上 下
8 / 76
2   高校に行けるんですか?

1    青龍様が助けてくださった?

しおりを挟む
 朝食を終えた唯は、部屋で寛いでいた。

「唯様、達樹でございます」

 襖の外で達樹が声をかけた。

「はい」

 唯は返事をした。

 みのりが襖に近づき、襖を開けた。

 この二人は、魔術で襖に鍵をかける。

 中にいる唯が、見られたくない姿でいるか確かめてから達樹は襖を開けるか、みのりに開けてもらう。心遣いはありがたい。

 着替えの途中で開けられたら、さすがに恥ずかしい。

 達樹は部屋に入ると、襖に結界をかけ、魔術を使って音を遮断した。

「なにかあったの?」

 唯は赤の着物に黄色い羽織を羽織っている。

 青龍様の贈り物だ。

 一般的に、花姫の正装は白の着物だ。羽織は何色でも構わないのだが。

 唯だけ特別扱いをされて、他の花姫たちは唯に対して風当たりが強くなったが、送り主が青龍様なので、表だって嫌がらせはしてこない。

 達樹とみのりが慎重に守っているお陰でもあるが。

 禊ぎの時に、「私にも贈り物を」と強請っている姿を見るようになった。

 強請っているのは、真優と美鈴の二人だけなのだが。

 唯はその姿を見て、見苦しいなと思ってしまう。

 贈り物は嬉しいが、花姫の白色の絹の着物も着心地がよくて、嫌いではなかった。

 今は、青龍様の好意を受け取り、唯は青龍様の贈り物を身につけている。

「青龍様のお告げがありました」

「どんな?」

「高校へ行ってもよいとのこと。龍道を通っての通学になりますので、車での移動になりますが、唯様は高校へ通いたいですか?」

「通いたい!」

 唯は嬉しくて、大きな声をあげた。

 達樹とみのりが嬉しそうに微笑んでいる。

 唯の嬉しそうな顔は、ここへ来て初めて見た。

「花咲町にある桜花高校になります。私学でゆったりとした校風だとか」

「桜花高校?桜の花?」

「そうでございます。こちらの地方は桜の名所でございます。古い高校ですが、最近、新しい制服に替わったらしく人気の高校のようです」

 唯の表情が明るくなる。

「どんな制服なのかな?可愛いといいな。部活はできるの?」

「あまり遅くまでは外出できません。屋敷の周りには魔物もおりますので」

「この際、我が儘は言わない。この部屋だけにいるのも退屈だし、高校に行けるなら、それだけで嬉しい」

「それでは、唯様は高校へ行かれることを伝えて参ります」

「お願いします」

 唯は達樹に深く頭を下げた。

「唯様、わたくしには頭を下げなくてもいいのですよ。わたくしとみのりは、唯様のお付きの者です。執事にもなりますし、食事当番にもなります。馬になれと言われれば、馬にもなります」

「そんなこと言わないよ。私を守ってくれる大切な人だから」

「勿体ないお言葉痛み入ります」

 達樹とみのりの声が合わさり、二人は唯に深く頭を下げた。

「頭は下げないで、私は家族がいなくなって、とても孤独なの。達樹とみのりが私の新しい家族でしょ?」

 唯はみのりの肩に触れて、その体を揺すった。

 家族と言って欲しかった。

 一人は寂しい。

「唯様」

 みのりが頭を上げると達樹も頭を上げた。

「唯様がそれを望むなら、精一杯勤めさせていただきます」

 唯はみのりと達樹の手を握った。

「なんと清らかな霊気でしょう」

「体が作り替えられていくようです」

 唯はそっと手を放した。ずっと握っていては、二人の仕事の邪魔になってしまう。

「それではわたくしは、唯様が高校へ通えるように準備をして参ります。みのり、唯様を頼みます」

「はい、兄様」

 達樹は襖を開けると、出て行った。

「みのり、青龍様にお礼を言いに行ってもいい?」

「神社ですね。お供いたします」

 唯が立ち上がると、みのりも立ち上がり、襖の結界を開けてくれる。

 みのりが襖を開けて、先に出る。

「唯様どうぞ」

「はい」

 唯が廊下に出ると、みのりは襖を閉めて結界を張る。

「私も、結界をかけられたらいいのに」

「わたしどもの仕事がなくなってしまいます」

 微笑んだみのりの手が、唯の手を取る。


……
…………
………………


「青龍様、高校の通学をお許しくださりありがとうございます。一生懸命勉強に励みます」

 神社で参って、そのまま湖のまわりを散歩する。

 遊歩道ができていて、散歩できるようになっている。

 桜の花がずっと満開で、一般の参拝者も散歩している。

 唯の姿を見ると、皆が会釈していく。唯も会釈を返していく。

「唯様は頭を下げなくてもいいのですよ」

「どうして?挨拶でしょう?」

「他の花姫様たちは、誰も下げません」

 唯は首を傾ける。

「挨拶されたら、挨拶を返すのが普通でしょ?」

「花姫様は特別な方なのですから」

「私は普通の人間で、まだたったの16歳だよ。年上の人に頭を下げることは普通だと思う」

「唯様らしいお言葉ですね」

 唯はみのりの手を放して、山側に駆けだした。

「唯様、どちらへ?」

「なんか鳥が落ちてきたように見えたの」

「近づいてはなりません」

 みのりは急いで唯の前に出て、唯を止めた。

「かわいそう」

 遊歩道から見える下草に、翼から血を流した小鳥が落ちていた。

「自然の宿命です」

 屈み込む唯の横に片膝をついて、みのりは告げた。

「命があるものはいずれ、死を迎えます」

 唯は両手を開いて、じっと自分の手を見つめた。

「救えるかもしれない」

 着物の袂からハンカチを取り出すと、小鳥をハンカチの上に載せた。

「唯様いけません」

 唯は片手で小鳥を支えると、もう片方の手で小鳥に手をかざす。

 治れ、治れと心の中で唱える。

 以前、畳を直したときのように、掌が熱くなり体も熱くなる。

 小鳥の傷が小さくなる。ピクピクと痙攣を起こした後、突然、飛び立った。

「あ、治った?」

 唯の体がゆらりと揺れる。

 急いでみのりは唯の体を支えた。

「兄様」と呼ぶ前に、白銀の長い髪をした男性が近づいてきた。

 光沢のある蒼い着物を着て、同色の羽織を着ている。目は透き通るような青だ。

 強い霊気を感じて、みのりは意識をなくした唯を抱えて、後ずさる。

「私は青龍、人の体を借りて、ここにおる」

 みのりは唯を抱えたまま跪こうとしたが、それを手で止められた。

「唯の体をこちらに」

「はい」

 みのりの手から唯の体を奪うと、龍之介はやっと唯の体に触れられて微笑む。

「美しい花姫だ」

 唯の唇に人差し指でなぞるように触れる。

 指先が白く輝いている。

「接吻の方が霊力を与えられるが、接吻は目覚めたときにした方がよかろう」

 唯の瞼が薄く開いた。

 まだ意識は戻っていないようだ。

「体の負担にならない程度の霊力を注ぎ入れた。すぐに目を覚ますだろうが、しばらく安静にさせるように」

 いつの間にか、達樹もその場に来て、跪いている。

「達樹、唯を」

「はっ」

 達樹は立ち上がると、龍之介の腕から唯の体を抱き上げた。

「治癒の力は霊力を大量に消耗する。使わせないように気をつけてくれ」

「畏まりました」

 達樹が答えると、龍之介の姿は消えていた。

 みのりは跪いて、頭を深く下げていた顔を上げた。

「今のお方が、青龍様なのですね?」

「姿は自由に変えられるのだろう。神様なのだから」

 達樹は先日追い返した男の事を思い出していた。

 あの方も、青龍様だったのかもしれない。

「青龍様、唯様をお助けに来てくださったのですね?」

「青龍様は、いつも唯様を見ていらっしゃるようだ」

 達樹は言って、遊歩道に落ちている草履を見た。

「みのり、草履を。早く屋敷に戻る」

「はい、兄様」

「しばらく安静にさせるようにと、青龍様がおっしゃったのだから」

 みのりは瞬間移動の魔術を使って、屋敷の襖の前に戻った。

 魔術を使い襖の結界を解除すると、急いで襖を開けて、唯を部屋に入れた。

 急いで布団を敷き、羽織と帯だけ脱がせると、布団に寝かせた。

 寝かせると、唯の瞼が開いた。

「みのり、小鳥は?」

「治って飛んでいきましたよ」

「よかった」

 唯は微笑んで、布団の中で寝返りをうって、みのりの方を向く。

「唯様、治癒の力は使ってはなりません。唯様の霊力が消耗して意識を失ってしまいます」

「でも、すぐに目が覚めたんでしょ?」

「青龍様が助けてくださいました」

「青龍様が姿を見せてくださったんですか?」

「唯様を抱きかかえて、唇をなぞり、霊力を注ぎ入れてくださいました」

「口づけされたの?」

 達樹は微笑んだ。

「いいえ、指先でなぞられました」

「ああ、よかった。初めての口づけは起きているときがいいわ」

「口づけではありません。救助処置です」

 唯はクスクス笑いながら「そうだね」と呟いた。

「青龍様が、治癒の力は使ってはならないとおっしゃっていました」

「助けてはいけないの?」

「いけません」

「うん、わかった。誰かを助けると、私が代わりに倒れてしまうのね」

「そのとおりです」

「でも、達樹やみのりが倒れたときは、使わせてね。私の大切な家族なのだから」

「わたしどもが倒れても、使ってはなりません」

「じゃ、何のためにこの力があるの?」

 唯は布団に潜り泣き出した。

「推測ですが、唯様の命を削ってしまうのですよ」

 達樹は静かに、唯に答えを与える。

 唯は小さく頷いた。

「唯様、お眠りください。青龍様が体の負担にならない程度の霊力を与えてくださいましたが、今の唯様の霊力は弱まっております」

「うん、とても眠いの」

 唯は目と閉じて、眠ってしまった。


……
…………
………………


 翌朝、襖を開けると、小鳥が部屋に入ってきて、唯の肩に乗った。

「昨日の子?」

 唯が指先を出すと、小鳥は唯の指先に乗った。

 ピヨピヨと鳴く小鳥は、黒い瞳にオレンジ色の羽が美しい。

「元気になって、よかったね」

 頭を撫でても、おとなしくしている。

「お名前を付けられたらどうですか?」

 みのりが声をかけてくる。

「この子につけてもいいの?」

「唯様がお助けになった小鳥ですから」

 唯はじっとオレンジ色の小鳥を見つめる。

 掌に載ってしまいそうな小鳥は愛らしく、このまま自分のように捕らわれられて欲しくはない。

「リベルテ。フランス語で自由って言葉よ」

「……唯様」

 みのりは唯の顔をじっと見つめる。

 唯は襖から廊下に出ると、小鳥を空に放った。

「リベルテ、自由に。どこにでも行っておいで」

 いったん飛び立った小鳥は、すぐに戻ってきてしまう。

 唯の前で、羽ばたきながら止まっている。

「唯様の元にいたいのかもしれませんね」

 達樹が唯の隣に立ち、指をあげる。

 小鳥は達樹の指にとまり、ピヨピヨと鳴き続けている。

「私と一緒にいると、自由がなくなってしまうよ」

 唯が指先を出すと、小鳥は唯の指にとまった。

「可愛らしい」

 強ばっていた顔から笑みが浮かんだ。

 隣の部屋から真優が出てきて、唯はさりげなく部屋に入る。

 みのりが唯の体を支えている。

「仮にも先輩の私に挨拶もないの?ちょっと青龍様に気に入られているからって、いい気にならないでね」

「真優様、失礼したします」

 達樹は軽く会釈をすると、襖を閉じた。

「ごめんなさい。私が挨拶しなかったから」

「いえ、気になさらないでください」

 唯は座布団に足を崩して座った。

 小鳥は畳に下りて羽繕いを始めた。

 今朝の禊ぎで、唯は真優と美鈴の二人に川の深みに押された。

 足を滑らせ転ぶだけで済んだが、頭からぐっしょり冷水に浸かった。

 そのとき足を捻って、足首が腫れてしまった。

 先ほど、唯の体の身体検査をした医師、青波に診察をされたばかりだ。

 湿布を出されて、足首に湿布を貼って固定されている。

「達樹、リベルテが自由にこの部屋から出られるようにできる?」

「できますよ」

「リベルテに自由を」

「畏まりました」

 達樹が襖の結界を変えている。

 リベルテは羽ばたくが、唯から離れない。

 部屋の中で、小鳥が鳴くだけで癒やされる。

 その日から、リベルテは唯の部屋の住人なった。

 
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【完結】【R18】男色疑惑のある公爵様の契約妻となりましたが、気がついたら愛されているんですけれど!?

夏琳トウ(明石唯加)
恋愛
「俺と結婚してくれたら、衣食住完全補償。なんだったら、キミの実家に支援させてもらうよ」 「え、じゃあ結婚します!」 メラーズ王国に住まう子爵令嬢マーガレットは悩んでいた。 というのも、元々借金まみれだった家の財政状況がさらに悪化し、ついには没落か夜逃げかという二択を迫られていたのだ。 そんな中、父に「頼むからいい男を捕まえてこい!」と送り出された舞踏会にて、マーガレットは王国の二大公爵家の一つオルブルヒ家の当主クローヴィスと出逢う。 彼はマーガレットの話を聞くと、何を思ったのか「俺と契約結婚しない?」と言ってくる。 しかし、マーガレットはためらう。何故ならば……彼には男色家だといううわさがあったのだ。つまり、形だけの結婚になるのは目に見えている。 そう思ったものの、彼が提示してきた条件にマーガレットは飛びついた。 そして、マーガレットはクローヴィスの(契約)妻となった。 男色家疑惑のある自由気ままな公爵様×貧乏性で現金な子爵令嬢。 二人がなんやかんやありながらも両想いになる勘違い話。 ◆hotランキング 10位ありがとうございます……! ―― ◆掲載先→アルファポリス、ムーンライトノベルズ、エブリスタ

未亡人メイド、ショタ公爵令息の筆下ろしに選ばれる。ただの性処理係かと思ったら、彼から結婚しようと告白されました。【完結】

高橋冬夏
恋愛
騎士だった夫を魔物討伐の傷が元で失ったエレン。そんな悲しみの中にある彼女に夫との思い出の詰まった家を火事で無くすという更なる悲劇が襲う。 全てを失ったエレンは娼婦になる覚悟で娼館を訪れようとしたときに夫の雇い主と出会い、だたのメイドとしてではなく、幼い子息の筆下ろしを頼まれてしまう。 断ることも出来たが覚悟を決め、子息の性処理を兼ねたメイドとして働き始めるのだった。

断る――――前にもそう言ったはずだ

鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」  結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。  周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。  けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。  他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。 (わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)  そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。  ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。  そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?

異世界転移したら、推しのガチムチ騎士団長様の性癖が止まりません

冬見 六花
恋愛
旧題:ロングヘア=美人の世界にショートカットの私が転移したら推しのガチムチ騎士団長様の性癖が開花した件 異世界転移したアユミが行き着いた世界は、ロングヘアが美人とされている世界だった。 ショートカットのために醜女&珍獣扱いされたアユミを助けてくれたのはガチムチの騎士団長のウィルフレッド。 「…え、ちょっと待って。騎士団長めちゃくちゃドタイプなんですけど!」 でもこの世界ではとんでもないほどのブスの私を好きになってくれるわけない…。 それならイケメン騎士団長様の推し活に専念しますか! ―――――【筋肉フェチの推し活充女アユミ × アユミが現れて突如として自分の性癖が目覚めてしまったガチムチ騎士団長様】 そんな2人の山なし谷なしイチャイチャエッチラブコメ。 ●ムーンライトノベルズで掲載していたものをより糖度高めに改稿してます。 ●11/6本編完結しました。番外編はゆっくり投稿します。 ●11/12番外編もすべて完結しました! ●ノーチェブックス様より書籍化します!

元男爵令嬢ですが、物凄く性欲があってエッチ好きな私は現在、最愛の夫によって毎日可愛がられています

一ノ瀬 彩音
恋愛
元々は男爵家のご令嬢であった私が、幼い頃に父親に連れられて訪れた屋敷で出会ったのは当時まだ8歳だった、 現在の彼であるヴァルディール・フォルティスだった。 当時の私は彼のことを歳の離れた幼馴染のように思っていたのだけれど、 彼が10歳になった時、正式に婚約を結ぶこととなり、 それ以来、ずっと一緒に育ってきた私達はいつしか惹かれ合うようになり、 数年後には誰もが羨むほど仲睦まじい関係となっていた。 そして、やがて大人になった私と彼は結婚することになったのだが、式を挙げた日の夜、 初夜を迎えることになった私は緊張しつつも愛する人と結ばれる喜びに浸っていた。 ※この物語はフィクションです。 R18作品ですので性描写など苦手なお方や未成年のお方はご遠慮下さい。

清廉潔白な神官長様は、昼も夜もけだもの。

束原ミヤコ
恋愛
ルナリア・クリーチェは、没落に片足突っ込んだ伯爵家の長女である。 伯爵家の弟妹たちのために最後のチャンスで参加した、皇帝陛下の花嫁選びに失敗するも、 皇帝陛下直々に、結婚相手を選んで貰えることになった。 ルナリアの結婚相手はレーヴェ・フィオレイス神官長。 レーヴェを一目見て恋に落ちたルナリアだけれど、フィオレイス家にはある秘密があった。 優しくて麗しくて非の打ち所のない美丈夫だけれど、レーヴェは性欲が強く、立場上押さえ込まなければいけなかったそれを、ルナリアに全てぶつける必要があるのだという。 それから、興奮すると、血に混じっている九つの尻尾のある獣の神の力があふれだして、耳と尻尾がはえるのだという。 耳と尻尾がはえてくる変態にひたすら色んな意味で可愛がられるルナリアの話です。

裏切りの先にあるもの

マツユキ
恋愛
侯爵令嬢のセシルには幼い頃に王家が決めた婚約者がいた。 結婚式の日取りも決まり数か月後の挙式を楽しみにしていたセシル。ある日姉の部屋を訪ねると婚約者であるはずの人が姉と口づけをかわしている所に遭遇する。傷つくセシルだったが新たな出会いがセシルを幸せへと導いていく。

[R18]引きこもりの男爵令嬢〜美貌公爵様の溺愛っぷりについていけません〜

くみ
恋愛
R18作品です。 18歳未満の方の閲覧はご遠慮下さい。 男爵家の令嬢エリーナ・ネーディブは身体が弱くほとんどを屋敷の中で過ごす引きこもり令嬢だ。 そのせいか極度の人見知り。 ある時父からいきなりカール・フォード公爵が婚姻をご所望だと聞かされる。 あっという間に婚約話が進み、フォード家へ嫁ぐことに。 内気で初心な令嬢は、美貌の公爵に甘く激しく愛されてー?

処理中です...