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第4章
91 結婚式
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私がお産をして一ヶ月が経った。
ウェントゥスの一ヶ月検診でも、異常はなかった。
教会に行って洗礼を受けた。
そろそろ辺境区に戻る時期に、お兄様とサーシャがやって来た。
「ニナが辺境区に行く前に、結婚式をしたいと思っている。参加してくれるか?」
「勿論、参加させてもらうわ。お兄様、サーシャおめでとう」
「ニナお姉様、ありがとうございます」とサーシャは答えた。
サーシャは出会った頃より、身長も伸びて、もう痩せ細ってはいない。
思った通り、サーシャは美しく成長している。
「中央都市の中心にある教会で式を挙げる。よかったら、レインと来てくれ」と、招待状をくれた。
サーシャは幸せそうな顔をしている。
日付は、その週の最後の日になっていたのは、私達が旅立つから、急いだように感じたが、一度、辺境区に戻れば、中央都市には簡単に戻って来られないからだ。
子供もできたので、以前より難しくなるはずだ。
お兄様はお見舞いに、私の好物のマフィンとクリームたっぷりのシフォンケーキを買ってきてくれた。
それを食べながら、お茶を飲む。
慌ただしいレインも、急いで来てくれた。
「リック、結婚、おめでとう」とレインは言う。
「ずいぶん若い嫁だ」と言ったので、私はレインの足を踏んだ。
「ああ、分かっている。血を継ぐのだな。リックも辺境区に来てくれ。手が足りない」
「俺も忙しいのだ。可愛い嫁と嫁の弟が、まだ甘えたがりなのでな。でも、いつか、ブルーリングス王国に行くよ。俺もブルーリングス王国の民だ」
「いつでも歓迎する」
レインは、お兄様を学校の教師にしたいのだ。
お兄様は、ニクス王国の役所で議長をしている。とても多忙なはずだが、仕事が早いのだ。仕事は定時で終えて帰ってくる。
議長と言えば、もっと年齢がいっている年寄りがなっていそうだが、お兄様は、中央都市をもっと快適にしたいと提案したことを、実際に行い、民から絶大な信頼を受けて、選挙で勝ち取ってきている。
お兄様が本当は優しい人だと気づいていない頃は、どうしてお兄様が議長に選ばれるのだろうと、理由が分からなかった。けれど、実際のお兄様は本当に信頼できると思える。昔の私は、お兄様の何処を見ていたのだろうと思う。
リリーのことも、守られていた事に少しも気づかずにいた。
二人はお茶を飲んだら、帰って行った。
私も引っ越しの準備がある。
この中央都市に戻ってくるのは、きっとずっと先になるのだろう。
アリスさんから届けられる洋服を、マリア達と片付ける。
ルーナの洋服やオモチャも纏めて片付ける。
荷物を運ぶ馬車は、いっぱい物が積まれていく。
シュロは辺境区に行くのが不安になったと申し出があったので、中央都市に残ることを勧めた。
私が入院した日、シュロはずる休みをして、デートをしていたと言った。それを父親に知られ、結婚したいのなら、辞退しなさいと言われたようです。
まだ若いシェロに無理は言えませんので、「お幸せに。今までありがとう」とお礼を言った。
あっという間に、お兄様とサーシャの結婚式が行われた。
驚くことに、両親は来ていない。
レアルタと私達一家だけの、こじんまりした結婚式だった。
可愛いサーシャは、ウエディングドレスを着ると美しい。
二人ともお似合いです。
サーシャは宣誓もきちんとできました。
結婚式が終わると、シェフも自宅から連れてきて、パーティーも開かれた。
レアルタは、辺境区の学校に入学させると言っていた。
お兄様は、レアルタを頼むと言った。
年齢的に学校に入れる時期だったのもあって、新しい学校に行ってみたいと自分から言い出したそうです。
自分で技術を磨いて、将来は自立しなくてはならないので、辺境区の学校はレアルタにあった学校であると思う。
私はお兄様とサーシャに、責任を持ちレアルタを支えると約束した。
「ニナお姉様、よろしくお願いします」と言って、私の横に立っているレインをチラチラと見ている。
紹介をしてなかったことに気づいて、レインの正体をサーシャとレアルタに話したら、レアルタは、驚いて硬直していた。
「ニナの家族は、俺の家族だ。レアルタ、学校に歓迎する。将来、どんな道に進みたいかよく考えておくといい。リックとも相談しておくといい」とレインはレアルタに助言をした。
二人の結婚式を終えると、最後にレインはエイドリックと姉妹協定と友好国の協定を結んだ。
ヴィオレ王女との結婚式までは、待てないと思い、先に書面にて約束をした。
最近、ヴィオレ王女は国に帰りたいと言い出したそうです。
話しを聞くと、ヴィオレ王女には思い人がいて、その人に会いたいという。
「私は元々、彼と結ばれていたので、清い身ではなかったのです。エイドリック王子は優しく、私を慰めてくださいましたが、私はエイドリック王子に相応しくありません」
驚愕な告白を聞いたエイドリック王子は、私達に救いをもとめています。
ですが、この結婚は国同士で決められて、ヴィオレ王女は妾になっても、エイドリック王子の所有物になるはずであった。
エイドリック王子は国王陛下に相談した。
国王陛下は、プルルス王国の国王陛下に手紙を書いた。
プルルス王国からは、プルルス王国の国王陛下一同がやって来て、ヴィオレ王女を叱っている。ヴィオレ王女の思い人を処刑するとまで話が進んで、ヴィオレ王女は「彼のことを諦めるから、殺さないで」と泣き出して、エイドリック王子は、すっかりヴィオレ王女のことに冷めてしまった。
「ヴィオレ王女、国に戻って、思い人と一緒になれ」とヴィオレ王女にエイドリック王子は言った。
「そうとは言わずに、ヴィオレをエイドリック様の嫁に、嫁が駄目なら妾にしてください」とプルルス王国の国王陛下は土下座している。
「俺は自分も辛いときに、彼女につきっきりで慰めた。俺を好きになっていくと思っていたのに、思い人に会いたいと言う彼女に幻滅している。このまま結婚しても、俺がヴィオレ王女のことを愛せない。早めに国に連れて帰ってくれ」とエイドリック王子は言った。
プルルス王国の国王陛下は、ニクス王国の国王陛下とエイドリック王子に謝罪した。他の娘は、まだ幼く嫁に相応しくないが、その娘でも良ければ、献上いたします」とプルルス王国の国王陛下は、エイドリック王子に縋り付いている。
「なにも要らぬ。我が国で学びたいことは、ブルーリングス王国にできた学校で教えているであろう。専門分野の先生が教えるであろう。そちらに入学させたらどうだ?」と、エイドリック王子は素っ気なく言った。
「レイン、話を聞いてやれ」
話を振られたレインは、紙に書かれた学校のパンフレットをプルルス王国の国王陛下に見せて、専門学部の説明を始めた。
プルルス王国は電気の発達と医学分野の知識を得たいと言っていた。
レインの作った学校は、どちらも専門の先生が教える。
専門学部の授業料を見て、プルルス王国の国王陛下は眉を寄せる。
レインは、奨学金制度についての説明書きも手渡した。
姫を売るのではなく、お金で解決できる。
しかも、即金ではなく、稼いだお金で返済できるのだ。
とても、親切だ。
「国王陛下、娘を売るのではなく、正式な学校に通うといい」と、ニクス王国の国王陛下は言った。
プルルス王国の国王陛下は、ヴィオレ王女を連れて、深くお辞儀をして、レインに上位学部の試験日の確認をして帰って行った。
「さて、エイドリック、婚約者はいなくなったが、どうするつもりだ?父にまだ仕事をしろというのか?」
「どこかに、よい嫁はいないか?」
「早急にパーティーを行い、令嬢を探さなくては」
「ご迷惑をおかけいたします」
エイドリック王子は、また婚約者を失ってしまった。
決して、エイドリック王子の見た目が悪い訳ではない。
寧ろ、エイドリック王子はハンサムで、指導力もあり、優しい。
どうして、何度もエイドリック王子は上手く婚礼までいかないのだろう?
「エイドリック、優しいだけでは足りないのではないか?欲しいと求めないといい人止まりだ」と、レインが言った。
エイドリック王子は、レインに抱きつき、「レインは俺の親友だ」と言っている。
「俺にはニナという嫁がいる。エイドリックも好きになった女の子に好きだと言わせろ。いい人止まりではなく。きちんと結ばれろ」とレインは助言をしているが、エイドリック王子は優しいのだと思う。
きっと互いに求め合いたいのだと思う。
今度こそ、エイドリック王子に相応しい乙女が現れるといいと思う。
ウェントゥスの一ヶ月検診でも、異常はなかった。
教会に行って洗礼を受けた。
そろそろ辺境区に戻る時期に、お兄様とサーシャがやって来た。
「ニナが辺境区に行く前に、結婚式をしたいと思っている。参加してくれるか?」
「勿論、参加させてもらうわ。お兄様、サーシャおめでとう」
「ニナお姉様、ありがとうございます」とサーシャは答えた。
サーシャは出会った頃より、身長も伸びて、もう痩せ細ってはいない。
思った通り、サーシャは美しく成長している。
「中央都市の中心にある教会で式を挙げる。よかったら、レインと来てくれ」と、招待状をくれた。
サーシャは幸せそうな顔をしている。
日付は、その週の最後の日になっていたのは、私達が旅立つから、急いだように感じたが、一度、辺境区に戻れば、中央都市には簡単に戻って来られないからだ。
子供もできたので、以前より難しくなるはずだ。
お兄様はお見舞いに、私の好物のマフィンとクリームたっぷりのシフォンケーキを買ってきてくれた。
それを食べながら、お茶を飲む。
慌ただしいレインも、急いで来てくれた。
「リック、結婚、おめでとう」とレインは言う。
「ずいぶん若い嫁だ」と言ったので、私はレインの足を踏んだ。
「ああ、分かっている。血を継ぐのだな。リックも辺境区に来てくれ。手が足りない」
「俺も忙しいのだ。可愛い嫁と嫁の弟が、まだ甘えたがりなのでな。でも、いつか、ブルーリングス王国に行くよ。俺もブルーリングス王国の民だ」
「いつでも歓迎する」
レインは、お兄様を学校の教師にしたいのだ。
お兄様は、ニクス王国の役所で議長をしている。とても多忙なはずだが、仕事が早いのだ。仕事は定時で終えて帰ってくる。
議長と言えば、もっと年齢がいっている年寄りがなっていそうだが、お兄様は、中央都市をもっと快適にしたいと提案したことを、実際に行い、民から絶大な信頼を受けて、選挙で勝ち取ってきている。
お兄様が本当は優しい人だと気づいていない頃は、どうしてお兄様が議長に選ばれるのだろうと、理由が分からなかった。けれど、実際のお兄様は本当に信頼できると思える。昔の私は、お兄様の何処を見ていたのだろうと思う。
リリーのことも、守られていた事に少しも気づかずにいた。
二人はお茶を飲んだら、帰って行った。
私も引っ越しの準備がある。
この中央都市に戻ってくるのは、きっとずっと先になるのだろう。
アリスさんから届けられる洋服を、マリア達と片付ける。
ルーナの洋服やオモチャも纏めて片付ける。
荷物を運ぶ馬車は、いっぱい物が積まれていく。
シュロは辺境区に行くのが不安になったと申し出があったので、中央都市に残ることを勧めた。
私が入院した日、シュロはずる休みをして、デートをしていたと言った。それを父親に知られ、結婚したいのなら、辞退しなさいと言われたようです。
まだ若いシェロに無理は言えませんので、「お幸せに。今までありがとう」とお礼を言った。
あっという間に、お兄様とサーシャの結婚式が行われた。
驚くことに、両親は来ていない。
レアルタと私達一家だけの、こじんまりした結婚式だった。
可愛いサーシャは、ウエディングドレスを着ると美しい。
二人ともお似合いです。
サーシャは宣誓もきちんとできました。
結婚式が終わると、シェフも自宅から連れてきて、パーティーも開かれた。
レアルタは、辺境区の学校に入学させると言っていた。
お兄様は、レアルタを頼むと言った。
年齢的に学校に入れる時期だったのもあって、新しい学校に行ってみたいと自分から言い出したそうです。
自分で技術を磨いて、将来は自立しなくてはならないので、辺境区の学校はレアルタにあった学校であると思う。
私はお兄様とサーシャに、責任を持ちレアルタを支えると約束した。
「ニナお姉様、よろしくお願いします」と言って、私の横に立っているレインをチラチラと見ている。
紹介をしてなかったことに気づいて、レインの正体をサーシャとレアルタに話したら、レアルタは、驚いて硬直していた。
「ニナの家族は、俺の家族だ。レアルタ、学校に歓迎する。将来、どんな道に進みたいかよく考えておくといい。リックとも相談しておくといい」とレインはレアルタに助言をした。
二人の結婚式を終えると、最後にレインはエイドリックと姉妹協定と友好国の協定を結んだ。
ヴィオレ王女との結婚式までは、待てないと思い、先に書面にて約束をした。
最近、ヴィオレ王女は国に帰りたいと言い出したそうです。
話しを聞くと、ヴィオレ王女には思い人がいて、その人に会いたいという。
「私は元々、彼と結ばれていたので、清い身ではなかったのです。エイドリック王子は優しく、私を慰めてくださいましたが、私はエイドリック王子に相応しくありません」
驚愕な告白を聞いたエイドリック王子は、私達に救いをもとめています。
ですが、この結婚は国同士で決められて、ヴィオレ王女は妾になっても、エイドリック王子の所有物になるはずであった。
エイドリック王子は国王陛下に相談した。
国王陛下は、プルルス王国の国王陛下に手紙を書いた。
プルルス王国からは、プルルス王国の国王陛下一同がやって来て、ヴィオレ王女を叱っている。ヴィオレ王女の思い人を処刑するとまで話が進んで、ヴィオレ王女は「彼のことを諦めるから、殺さないで」と泣き出して、エイドリック王子は、すっかりヴィオレ王女のことに冷めてしまった。
「ヴィオレ王女、国に戻って、思い人と一緒になれ」とヴィオレ王女にエイドリック王子は言った。
「そうとは言わずに、ヴィオレをエイドリック様の嫁に、嫁が駄目なら妾にしてください」とプルルス王国の国王陛下は土下座している。
「俺は自分も辛いときに、彼女につきっきりで慰めた。俺を好きになっていくと思っていたのに、思い人に会いたいと言う彼女に幻滅している。このまま結婚しても、俺がヴィオレ王女のことを愛せない。早めに国に連れて帰ってくれ」とエイドリック王子は言った。
プルルス王国の国王陛下は、ニクス王国の国王陛下とエイドリック王子に謝罪した。他の娘は、まだ幼く嫁に相応しくないが、その娘でも良ければ、献上いたします」とプルルス王国の国王陛下は、エイドリック王子に縋り付いている。
「なにも要らぬ。我が国で学びたいことは、ブルーリングス王国にできた学校で教えているであろう。専門分野の先生が教えるであろう。そちらに入学させたらどうだ?」と、エイドリック王子は素っ気なく言った。
「レイン、話を聞いてやれ」
話を振られたレインは、紙に書かれた学校のパンフレットをプルルス王国の国王陛下に見せて、専門学部の説明を始めた。
プルルス王国は電気の発達と医学分野の知識を得たいと言っていた。
レインの作った学校は、どちらも専門の先生が教える。
専門学部の授業料を見て、プルルス王国の国王陛下は眉を寄せる。
レインは、奨学金制度についての説明書きも手渡した。
姫を売るのではなく、お金で解決できる。
しかも、即金ではなく、稼いだお金で返済できるのだ。
とても、親切だ。
「国王陛下、娘を売るのではなく、正式な学校に通うといい」と、ニクス王国の国王陛下は言った。
プルルス王国の国王陛下は、ヴィオレ王女を連れて、深くお辞儀をして、レインに上位学部の試験日の確認をして帰って行った。
「さて、エイドリック、婚約者はいなくなったが、どうするつもりだ?父にまだ仕事をしろというのか?」
「どこかに、よい嫁はいないか?」
「早急にパーティーを行い、令嬢を探さなくては」
「ご迷惑をおかけいたします」
エイドリック王子は、また婚約者を失ってしまった。
決して、エイドリック王子の見た目が悪い訳ではない。
寧ろ、エイドリック王子はハンサムで、指導力もあり、優しい。
どうして、何度もエイドリック王子は上手く婚礼までいかないのだろう?
「エイドリック、優しいだけでは足りないのではないか?欲しいと求めないといい人止まりだ」と、レインが言った。
エイドリック王子は、レインに抱きつき、「レインは俺の親友だ」と言っている。
「俺にはニナという嫁がいる。エイドリックも好きになった女の子に好きだと言わせろ。いい人止まりではなく。きちんと結ばれろ」とレインは助言をしているが、エイドリック王子は優しいのだと思う。
きっと互いに求め合いたいのだと思う。
今度こそ、エイドリック王子に相応しい乙女が現れるといいと思う。
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