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第五章:希望の光

ファウンデーション

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炉の中に入ったバルト。

「レーア伯爵令嬢御付きの執事バルトと
傭兵のゴハン・ソロ、 騎士のハウはダークネスシ帝国に与する事は無い」

炉に変化はない。

「はい、 じゃあ出ます」

バルトは炉から出た。

「これで文句は無いな、 マオ」
「・・・・・」

しかめ面をするマオ。

「マオ!!」
「良いんです、 レーア様を連れていかれてしまいましたし・・・」
「バルト・・・」

かくしてタオの元に身を寄せる事になったバルト。
最初にする事は隣国へ移動する為の荷づくりだった。

「荷造りって・・・雑用じゃん」

文句を言うゴハン。

「色々と貴重な物が保管されているんだ、 仕方が無いじゃろ」

タオもハチマキを巻いて荷造りをしている。

「貴重な物ねぇ・・・パッと見、 変な物にしか見えないんだが・・・」
「ふむ、 隣国のファウンデーション教国から持って来て欲しいとの事だ」
「ファウンデーション教国か・・・」

ファウンデーション教国とは人類最大規模の宗教国家である。
教会と言う単語は大体ファウンデーション教国の教会の事である。
聖人達と神を崇拝し、 無辜の人々が光の中で暮らす為に闇の中で戦う武闘派の団体でもある。
しかし国家規模は中の上位だろうか、 鶴帝国に比べれば国力は劣る。
人類の為に魔王と先陣を切って戦うのは素晴らしいが・・・

「あんまり好かんな」
「私もです」

ゴハンに同調するバルト。

「確かにな、 闇をこの世界に呼び寄せたのは教会だ」

異世界から勇者を召喚する術式は教会が所有していた物である。
今回の闇の召喚が切欠でファウンデーション教国の信頼は失墜。
更に初動の対応が遅れ鶴帝国も併合されてしまうと言う大失態を犯してしまった。

「そして今回の我が国への侵攻
ファウンデーションも流石に何もせぬ訳には行かぬよ
あの国の友人に頼んで我が領民の保護と今後の反攻作戦の協力を取り付けた」
「何とか反攻の切欠になれば良いのですが・・・」
「如何だろうな・・・あの国の上層部は最近停滞気味だしなぁ・・・
言葉だけの可能性も有る」
「そんな事にはさせませんよ」

バルトはしっかりと言う。

「スシブレードの知識もあります、 反攻は充分可能だと思います」
「そうだな、 じゃあ次はこれを持って行ってくれ」

そう言って何かの瓶ケースを手渡すタオ。
瓶ケースには20本の何かが有った。

「何ですか、 これ?」
「これは死ぬけど強くなれる飲み物らしい、 飲むと死ぬけど」

重要なので二回言うタオだった。

「飲むと死ぬ・・・か・・・」

瓶を揺らしながらごちるバルドだった。

―――――――――――――――――――――――――――――――


登場したSCP
SCP-207 - 瓶コーラ
http://scp-jp.wikidot.com/scp-207
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