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第二章

9   初夜   ※

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 モリーとメリーにお化粧を落とされたおれは、ドルフとランドにお風呂に入れられた。いつも以上に綺麗に洗われて、シルクのバスローブを着せられた。

 なんだかドキドキする。

「寝室にお連れいたします」

 普段無口なカナル様が近侍からおれを預かると、寝室の扉をノックした。

「奥様をお連れしました」

 奥様!

 その言葉に、今更驚く。

 結婚したのだから、そう呼ばれてもおかしくはないけれど、おれは寝室に入る前に、既に顔が熱くなっていた。

 そんなおれを見て、カナル様が、優しげに微笑んだ。

「殿下にお任せしていれば、大丈夫ですので」

 おれが緊張していると思って、気遣ってくれているんだろう。

「ありがとうございます」

 おれは頭を下げた。

 おれは完全に男の娘に変えられてから、益々、女の子のように瑞々しい肌になり顔立ちも美しくなったらしい。アスビラシオン様に作られた体は、とても美しい造形だと思うけれど、きっと自分の理想をおれに、詰め込んだに違いない。

 部屋の中から、扉が開けられた。

 そこには、同じバスローブを着たアスビラシオン様がいた。

「さあ、入りなさい。カナル、そちらの部屋の警備は頼んだよ」

「畏まりました」

 カナル様は騎士のポーズで、応えた。

 カナル様に扉を閉められて、寝室にはおれとアスビラシオン様だけになった。

「緊張しているの?」

「それは、はい」

 アスビラシオン様は、おれに啄むようなキスをしてくる。

 恥ずかしくて、顔が熱くなってくる。

「愛らしいな、キスだけで頬を染めて」

「……優しくしてくださいね」

「勿論、そのつもりだ」

 アスビラシオン様は、部屋の灯りを消した。

 防犯のためにカーテンは引かれ、枕元灯だけが点けられている。

 ベッドに誘ったアスビラシオン様は、おれのバスローブを脱がされると、ベッドにそっと寝かせた。

 横になっても形の崩れない胸が、ツンと起っている。

「美しいな、チェリー」

「これはシオン様が作られたものですよ?」

「素材が良くなければ、これほど美しくはならない」

 アスビラシオン様はバスローブを着たまま、ベッドに上がって、おれに、またキスをしてきた。

 今度のキスは、戯れるようなキスだ。舌を絡め合いながら、おれの胸を柔らかく揉んで、快楽を引き出していく。

「あ、ううん、もっと、んんっ」

 胸を作られたから、感じるのか?それとも、アスビラシオンの愛撫が上手なのか?

 とても気持ちが良くて、長いキスをしながら、胸や体を触られると、おれの男の部分が、勃起してきてしまう。

「一度、楽にしておくか?」

 おれは頷いた。

 また縛られるのかと思ったが、縛られたのは、おれの体を作った2回だけだった。

 それ以来は、おれの男性器が持ち上がると、楽にしてくれる。

 アスビラシオン様が言うには、おれの精液は、薄いらしい。独特の臭い匂いもなく、味も甘くて美味しいらしい。

 おれには繁殖機能はないのかと聞いたら、男の娘になると、潮吹きと同じようになるという。体が女性化していると言うことだ。

 だから、おれは女の子を抱いたとしても、子供を授かることはもうできないと言われた。

『浮気をしようとしても、できないからね』と、笑って、釘を刺された。

 けれど、胸のあるおれと寝たがるとしたら、女の子よりも男だと思うのだがと、聞いたら……。

 他の男に献げたら、作った物が溶け出して、挿入したペニスを溶かして一体化してしまうらしい。離れるには、間男の股間の物を切断しなければならなくなるらしい。

 胸に触れていたなら、その手ごと、吸収されてしまうらしい。手も股間の物も切断するしか離れる手段がないとは、恐ろしい魔術だ。

『呪い』に近いとアスビラシオン様は言っていた。

 この世界の男なら、誰でも知っていることだから、そんな馬鹿な事はしないだろうと、言っていたが、それでも奴隷に襲わせたりする事件は起こるらしい。

 だから、気をつけるようにと、忠告された。

「あああっ……」

 おれが思い出しているうちに、おれの怒張は、アスビラシオン様がフェラチオして抜いてくれた。

 何度も腰が震える。

「他のことを考える余裕があるなら、本気で抱くけど……」

 おれが思い出して考えていたことは、どうやらお見通しらしい。

 アスビラシオン様の指が、おれの花びらに触れる。

 ここに触れられるのは初めてだ。

 張形は、定期的に交換されたが、本当に交換するだけで、悪戯もされなかった。

 鏡越しに見た花びらは、大陰唇も小陰唇もあって、小さな穴があったように見えた。

「あ、いや、そこ、駄目だよ」

 アスビラシオン様は小さな粒を、捏ねている。

 その度に、射精とは違った気持ちのいい快感が、弾けている。

 アスビラシオン様は小さな粒を捏ねながら、張形が入っていた穴に指を入れてきた。

「もう濡れているね」

「恥ずかしい」

「張形を抜いたら、指が1本しか入らなくなってしまったよ」

 確かに、体の中を往復する指は、1本だけだ。

「シオン様、体が変になっちゃうよ」

「まだ始めたばかりだ」

 アスビラシオン様は体を徐々にずらすと、花びらを舐めだした。

「あっ、あっ、あああっ……」

 小さな粒は、もしかしてクリトリスなのだろうか?

 舌でレロレロと舐めて、甘く噛んだりしながら、おれの中の指を増やしてきた。

 ペニスがまた勃起してきた。

「イっちゃうよ、あん、ねえ、虐めないで」

 イキそうになったら、すっとアスビラシオン様の唇が、指の入っている蜜口に移った。

 舌先が指の間から、ナカを突く。

「あん、そこも駄目、あっ、あん……」

 狭いナカを舌先と一緒に唾液が送り込まれてくる。

 アスビラシオン様は残った手で、おれの膝裏を支えて、おれの体をあられもない格好にさせてしまった。すべてアスビラシオン様に見えてしまう。

 クチュクチュとエッチな音がしてきて、おれは両手で口を覆った。

 気持ちが良すぎて、エッチな声が出てしまう。

「チェリー、声を出しなさい」

 アスビラシオン様は体を起こすと、おれの両手を掴んで、今度は、唇にキスをする。

「んんんっ、んんんんっ……」

 おれの勃起をしたペニスをしごかれて、おれはイった。

 ふうと体から力が抜けていく。


 アスビラシオン様は体を起こすと、バスローブを脱いだ。

「あっ……」

 とても美しい。

 均整の取れた肢体に、筋肉が綺麗に付いていて、腹筋も割れている。

 初めて見るアスビラシオン様の裸に釘付けになる。

 金色の陰毛の先から、立派なペニスが腹に付くほど起ち上がっている。

 まるで飾り物のようなアスビラシオン様が、優雅に微笑み、おれの頬を撫でた。

「今から一つになるよ」

「……うん」

 おれは頷いた。

 いよいよその時が来たんだ。

 おれが暮らしていた世界では、男同士でするときは、お尻に突っ込まれるんだけど、お尻じゃなくて、作り物の女性器に挿入されるんだ。

 ある意味、良かった。

 お尻だったら、さぞかし痛いだろうとグルグルしていたし、女性器ができたときは、すごく嫌だったけど、今では女性器を作ってくれてありがとうと、思えるようになっていた。

 足が抱えられて、おれの小さな穴の先端に、アスビラシオン様の勃起したペニスが当たっている。

 少しずつ、おれのナカに入ってくる。

 アスビラシオン様のペニスは張形より大きくてキツいけど痛みはなかった。

 だんだん、おれのナカに入って行くのをおれに見せている。

 ピタリと体が合わさった時、アスビラシオン様はおれに口づけをした。

「痛くはないね?」

「痛くはないよ。シオン様でキツキツだけど」

「動くよ」

「うん」

 アスビラシオン様はゆっくり抽挿を始めた。

 あ、気持ちいい。

 おれは初めて快感を知った。

 アスビラシオン様が動く度に、体がビクビクと感じる。

「あ、もっと、ああっ、いい」

「気持ち良さそうだね?」

 アスビラシオン様の動きが徐々に速くなる。

 奥まで突かれて、入り口のギリギリまで引き抜かれて、また奥まで突かれる。その繰り返しかと思ったら、浅い場所を突いたり、捻りを入れて突かれたり、おれの頭は快楽で、犬のように「はあはあ」と荒い呼吸を漏らしながら、快感に酔っていた。

 アスビラシオン様に作られた膣の感度は、素晴らしく良く。おれの理性は、どこかにいってしまって、ただ快感を追いかける。何度も突かれながら、イっていた。

 アスビラシオン様の動きがもっと速くなって、おれをギュッと抱きしめると、おれのナカが温かくなった。

 おれのナカでイったのが分かった。

 唇にチュッチュッとキスが落ちてくる。

「はあはあ」と呼吸を乱しているおれとは違って、アスビラシオン様は呼吸を乱してはいない。

「愛してるよ、チェリー」

「……僕も愛しています」

「チェリーのナカに放った、私の精子が、チェリーのできたばかりの子宮に入っているよ」

 おれは下腹部に触れた。

 おれのナカに入っているアスビラシオン様の怒張は、まだ衰えていないが、なんだか不思議な感じだ。男なのに、膣があり子宮まであって、子作りしているなんて……。

「今日、妊娠しても構わないよ」

「はぁ……妊娠……」

「今日は寝かせてあげられないかもしれないよ。しっかり私を受け止めるんだよ」

「……うん」

 気持ちのいいセックスなら、どれだけされてもいいよ。

 おれが想像していたセックスとは違って良かった。

 おれは明け方まで、何度もアスビラシオン様の精液を注がれて、疲れて眠ってしまった。

 目が覚めたのは、昼近くだった。

「おはよう、チェリー」

「おはようございます、シオン様」

 アスビラシオン様は優しく目覚めのキスをくれた。

「チェリー、お風呂に行くか?」

「はい」

 おれは笑顔で答えた。

 体中、精液やおれが放った体液でベタベタする。

 アスビラシオン様は裸でベッドから降りると、おれをお姫様抱っこして、寝室の隣のお風呂場に連れて行った。
 床に下ろされると、アスビラシオン様は温いお湯をおれにかけると、ボディーソープを泡立てて、おれを洗ってくれる。髪も体も綺麗に洗うと、おれのお尻まで洗ってくる。

 指がナカに入ってきて、おれは頭を傾けた。

 膣を作ったのなら、お尻は関係ないよな?

 けれど、アスビラシオン様の指がボディーソープの滑りを借りて、お尻の中に指を入れて、入り口を解しているような気がする。

「シオン様、お尻の中まで洗うのですか?」

 変な声が出ないように気をつけながら、アスビラシオン様を見上げると、アスビラシオン様は、爽やかな微笑みを浮かべた。

「昨夜は、チェリーが眠ってしまったからね。まだ初夜の儀式が終わってないんだよ?」

「儀式ですか?」

「チェリーは元々、男の子だ。私が作った膣は、子をなすために作ったが、本来ならば、お尻で繋がるものであろう?」

「そんな膣を作ったなら、お尻でしなくても……」

 おれは蒼白になっていく。

 アスビラシオン様の勃起したペニスは大きい。そんな大きな物をお尻に入れられたら、おれのお尻が壊れてしまう。

「これは男同士としての礼儀だ。膣に注いだ分を、お尻にも注ぐのが正式なマナーだから、さあ、私を受け入れてくれるね?」

「い……」

「嫌だなんて言わないでくれよ。私とチェリーの愛情を疑われてしまう」

 なんだって?

 結ばれたなら、いいじゃないか?

「初夜の一連の様子は、国王陛下と王妃へと報告される」

「誰か、見ているの?」

「影が見ている」

 見られながらしていたのかよ?

「見られながらするなんて、嫌だ」

「今更だろう?」

「……それでも」

「どうか、私を受け入れてくれ」

 立ったまま足を広げられて、お尻の蕾にアスビラシオン様の怒張を押しつけられた。

 おれは咄嗟に壁に手をついた。 

 そのまま体重をかけられたら、ボディーソープの滑りで、アスビラシオン様の物が蕾を押し開いてきた。

「やっ、痛いよ、きついよ、……くっ!」

 アスビラシオン様は躊躇わずに、一気におれを貫いた。

 狭い隧道をいっぱいに広げられて、おれは身動きも呼吸もできなくなった。

「チェリー、呼吸をしてごらん?ヒッヒフー、ヒッヒフー」

 その呼吸法は違うような気がするけど、おれは「はあはあ」と呼吸を始めた。

 いっぱいに広げられたそこは、大きなペニスで埋め尽くされて、ほんの僅かな隙間もないような気がする。

 圧迫感がすごい。

「チェリーの後ろは、キツいね。力を抜いてくれないと、動けないよ?」

 おれの背中を撫でて、もう片方の手で、おれのペニスを掴んで、扱き始めた。

「あん、あん、そこ、だめ、あん、ああん」

 おれのペニスは快楽に弱く、すぐに起ち上がってきた。

 すると、アスビラシオン様はおれのお尻の中をゆっくり動き始めた。

 ペニスを扱かれながら、お尻の抽挿が始まった。

 痛いだけだったのに、時折、体がビクンと震える。

「チェリーのいい場所を見つけたよ」

「いや、そこ。駄目、出ちゃう、出ちゃうから」

 おれのペニスから、ピュピュと飛沫が飛ぶ。

 アスビラシオン様はおれの弱い場所と、言うところをペニスで擦ったり突いたりして、おれの精液を絞り出していく。

 だんだん、出る物がなくなり、おれは体を震わせて、イク。

 手を突いていられなくなって、おれは座りこんでしまった。

 アスビラシオン様は、力の抜けた、おれを背後から、突き上げ始めた。

 腕も付いていられなくなって、おれはお尻だけを持ち上げられながら、アスビラシオン様の熱い飛沫をお尻の奥で受け止めた。

 おれは、口を半開きにして、涎を流しながら、快楽に流されていた。

 いつの間にか、おれは風呂場で、仰向けにされて、お尻を突き上げられながら、胸を揉まれていた。

「あん、あん、あん、あん」

 アスビラシオン様は本当に、膣に出した数と同じ数をお尻に放ったような気がする。

 おれは、いつの間にか、お尻でも快楽を得ていた。

 おれを抱きしめて、アスビラシオン様はおれのお尻のずっと奥に、熱い飛沫を放つと、やっと終わったのか、おれのナカから出て行った。

 おれは力尽きて、もう動けなかった。

 おれは湯船の壁に凭れさせられ、座らされた。

 目の前で、アスビラシオン様が体を洗うと、今度はおれを洗い出した。

 力の抜けたおれを抱えながら、また体中を洗ってもらった。

 最後にお尻の蕾に指を入れて、今まで埋め尽くされたそこを開くと、おれの蕾のナカから、白い精液が流れてきた。足を伝って流れていく。

 それをシャワーで流して、おれをバスタオルでくるんで、ベッドに運んだ。

 いつの間にか、ベッドメイクがされて、綺麗なベッドに戻っていた。

 部屋には、軽食が準備されて、まだ湯気の立っているお茶やスープも置かれていた。

「チェリー、食事を食べよう」

「ご飯より、眠りたい」

「食べさせてあげるから」

 アスビラシオン様はおれを抱いたまま、サンドイッチを口に運んでくれる。おれはモグモグと食べると、カップに入れられたスープを飲んで、プリューンを食べさせてもらって、お茶を飲んだ。

「よく食べたね、偉いぞ」

 頭を撫でられて、まるで、今度は子供扱いだ。

 おれに食べさせながら、アスビラシオン様もしっかりと食べたので、テーブルの上のお皿は綺麗に空になった。

「少しは動けるようになったか?」

「……たぶん」

 いつまでも裸でいるのは落ち着かない。

 やっと床に下ろされて、新しいバスローブを着せられた。

 アスビラシオン様もバスローブを着て、おれをベッドに横にさせた。

「儀式は終えた。眠ってもいいよ。私も仮眠をしよう」

 そう言いながら、おれの隣でアスビラシオン様は添い寝をしている。

 アスビラシオン様は余裕のある顔をしている。

 あんなに、たくさんしたのに、疲れていないのか?

 もしかして、すごく絶倫なんだろうか?

 これからの夫婦生活を考えると、おれの体力じゃ足りないかもしれないと感じた。

 ふわりとあくびをすると、おれを抱きしめて、髪を撫でてくれる。

 湿った髪で眠ると、枕が濡れちゃうけど、まあいいか……。

 おれはアスビラシオン様の腕の中で眠りに落ちた。


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