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4 色欲は命を削る斧
・・・
しおりを挟む「あ、あっ・・・もうっ・・・」
駄目!
息も切れ切れで、喘いでいるオレの中に、ひときわ強く打ち込んで、薫はディープに舌を絡めてきた。
オレの中で薫が弾け、熱い蜜で満たされる。
もうお腹はいっぱいだし、窒息寸前で頭もくらくらだ。
クチュと舌が鳴ると、薫をいっぱいに含んだ蕾もクチュクチュとエッチな音を奏でる。
「もう、許して・・・ぁっ」
朝からしつこすぎる愛撫に、精も根もつきそうだ。
今日は球技大会の練習だってあるのに、首の付け根を痛いくらいに吸い付けて、薫はくすっと笑う。
「だって、優は俺に構ってもらえなくて、欲求不満なんだろう?」
土日に薫に溺れまくっていたオレだったが、さすがに学校が始まると、終始一緒にいることもできなくなった。その上、薫はなにやら用があるとかで、外出が多く、帰宅も遅い。
朝出かけるときに部屋を覗くと眠っているので、起こすことも憚られ、結局、会話もほとんどない。
薫のスマホに電話をするかチャットルームにメールを送れば連絡を取れるかもしれないが、迷惑をかけ、嫌われるのが怖くて、それもできない。
昨夜は薫のベッドで薫を待ちながら眠ってしまった。
それに、昨日、移動教室へ移動しているときに、篤に愚痴っているいるところを、偶然聞かれてしまったのだ。
『薫とはほとんど会わないし、仲直りしたことが、夢みたいだ』とかなんとか。だけど、欲求不満だとは言ってない。
「違うって、薫、忙しそうだって・・・ぁっ」
しつこすぎる愛撫は、再び胸に。
オレの胸は薫につけられたキスマークでいっぱいだ。
胸や腹、下腹のきわどい場所まで。
とても人前で着替えなどできない。今も胸の尖りを指先で潰しながら、ツンと起ちあがった先端の際に、痛いくらいに吸い付いて、またひとつ新しいキスマークをこしらえている。
「くだらん野暮用もそろそろ落ち着くと思うから、もうちょっと待ってろよ」
「ひゃっ、薫、薫っ」
いくら弾けてもオレの中で息づいている薫は、元気にオレの中を擦りあげ叩きつける。
「寂しくて、野獣の篤の誘いに、うっかり乗ったりするなよ」
「ゃっ、薫、ぁっ、・・・壊れるっ、壊れちゃうっ」
グイッと足を持ち上げられ薫の両肩に載せられると、ガツンガツンと腰を打ち付けられる。
もう頭の中は、打ち上げ花火の大連発だ。
痛みと紙一重の快感が、とめどなく弾けて、花火の白煙で頭の中は真っ白になってしまう。
「間違っても、誘ったりするなよ」
ヒュルルルと最後の花火が天空に散った。
それは甘美で陶酔の極みみたいな。
「ああああっ・・・」
呼吸困難になったオレに、トドメのキスをして、薫もオレの中で甘い蜜を放っていた。
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