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肥満の校長
しおりを挟む宗川は若く見えた。
前もって調べたら60代後半と聞いていたが
禿げ頭以外は寧ろ若く見える。
太っているから体格が良い様に見えるだけだろうか?
「えーっと・・・本日は確か生徒が行方不明だとかで調査に来たのですね?」
「えぇ、 そうです」
校長室のソファに座って向き合う穴口と宗川。
「小学と言う高校生ですが」
「あぁ、 あの不良の
いやいや、 彼にはほとほと手を焼いていましてね
とんでもない悪ガキですよアイツは窓ガラスや蛍光灯を割ったり
壁を殴って壊したり、 この前なんか教室で鶏や豚を捌いたり」
「は? にわとり?」
困惑する穴口。
「えぇ、 鶏です、 近くの小学校から盗んで来たんですよ
豚は・・・何処で持って来たのか知りませんが」
「それは・・・問題にならないんですか?」
「問題になりますよ
全部彼の家に被害額を計上して請求しています」
溜息を吐く宗川。
「まぁ幾らやっても補導はされませんよ
彼の親は警察のお偉いさんですし、 権力で揉み消しますよ」
「この令和の時代に? 大昔の漫画じゃないんだから・・・」
「ガチの権力の揉み消しで前の校長は何処かに行きましたから
告発しようとした人間が消えてたりしました
この学校ではスマホは持ち込み禁止ですから証拠も出せない」
「・・・・・防音も?」
「えぇ、 証拠を残さないようにと
彼の親から大金を貰って防音の施工をしましたよ」
「なるほど、 そういえば警備員にスマホとか取り上げられてたわ」
「私も本音で喋れるという事ですね」
予想以上に厄介な案件に首を突っ込んだかと内心後悔し始めた穴口。
「しかし探偵さん、 彼が行方不明なのは気にしなくて良いですよ
彼は金持ってますからキャバ嬢や風俗嬢の家に転がり込むなんて事はある事です」
「本当に高校生かよ・・・」
溜息を吐く穴口。
「まぁ一応彼の家に通達しましたが特に何も言ってきません」
「最後に彼を見たのは誰ですか?」
「彼のクラスメイトですよ、 さっき豚を捌いたって言ったじゃないですか
教室で豚捌いて教室中を血塗れにして教室を飛び出しました」
「・・・・・そういう事は良くある?」
「鶏の前例も有りますからエスカレートしているんじゃないですか?」
「生徒達に話を聞く事は?」
「クラスメイト、 いや取り巻き以外全員に
嫌われてますから悪い事しか言わないでしょう」
「取り巻き?」
「えぇ、 小学の後ろで甘い蜜吸っているクズですよ
兎も角まずは小学のクラスから行きます?」
「そうですね」
「じゃあお連れしてあげて」
警備員に連れられて校長室を出る穴口だった。
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