彼らの名が示す通り施設や現場を必要に応じて転々とします。機動部隊の職員は財団にとって「最善の行動」を示します。 機動部隊は規模、構成、目的が非常に多岐にわたります。非常に攻撃的な異常存在に対処する訓練を受けた大隊規模の戦闘部隊は、数百名の兵士と補助職員と、車両、装備で構成され、世界中で脅威のため全員あるいは一部が投入されます。一方で小規模かつ情報収集専門あるいは調査目的の機動部隊も存在し、目的達成のために十分と考えられれば、数名程度の職員にも満たないものになります。 現場にいる間、機動部隊の隊員は、現地で行動するべき地元または連邦の法執行機関あるいは軍人として振る舞います。機動部隊指揮官は任務達成のために、現地付近の財団施設の職員や部隊に救援を要求することもあります。

SCP財団

紅凜
SF
SCP財団に入った「私」が様々な講義を受け、財団職員として働く事になるという話。 不定期投稿。本家からの引用有り。個人的解釈有り。

処理中です...