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3 結婚
3 結婚式(2)
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アリアはすぐにお風呂に入れてもらった。
昼間に入った時よりお風呂が広くなっている。お風呂の横になるだけの小さなベッドが置かれていて、洗い場も広くなっている。
昼間は森林浴のような景色だったのに、今度は星が煌めいている。
「これは宇宙という景色だべ」
「宇宙?」
「夜空のもっと遠くを宇宙と呼ぶとご主人様が言っておいでだったべ」
ミーネに教わって、温泉に入る。
流れ星が幾筋も流れていく。とても美しい。
「奥様、あまり長湯をされるとのぼせてしまうだべ」
「うん、そうね」
お湯から上がると、身体を昼間より丁寧に洗われる。
「ミーネくすぐったいわ」
「今日は儀式があるとご主人様が言っておいでだったべ」
「そうね、儀式があるなら、綺麗に清めなくては」
聖女の儀式でも、特別な儀式の時は、特に綺麗に洗うように言われていた。
ミーネに身体を委ねて、綺麗にしてもらう。
「ベッドに横になってくださいだ」
ベッドの上には大きなタオルが敷かれている。そこに横になると、顔をマッサージされて、もちもちの肌になった。次はいい香りのするオイルで体中マッサージされて、胸も背中もつま先まですべすべになった。
ガウンを着せられ、部屋履きのサンダルを履いて部屋に戻ると、ドレッサーの前に座って、顔のお手入れをして、髪を綺麗に梳かしてくれる。
「少し待ってください。お茶を淹れて来ますだ」
ミーネは1人で手際よく、お茶を淹れて、カップを持って戻って来た。カップをドレッサーの上に置くと、髪を乾かしてくれる。温風と冷風を使って、綺麗なストレートの髪にしてくれた。
「お茶で火傷をしないように気をつけてください」
「ありがとう」
ミーネが嬉しそうに微笑んだ。
白い尻尾がゆらゆら左右に揺れている。
嬉しいときは尻尾が左右に揺れるのね。とても愛らしい。
白い耳がピコと出てきて、ピクピク動く。
「ご主人様の足音が聞こえますだ」
「ランス様の?」
「そうだべ、軽やかに歩いているだべ」
耳がピクピク動いて、可愛い。
「今は階段を上がって来ているだべ」
ミーネの尻尾が早く揺れ出す。
「3.2.1.だべ」
扉がノックされて、ミーネは小走りに走って、扉を開けた。
ミーネは丁寧にお辞儀をしている。
「ミーネ、耳と尻尾が出ているよ」
「ひゃ!」
ピコッと耳も尻尾も引っ込んだ。
「ランス様、ミーネの尻尾も耳も可愛いわ。出ていても叱らないで」
「アリアが言うなら、叱るのはよそう。ミーネ良かったな」
「はいですだ」
「方言も出ているが・・・・・・」
「可愛いわ」
「欠点を可愛いと言われて良かったな。だが、他の使用人の前では、しっかりしないと叱られるぞ」
「はいですだ」
「ほら、また方言だ。はいと言ってみろ」
「はい」
「できるではないか」
「はいですだ」
エスペランスとミーネの会話を聞いていたら、おかしくて笑える。
「お姫様が笑ったな」
「だって、可笑しいんですもの」
「お姫様、今日のドレスだ。私が選んだ。着てくれるかな?」
「喜んで」
背後から出されたドレスは、光沢のある白いドレスだった。
丈は短めで背後へと長くなっている。
背中は大きく開いているように見える。
「ミーネ着せてくれ」
「畏まりましただ」
洋服部屋で、ドレスを身につける。
デコルテは出て、背中はリボンで編むように結んでいく。最後はリボンのように結ばれた。
前は膝上15㎝のスカート丈だが、フリルが可愛い。背後は踝まであるデザインだ。
部屋に出て行くと、エスペランスは嬉しそうに微笑んだ。
「とても似合う」
「スカートが短いわ」
「情熱的だ」
母の形見のネックレスを握っていると、エスペランスはそのネックレスを外した。
「今日はネックレスはなしだ」
「お母様が一緒に参列されますわ」
「儀式は2人で行うものと決まっておる」
「わかりました」
アリアは、ネックレスをドレッサーの上に置いた。
「私が見張っています。安心して行ってきてください」
ミーネは深く頭を下げた。
「お願いします」
ミーネがにっこり笑う。アリアはミーネに母のネックレスを預けると、エスペランスと一緒に部屋から出て行った。
昼間に入った時よりお風呂が広くなっている。お風呂の横になるだけの小さなベッドが置かれていて、洗い場も広くなっている。
昼間は森林浴のような景色だったのに、今度は星が煌めいている。
「これは宇宙という景色だべ」
「宇宙?」
「夜空のもっと遠くを宇宙と呼ぶとご主人様が言っておいでだったべ」
ミーネに教わって、温泉に入る。
流れ星が幾筋も流れていく。とても美しい。
「奥様、あまり長湯をされるとのぼせてしまうだべ」
「うん、そうね」
お湯から上がると、身体を昼間より丁寧に洗われる。
「ミーネくすぐったいわ」
「今日は儀式があるとご主人様が言っておいでだったべ」
「そうね、儀式があるなら、綺麗に清めなくては」
聖女の儀式でも、特別な儀式の時は、特に綺麗に洗うように言われていた。
ミーネに身体を委ねて、綺麗にしてもらう。
「ベッドに横になってくださいだ」
ベッドの上には大きなタオルが敷かれている。そこに横になると、顔をマッサージされて、もちもちの肌になった。次はいい香りのするオイルで体中マッサージされて、胸も背中もつま先まですべすべになった。
ガウンを着せられ、部屋履きのサンダルを履いて部屋に戻ると、ドレッサーの前に座って、顔のお手入れをして、髪を綺麗に梳かしてくれる。
「少し待ってください。お茶を淹れて来ますだ」
ミーネは1人で手際よく、お茶を淹れて、カップを持って戻って来た。カップをドレッサーの上に置くと、髪を乾かしてくれる。温風と冷風を使って、綺麗なストレートの髪にしてくれた。
「お茶で火傷をしないように気をつけてください」
「ありがとう」
ミーネが嬉しそうに微笑んだ。
白い尻尾がゆらゆら左右に揺れている。
嬉しいときは尻尾が左右に揺れるのね。とても愛らしい。
白い耳がピコと出てきて、ピクピク動く。
「ご主人様の足音が聞こえますだ」
「ランス様の?」
「そうだべ、軽やかに歩いているだべ」
耳がピクピク動いて、可愛い。
「今は階段を上がって来ているだべ」
ミーネの尻尾が早く揺れ出す。
「3.2.1.だべ」
扉がノックされて、ミーネは小走りに走って、扉を開けた。
ミーネは丁寧にお辞儀をしている。
「ミーネ、耳と尻尾が出ているよ」
「ひゃ!」
ピコッと耳も尻尾も引っ込んだ。
「ランス様、ミーネの尻尾も耳も可愛いわ。出ていても叱らないで」
「アリアが言うなら、叱るのはよそう。ミーネ良かったな」
「はいですだ」
「方言も出ているが・・・・・・」
「可愛いわ」
「欠点を可愛いと言われて良かったな。だが、他の使用人の前では、しっかりしないと叱られるぞ」
「はいですだ」
「ほら、また方言だ。はいと言ってみろ」
「はい」
「できるではないか」
「はいですだ」
エスペランスとミーネの会話を聞いていたら、おかしくて笑える。
「お姫様が笑ったな」
「だって、可笑しいんですもの」
「お姫様、今日のドレスだ。私が選んだ。着てくれるかな?」
「喜んで」
背後から出されたドレスは、光沢のある白いドレスだった。
丈は短めで背後へと長くなっている。
背中は大きく開いているように見える。
「ミーネ着せてくれ」
「畏まりましただ」
洋服部屋で、ドレスを身につける。
デコルテは出て、背中はリボンで編むように結んでいく。最後はリボンのように結ばれた。
前は膝上15㎝のスカート丈だが、フリルが可愛い。背後は踝まであるデザインだ。
部屋に出て行くと、エスペランスは嬉しそうに微笑んだ。
「とても似合う」
「スカートが短いわ」
「情熱的だ」
母の形見のネックレスを握っていると、エスペランスはそのネックレスを外した。
「今日はネックレスはなしだ」
「お母様が一緒に参列されますわ」
「儀式は2人で行うものと決まっておる」
「わかりました」
アリアは、ネックレスをドレッサーの上に置いた。
「私が見張っています。安心して行ってきてください」
ミーネは深く頭を下げた。
「お願いします」
ミーネがにっこり笑う。アリアはミーネに母のネックレスを預けると、エスペランスと一緒に部屋から出て行った。
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