6の世界にて

Mr.後困る

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6の世界

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「貴方は死にました、 指示に従って下さい」

私は困惑した、 周囲には「6と書かれた扉に入って下さい」と言うディスプレイと
扉が見える、 扉には1と書かれていた。

「ここは死後の世界です」

そうだろうなぁ・・・とは思うけどと私は言った。

「最近IT化になりまして、 こういう形になっています」

あの世もITとは世知辛い、 りんご社の重鎮も来たから仕方ないが
それで6の扉の先には何が有るんだ? と私は尋ねた。

「世界が広がっています」

それは天国か? 地獄か?

「いえ、 6の世界です」

6の世界?

天使はうんざりとしながら答え始めた。

「天国と地獄って極端過ぎるじゃ無いですか
世の中に二種類の人間しか居ないと言う事は有りません
良い人間は数字の少ない世界に悪い人間は数字の大きい世界に行きます」

数字が多い方が地獄なのか?

「まぁ、 過ごし難いでしょうね」

この6は悪い数字なのか?

「多少悪い位ですね、 地獄と言う程でも無いですが天国では無いです
それではこの道を真っ直ぐ行って、 大体25日位で着くと思います」

思っていたよりじゃないが遠い
画して私は25日歩いて6の扉を開けて6の世界に入った。



6の世界は特にこれと言って問題は無かった。
天国の様な場所でも無く地獄の様な場所でもなかった。
強いて言うならば少し田舎の駅前位の活気が有り、 コンクリートのビルが有った。
死後の世界だからと仕事をしなくて良いという事は無かった。
金が無ければアパートも借りられない、 食事も出来ない。
飢えて死ぬ事は無いらしいが飢えは有るのだ。

私はこの世界に来て間もない人々を支援する人々の助けを借りて
何とか就職し、 住む場所を見つける事が出来た。
小さなアパートだったがネット環境も繋がる。
強いて問題を上げるとしたら近所の人だろうか。

「貴方は生前どんな事をしてたの?」

近所の変なおばさん、 私は普通にサラリーマンをしていたと答えた。

「それで貴方はどんな悪い事をしたの?」
「6に来るなんて悪い事をしたんでしょ?」
「そんな人が近所に居るなんて心配でしょうがないわ」

と鬱陶しい、 何でもこのおばさんは元々は4の世界に居たらしいのだが
何かやらかして6の世界に落とされたらしい。
死後でも悪い事をすれば落ちていくのか、 と戦慄した。

おばさんを無視して暫くした後にまた一人やって来た。
中々の好青年、 その青年にもおばさんは絡んで行った。

そのおばさんは好青年に掴みかかって殴ったらしい。
その後、 おばさんは113562の世界に行ったらしい。

上を見ればきりが無いが下を見れば後が無い。
とはよく言った、 上も下もきりがない。
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