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第六章:ダークネス・チョコレート・オン・ザ・アイス

議会への乱入

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一方、 ファウンデーション教国でも部隊編成が行われていた。
新設された議会場で部隊の編制の会議が行われていた。
最高議長O5-1が閣議決定を下す。

「それでは部隊の編制はこれで良いな」

意義ナーシ、 と賛同する議員達。

「ふぅ・・・」

タオも思ったよりもスシブレードが受け入れられて良かったと胸を撫で下ろした。

「スシブレード部隊が出来るのは良いですがバルトの負担が大きくなるのでは?」

同席したマオがタオに尋ねる。

「まぁ仕方ない、 ここは頑張って貰うしかあるまいて」
「・・・・・」
「ほっほ、 バルトの事を最初は信頼して無かったのに
最近は彼の心配をしてやるようになるとはのぉ」
「なっ、 か、 からかわないで下さいっ」

ぷぃとそっぽを向くマオ。

「それでは今回の会議はこれにて」
「あ、 ちょっと駄目ですよ勝手に入っちゃ!!」
「退きなさい!!」

バンッ、 と会議場のドアを開いた。
当然議員達は注目する。

「サイだ」
「サイか・・・」

入って来たのはサイ、 シャリ王国の教会から逃げて来た聖女の娘である。

「納得が行きません!!」

議会場の机をドンと叩く

「サイ、 主語を言え、 主語を」

O5-1は苛立ちながらサイにそう言った。

「新しく出来たスシブレーダー部隊ですよ!!
何で我々を追いやったスシブレーダーと共闘しなければならないのですか!!」
「スシブレーダーは戦力として確かな実力を持っているし
きちんとスシブレードの扱い方をレクチャーできる
貴女とは違って人に物を教えられる人なんだよバルト君は」
「っ!!」

歯軋りをするサイ。

「そもそも貴女は謹慎中の筈だ、 何故ここに出て来た?」
「それは教会が誤った方向に行こうとするのを正す為です!!」
「・・・・・」

O5-1が軽蔑した眼でサイを見る。

「お前が教会の事を思うのは勝手だが
それは我々の仕事だからお前は大人しく謹慎してろ」
「なっ!? そんな!!」
「そもそも謹慎で済んでいる状況が可笑しい」

シャリ王国から逃げて来た移民代表、 ヴァラリアンはギロリとした眼でサイを睨む。

「議長、 彼女には厳罰を与えるべきでは?」
「確かに謹慎処分は以前のO5議会で下された判決、 考え直すのも一考か」
「そんな!! 私の様な優秀な人材は残しておくべきです!!」
「優秀? ハッ!! 優秀なのに返り討ちに遭うのかお前は」
「何だとォ!!」

剣を抜くサイ。
警備兵のボウガンが一斉にサイに向かれる。

「っ・・・」
「警備、 サイを連れ戻して置け」
「はっ」

警備に連れられてサイは議会場の外に出た。

「・・・あのサイって娘、 何をしたんですか?」

マオがタオに尋ねる。

「あの娘は無茶な作戦でダークネスシ帝国に無許可で攻撃して捕まって
彼女の母親の聖女が率いる部隊に救出されたんだ、 但し母親の聖女と引き換えにね」
「そうなんですか・・・」
「剣術に優れていて人に教えるのが得意、 とか自称していたが
木剣で訓練兵をボコボコにするだけだったらしい」
「ちょっと可笑しい人じゃないんですか?」
「らしいな、 この前のネギ乗せとの戦いも
勝手に出撃しようとして迷惑をかけたらしい
O5-1が無理矢理引き留めなければどうなっていたか・・・」
「警戒した方が良いですかね」
「そうじゃな・・・」
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