40 / 67
40
しおりを挟む
菜都美に離乳食シリーズの初めての離乳食を食べさせてみた。
フレークになった米粉にお湯をかけるだけで、おかゆができる。
湯加減で、おかゆの固さを調節できるのは便利だ。
「美味しいか?」
「まんま」
口に運ぶと口を開けて待っている。
どうやら美味しいようだ。
アレルギー反応がでると何が原因か分からなくなるから、一種類から始める。
コップでお茶を飲ませてみる。
これができるようになると哺乳瓶から卒業ができる。
紙コップの片方を潰して、口に入れやすくして、ゆっくり口に注ぎ入れる。
ゴクンと飲めたので、成功だろうか。
100cc飲ませて、今日の離乳食はお終い。
昼間、篤志から電話がかかってきた。
仕事が終わったら、朝霧さん達がこのマンションに集まるからという電話だった。
俺と菜都美を事務所に呼ぶより、みんなが俺のところに来た方が早いと言うことだ。
掃除や片付けはしなくてもいい。
食事の支度はしなくてもいい。朝霧さん達が準備をしてくれるらしい。
俺は夕方に、菜都美とお風呂は済ませておいた。
わんこの名前をどうするかの相談かもしれないと思った。
菜都美に作ったぬいぐるみは歌を歌っている。
なんとなく気になるのか、捨てては拾って、俺の声に「んぱ」と呼びながら、歌を聴いている。
「ただいま」
「あっちゃん、お帰り」
「あー、あー、あー」
「菜都美もただいま。あっちゃん帰ってきたよ」
「お風呂は夕方入れておいたよ。朝霧さん達、何時頃来るの?」
「仕事が終わったら、来るらしい」
「本当に何も準備してないよ」
「それでいい。俺も先にシャワーを浴びてくるよ」
「お風呂の湯、まだ溜まってるよ」
「じゃ、少し入ってくるか」
篤志は伊達眼鏡を外し、自分の部屋に入っていった。
「んぱ」
「どうした?」
「わうわう」
「欲しいのか?」
「わうわう」
嫌っているかと思ったが、どうやら気に入ってはいるようだ。
床に落ちているワンワンを拾って、菜都美に持たせると、ワンワンの耳をカジカジしている。
そろそろ歯が生えてくるのかもしれない。
何か噛める物を準備した方がいいのかもしれない。
一人で遊んでいるようなので、床に寝かせると、おとなしくワンワンと遊んでいる。
俺は作りかけのわんこを作る。
配線は入れたが、手足の関節の可動がまだ調節できていない。
パソコンに繋がっているわんこに、指令を与えると関節部分が動く。
今度のわんこは、歩行もお座りもジャンプをするから、足の関節の調節が難しい。けれど、難しい方が遣り甲斐がある。美しいわんこの下には、段ボールとバスタオルを敷いて、ボディーには薄いビニールが巻かれている。一度作った物だから、前の資料を参考にパソコンに数値を打ち込み、足を動かしてみる。いい動きをしたので、今度は立たせてみる。
今度の子は、自分で立ち上がる。
音も静かでなかなか調子がいい。起立したわんこを自分で歩けるようにする。
AIの学習はパソコン内でできているから、後は関節部分だけだ。
菜都美がいないか確認して、足を動かしてみる。微調整して歩かせる。
「んぱ、わうわう」
いつの間にか、菜都美がハイハイしてきて、操作を止める。
「菜都美、新しいワンワンは、まだできてないから、近づくと危ないからね」
「んぱ」
菜都美を抱っこして、リビングの中を歩く。
手には、犬のぬいぐるみを持っている。
「わうわう」
「ワンワン、お話しているね」
「んぱ」
昔話が流れている。
アンデルセン等も入れて置いたので、お話はたくさんある。
歌も入っている。
英語の歌やお話も入っているから、自然に耳に残るだろう。
篤志がお風呂から出てきて、菜都美が持っているぬいぐるみを見つけた。
「真、改造をしたのか?」
ぬいぐるみが篤志の声で『犬のおまわりさん』を歌っていた。
「うん、子守になるかと思ったんだけど、まだ困惑してる感じだ」
「俺の声だな」
「俺の声も入っている」
「面白い物作ったな?」
「自己学習をするから、長く使えると思うよ。ただ電源が電池だから、すぐに交換になりそう」
篤志は、菜都美が持っているぬいぐるみを見ていると、菜都美にぬいぐるみを顔面にぶつけられている。
「菜都美、痛いだろう」
「あー、あー、あー」
「わんわんも痛いと言っているよ」
「あー、あー、あー」
「ごめんしような」
篤志は菜都美の手を持って、ぬいぐるみの頭を撫で撫でした。
『仲直り』とワンワンがおしゃべりした。
フレークになった米粉にお湯をかけるだけで、おかゆができる。
湯加減で、おかゆの固さを調節できるのは便利だ。
「美味しいか?」
「まんま」
口に運ぶと口を開けて待っている。
どうやら美味しいようだ。
アレルギー反応がでると何が原因か分からなくなるから、一種類から始める。
コップでお茶を飲ませてみる。
これができるようになると哺乳瓶から卒業ができる。
紙コップの片方を潰して、口に入れやすくして、ゆっくり口に注ぎ入れる。
ゴクンと飲めたので、成功だろうか。
100cc飲ませて、今日の離乳食はお終い。
昼間、篤志から電話がかかってきた。
仕事が終わったら、朝霧さん達がこのマンションに集まるからという電話だった。
俺と菜都美を事務所に呼ぶより、みんなが俺のところに来た方が早いと言うことだ。
掃除や片付けはしなくてもいい。
食事の支度はしなくてもいい。朝霧さん達が準備をしてくれるらしい。
俺は夕方に、菜都美とお風呂は済ませておいた。
わんこの名前をどうするかの相談かもしれないと思った。
菜都美に作ったぬいぐるみは歌を歌っている。
なんとなく気になるのか、捨てては拾って、俺の声に「んぱ」と呼びながら、歌を聴いている。
「ただいま」
「あっちゃん、お帰り」
「あー、あー、あー」
「菜都美もただいま。あっちゃん帰ってきたよ」
「お風呂は夕方入れておいたよ。朝霧さん達、何時頃来るの?」
「仕事が終わったら、来るらしい」
「本当に何も準備してないよ」
「それでいい。俺も先にシャワーを浴びてくるよ」
「お風呂の湯、まだ溜まってるよ」
「じゃ、少し入ってくるか」
篤志は伊達眼鏡を外し、自分の部屋に入っていった。
「んぱ」
「どうした?」
「わうわう」
「欲しいのか?」
「わうわう」
嫌っているかと思ったが、どうやら気に入ってはいるようだ。
床に落ちているワンワンを拾って、菜都美に持たせると、ワンワンの耳をカジカジしている。
そろそろ歯が生えてくるのかもしれない。
何か噛める物を準備した方がいいのかもしれない。
一人で遊んでいるようなので、床に寝かせると、おとなしくワンワンと遊んでいる。
俺は作りかけのわんこを作る。
配線は入れたが、手足の関節の可動がまだ調節できていない。
パソコンに繋がっているわんこに、指令を与えると関節部分が動く。
今度のわんこは、歩行もお座りもジャンプをするから、足の関節の調節が難しい。けれど、難しい方が遣り甲斐がある。美しいわんこの下には、段ボールとバスタオルを敷いて、ボディーには薄いビニールが巻かれている。一度作った物だから、前の資料を参考にパソコンに数値を打ち込み、足を動かしてみる。いい動きをしたので、今度は立たせてみる。
今度の子は、自分で立ち上がる。
音も静かでなかなか調子がいい。起立したわんこを自分で歩けるようにする。
AIの学習はパソコン内でできているから、後は関節部分だけだ。
菜都美がいないか確認して、足を動かしてみる。微調整して歩かせる。
「んぱ、わうわう」
いつの間にか、菜都美がハイハイしてきて、操作を止める。
「菜都美、新しいワンワンは、まだできてないから、近づくと危ないからね」
「んぱ」
菜都美を抱っこして、リビングの中を歩く。
手には、犬のぬいぐるみを持っている。
「わうわう」
「ワンワン、お話しているね」
「んぱ」
昔話が流れている。
アンデルセン等も入れて置いたので、お話はたくさんある。
歌も入っている。
英語の歌やお話も入っているから、自然に耳に残るだろう。
篤志がお風呂から出てきて、菜都美が持っているぬいぐるみを見つけた。
「真、改造をしたのか?」
ぬいぐるみが篤志の声で『犬のおまわりさん』を歌っていた。
「うん、子守になるかと思ったんだけど、まだ困惑してる感じだ」
「俺の声だな」
「俺の声も入っている」
「面白い物作ったな?」
「自己学習をするから、長く使えると思うよ。ただ電源が電池だから、すぐに交換になりそう」
篤志は、菜都美が持っているぬいぐるみを見ていると、菜都美にぬいぐるみを顔面にぶつけられている。
「菜都美、痛いだろう」
「あー、あー、あー」
「わんわんも痛いと言っているよ」
「あー、あー、あー」
「ごめんしような」
篤志は菜都美の手を持って、ぬいぐるみの頭を撫で撫でした。
『仲直り』とワンワンがおしゃべりした。
0
お気に入りに追加
56
あなたにおすすめの小説

そんなの真実じゃない
イヌノカニ
BL
引きこもって四年、生きていてもしょうがないと感じた主人公は身の周りの整理し始める。自分の部屋に溢れる幼馴染との思い出を見て、どんなパソコンやスマホよりも自分の事を知っているのは幼馴染だと気付く。どうにかして彼から自分に関する記憶を消したいと思った主人公は偶然見た広告の人を意のままに操れるというお香を手に幼馴染に会いに行くが———?
彼は本当に俺の知っている彼なのだろうか。
==============
人の証言と記憶の曖昧さをテーマに書いたので、ハッキリとせずに終わります。
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。


好きなあいつの嫉妬がすごい
カムカム
BL
新しいクラスで新しい友達ができることを楽しみにしていたが、特に気になる存在がいた。それは幼馴染のランだった。
ランはいつもクールで落ち着いていて、どこか遠くを見ているような眼差しが印象的だった。レンとは対照的に、内向的で多くの人と打ち解けることが少なかった。しかし、レンだけは違った。ランはレンに対してだけ心を開き、笑顔を見せることが多かった。
教室に入ると、運命的にレンとランは隣同士の席になった。レンは心の中でガッツポーズをしながら、ランに話しかけた。
「ラン、おはよう!今年も一緒のクラスだね。」
ランは少し驚いた表情を見せたが、すぐに微笑み返した。「おはよう、レン。そうだね、今年もよろしく。」
Take On Me
マン太
BL
親父の借金を返済するため、ヤクザの若頭、岳(たける)の元でハウスキーパーとして働く事になった大和(やまと)。
初めは乗り気でなかったが、持ち前の前向きな性格により、次第に力を発揮していく。
岳とも次第に打ち解ける様になり…。
軽いノリのお話しを目指しています。
※BLに分類していますが軽めです。
※他サイトへも掲載しています。

黄色い水仙を君に贈る
えんがわ
BL
──────────
「ねぇ、別れよっか……俺たち……。」
「ああ、そうだな」
「っ……ばいばい……」
俺は……ただっ……
「うわああああああああ!」
君に愛して欲しかっただけなのに……
悩める文官のひとりごと
きりか
BL
幼い頃から憧れていた騎士団に入りたくても、小柄でひ弱なリュカ・アルマンは、学校を卒業と同時に、文官として騎士団に入団する。方向音痴なリュカは、マルーン副団長の部屋と間違え、イザーク団長の部屋に入り込む。
そこでは、惚れ薬を口にした団長がいて…。
エチシーンが書けなくて、朝チュンとなりました。
ムーンライト様にも掲載しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる