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番外編 クリマ・オペラシオン子爵令嬢 私は華よ
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学校行事の春の花祭り祭が行われます。
私は、もう二年、この花馬車にイグレッシア王子と一緒に乗っているのよ。
今年も選ばれましたから、三年、ご一緒になるのよ。
「凄いな、クリマ」
「殿下もさすが人気がありますわ」
そうです。
人気投票で、決められますの。
令嬢を決めるのは殿方で、殿方を決めるのは令嬢ですの。
私は三年、殿方に選ばれておりますの。
接戦の時もございましたが、投票の数は誤魔化しようがありません。
花馬車にイグレッシア王子と一緒に、正装して乗り、馬車が行進していくのです。
皆さんに手を振り、まるで、イグレッシア王子と結婚式を挙げた後のパレードの様ですわ。
急に馬車が止まったときは、イグレッシア王子が抱き留めてくださったのです。
そのまま抱きついてしまいたかったけれど、イグレッシア王子に嫌われたくはありません。
きちんとお礼を言いました。
このお祭りを一緒に楽しみたかったのです。
花馬車から下りると、ダンスパーティーが行われます。
私はいろんな殿方とダンスを踊りました。
勿論、クリスとも踊りました。
クリスは恥ずかしがり屋で、お顔を真っ赤にしておりますのよ。
とても純情なお方です。
私の事を好きだと、お友達には伝えているみたいですけれど、まだ、私には告白してくださいません。
貴族学校は13歳から16歳までで卒業です。
16歳で卒業した後は、殿方は、自分の領地に戻ったり、騎士団に入ったりなさいます。
令嬢は正式にパーティーに出られるようになります。
そうして、結婚相手と結婚する者も出てきます。
女性の結婚適齢期は、16歳から18歳頃です。政略結婚でそれ以前に結婚する方もいらっしゃいますが、一般的な適齢期は、この歳が多いです。
男性の結婚適齢期は、18歳から21歳頃と言われていますから、学校で意気投合しても、男性の結婚適齢期まで待つ者もいますけれど、大概は、若くして結婚してしまいます。
学生結婚をなさるお方もおります。
この国の貴族は、結婚まで純潔でなければならない規律があります。
万が一、一線を越えてしまった場合は、殿方が責任を取る事になります。他人に知られると、恥知らずと罵られてしまうので、令嬢はとにかく貞操は守ります。
春の花祭り祭が終わると、テスト期間に入ります。その後は、長期休みになります。
夏休みは長いのです。
王都でアルバイトをしてみる者もいますし、遠い領地に戻る者もいます。お友達の領地に遊びに行く者もおります。
楽しみ方は、人それぞれですわ。
私は王都で、アルバイトをしておりましたわね。
必ずしも、実家が居心地がいい人ばかりではありませんもの。
約2ヶ月半休みがあり、それから、学校が始まります。
この貴族学校は、学友と縦横の繋がりを作るために、貴族の皆さんが入ります。
勉強はそれほど難しくはありませんが、一つだけ難しい物があります。
貴族として、近隣の国の言葉を覚えなくてはならないと言われております。
学校に入る前に、家庭教師を付けて勉強をなさった方もおりますが、私の家庭はそれほど裕福ではありませんし、三女となると、親も手抜きをします。
私は学校の授業で、必死に学びます。
けれど、学校の授業だけで、学びきれる量ではございません。
中には、無理だと早々に諦める令嬢も多く居ます。
殿方は、多くは入学前に取得しております。そうでない殿方もおりますが、人それぞれですわね。
オピタル国は、大陸の中にある国ですので、他国の数が多すぎるのです。
帝国の言葉など、絶対に行かないであろう言葉まで覚える必要はないのです。
後期のテストがあり、クリスマスパーティーがテスト終了日の翌日に行われ、休みに入ります。
冬休みは寮に残る者は、殆どいません。残る者もいますけれど、少ないです。
家族でクリスマスを過ごす事の多い国ですので、クリスマスと新年は、皆さん、邸に戻ります。
冬休みも2ヶ月休みがありますから、家族の元に戻ったり、王都でアルバイトをしたりと、やはり、人それぞれですわね。
私はやはり、王都でアルバイトをしておりましたわ。
冬休み明けはパーティーがあり、卒業式があるだけです。
あっという間に一年が過ぎて、あっという間に三年が過ぎてしまいます。
とっても楽しい学校生活でしたわ。
卒業式を終えて、寮に戻るときに、やっとクリスが話しかけてきてくれました。
私の友達は、先に寮に戻ってくださいました。
二人っきりで、思い出の多い学校にある庭園に入りました。
散歩コースがありますの。
そこに二人で進んで行きました。
クリスは頬を赤らめておりますわ。
「クリマ、俺はクリマのこと、ずっと好きだったのだ。だから」
「だから?」
「付き合って欲しい」
言うのが遅いわよ。
今日はこれから三年ぶりに邸に戻るのよ。
王都に居られる時間は、もうあと少しですわ。
「私もクリスを好きでした。でも、今日、邸に戻るのよ。学校生活のある間に告白くださいましたら、デートもたくさんできたのに」
「クリマの邸は遠いのだな」
「ええ、そうよ。これから戻れば、もう夜ですわ」
「僕のタウンハウスの邸に泊まりで遊びに来ればいい」
「結婚前に、殿方の邸に泊まりでなんて行けませんわ。貞操観念の薄い令嬢ははしたないと噂されますわ」
「それなら、うーん、うーん」
クリスは、一生懸命に考えています。
「私ね、一度、領地に戻りますけれど、直ぐに王都にあるお店で、働かせてもらう約束をしていますの。お部屋もお借りできました」
クリスの表情が、ぱあーっと明るくなりました。
「そうしたら、デートをしよう。僕は卒業後、騎士団に入隊するつもりなんだ。できたら、結婚を前提に、気が早いって言われそうだけれど、クリマはモテるから、心配なんだ」
「嬉しいわ、クリス」
私達は、いつの間にか、手を繋いで歩いていました。
庭園の散歩コースを一周回って、武道館の横に出ました。
「寮まで送るよ。いつ頃、こちらに戻ってくるの?」
「一週間後くらいかしら?お店は、早めに来て欲しいって言われているの。まずは、卒業できたことを家族に知らせて、引っ越しの荷物を揃えるわ。王都に戻ったら、手紙を書くわ。卒業アルバムに連絡先が書かれていたわね。今、持っている?」
「ああ、持っている」
クリスはアルバムを開くと、連絡先の頁を開いた。
ペンも手渡ししてくれたので、私は、お店の連絡先を書き加えておいた。
ふうふうとインクが乾くように、クリスは息を吹きかけている。
私はそんなクリスを、じっと見ていた。
純粋で、優しいクリスにプロポーズをされたのだと思うと、とても嬉しいのだ。
なかなかインクが乾かずに、結局、他の紙を挟んで、クリスはアルバムを閉じたの。
「僕はいつも、クリマを選んでいたんだ。花馬車のクリマは、毎年、美しかったよ」
「ありがとう、クリス」
クリスは寮まで送ってくれた。
辻馬車で帰ると言うと、送ると言ってくれたのです。
「僕は邸から、馬車が来ているんだ。このままクリマの邸に送っていくよ。ご両親にもお付き合いのご挨拶をしたいし」
クリスは積極的だった。
「早めに式を挙げたい」
私は微笑んだ。
「ありがとう」
「荷物を持ってくるよ。ここで待ち合わせでいいかな?」
「ええ、直ぐに荷物を持ってくるわね」
私達は別々の寮に戻っていった。
私は部屋に戻ると、直ぐに制服を脱いで、普段着のドレスを着る。
髪は下ろしたままですわ。
私は実は手先が不器用で、髪を結い上げるのが苦手なの。パーティーの時などは、一緒の部屋の伯爵令嬢のアリスに髪を結い上げてもらっていたのよ。彼女は手先が器用ですもの。
「クリマ、どうだった?」
「告白されたわ。結婚を前提に付き合って欲しいって言われたわ」
「おめでとう」
「ありがとう。アリス」
私は忘れ物がないか、部屋の中を確認する。
「クリマ、もう帰るの?」
「遠いですもの」
「また会いましょうね」
「そうね。すぐに王都に来るから、連絡をするわ」
私はアリスとしっかり握手をすると、待ち合わせの場所に向かった。
すると、クリスはもういた。
「荷物を持つよ」
クリスは私の荷物を持つと、歩き始めた。
「場所は、こっちだ」
男子寮の前は、馬車が寄せられて、荷物を詰め込まれている。
私とクリスの姿を見つけた殿方達は、声を揃えて叫んだ。
「クリス、クリマ、おめでとう」
「ありがとう」
クリスは嬉しそうに、声を上げた。
私は嬉しくて、頬が熱くなります。
殿方の皆さんも、私とクリスの事を見守ってくださったようです。
また、声を揃えて、声を掛けてくださった。
「お幸せに」
「ありがとう」
今度は、クリスと一緒にお礼を言った。
殿方達の視線は優しい。
きっとクリスの背中を押してくださったのでしょう。
御者が荷物を馬車の上に荷物を載せてくれる。
「馬車に乗ろう」
「お願いしますわ」
クリスは、私の手を取るとエスコートをしてくれる。
耳まで赤くて、そんなクリスが、私は好きなの。
私は、もう二年、この花馬車にイグレッシア王子と一緒に乗っているのよ。
今年も選ばれましたから、三年、ご一緒になるのよ。
「凄いな、クリマ」
「殿下もさすが人気がありますわ」
そうです。
人気投票で、決められますの。
令嬢を決めるのは殿方で、殿方を決めるのは令嬢ですの。
私は三年、殿方に選ばれておりますの。
接戦の時もございましたが、投票の数は誤魔化しようがありません。
花馬車にイグレッシア王子と一緒に、正装して乗り、馬車が行進していくのです。
皆さんに手を振り、まるで、イグレッシア王子と結婚式を挙げた後のパレードの様ですわ。
急に馬車が止まったときは、イグレッシア王子が抱き留めてくださったのです。
そのまま抱きついてしまいたかったけれど、イグレッシア王子に嫌われたくはありません。
きちんとお礼を言いました。
このお祭りを一緒に楽しみたかったのです。
花馬車から下りると、ダンスパーティーが行われます。
私はいろんな殿方とダンスを踊りました。
勿論、クリスとも踊りました。
クリスは恥ずかしがり屋で、お顔を真っ赤にしておりますのよ。
とても純情なお方です。
私の事を好きだと、お友達には伝えているみたいですけれど、まだ、私には告白してくださいません。
貴族学校は13歳から16歳までで卒業です。
16歳で卒業した後は、殿方は、自分の領地に戻ったり、騎士団に入ったりなさいます。
令嬢は正式にパーティーに出られるようになります。
そうして、結婚相手と結婚する者も出てきます。
女性の結婚適齢期は、16歳から18歳頃です。政略結婚でそれ以前に結婚する方もいらっしゃいますが、一般的な適齢期は、この歳が多いです。
男性の結婚適齢期は、18歳から21歳頃と言われていますから、学校で意気投合しても、男性の結婚適齢期まで待つ者もいますけれど、大概は、若くして結婚してしまいます。
学生結婚をなさるお方もおります。
この国の貴族は、結婚まで純潔でなければならない規律があります。
万が一、一線を越えてしまった場合は、殿方が責任を取る事になります。他人に知られると、恥知らずと罵られてしまうので、令嬢はとにかく貞操は守ります。
春の花祭り祭が終わると、テスト期間に入ります。その後は、長期休みになります。
夏休みは長いのです。
王都でアルバイトをしてみる者もいますし、遠い領地に戻る者もいます。お友達の領地に遊びに行く者もおります。
楽しみ方は、人それぞれですわ。
私は王都で、アルバイトをしておりましたわね。
必ずしも、実家が居心地がいい人ばかりではありませんもの。
約2ヶ月半休みがあり、それから、学校が始まります。
この貴族学校は、学友と縦横の繋がりを作るために、貴族の皆さんが入ります。
勉強はそれほど難しくはありませんが、一つだけ難しい物があります。
貴族として、近隣の国の言葉を覚えなくてはならないと言われております。
学校に入る前に、家庭教師を付けて勉強をなさった方もおりますが、私の家庭はそれほど裕福ではありませんし、三女となると、親も手抜きをします。
私は学校の授業で、必死に学びます。
けれど、学校の授業だけで、学びきれる量ではございません。
中には、無理だと早々に諦める令嬢も多く居ます。
殿方は、多くは入学前に取得しております。そうでない殿方もおりますが、人それぞれですわね。
オピタル国は、大陸の中にある国ですので、他国の数が多すぎるのです。
帝国の言葉など、絶対に行かないであろう言葉まで覚える必要はないのです。
後期のテストがあり、クリスマスパーティーがテスト終了日の翌日に行われ、休みに入ります。
冬休みは寮に残る者は、殆どいません。残る者もいますけれど、少ないです。
家族でクリスマスを過ごす事の多い国ですので、クリスマスと新年は、皆さん、邸に戻ります。
冬休みも2ヶ月休みがありますから、家族の元に戻ったり、王都でアルバイトをしたりと、やはり、人それぞれですわね。
私はやはり、王都でアルバイトをしておりましたわ。
冬休み明けはパーティーがあり、卒業式があるだけです。
あっという間に一年が過ぎて、あっという間に三年が過ぎてしまいます。
とっても楽しい学校生活でしたわ。
卒業式を終えて、寮に戻るときに、やっとクリスが話しかけてきてくれました。
私の友達は、先に寮に戻ってくださいました。
二人っきりで、思い出の多い学校にある庭園に入りました。
散歩コースがありますの。
そこに二人で進んで行きました。
クリスは頬を赤らめておりますわ。
「クリマ、俺はクリマのこと、ずっと好きだったのだ。だから」
「だから?」
「付き合って欲しい」
言うのが遅いわよ。
今日はこれから三年ぶりに邸に戻るのよ。
王都に居られる時間は、もうあと少しですわ。
「私もクリスを好きでした。でも、今日、邸に戻るのよ。学校生活のある間に告白くださいましたら、デートもたくさんできたのに」
「クリマの邸は遠いのだな」
「ええ、そうよ。これから戻れば、もう夜ですわ」
「僕のタウンハウスの邸に泊まりで遊びに来ればいい」
「結婚前に、殿方の邸に泊まりでなんて行けませんわ。貞操観念の薄い令嬢ははしたないと噂されますわ」
「それなら、うーん、うーん」
クリスは、一生懸命に考えています。
「私ね、一度、領地に戻りますけれど、直ぐに王都にあるお店で、働かせてもらう約束をしていますの。お部屋もお借りできました」
クリスの表情が、ぱあーっと明るくなりました。
「そうしたら、デートをしよう。僕は卒業後、騎士団に入隊するつもりなんだ。できたら、結婚を前提に、気が早いって言われそうだけれど、クリマはモテるから、心配なんだ」
「嬉しいわ、クリス」
私達は、いつの間にか、手を繋いで歩いていました。
庭園の散歩コースを一周回って、武道館の横に出ました。
「寮まで送るよ。いつ頃、こちらに戻ってくるの?」
「一週間後くらいかしら?お店は、早めに来て欲しいって言われているの。まずは、卒業できたことを家族に知らせて、引っ越しの荷物を揃えるわ。王都に戻ったら、手紙を書くわ。卒業アルバムに連絡先が書かれていたわね。今、持っている?」
「ああ、持っている」
クリスはアルバムを開くと、連絡先の頁を開いた。
ペンも手渡ししてくれたので、私は、お店の連絡先を書き加えておいた。
ふうふうとインクが乾くように、クリスは息を吹きかけている。
私はそんなクリスを、じっと見ていた。
純粋で、優しいクリスにプロポーズをされたのだと思うと、とても嬉しいのだ。
なかなかインクが乾かずに、結局、他の紙を挟んで、クリスはアルバムを閉じたの。
「僕はいつも、クリマを選んでいたんだ。花馬車のクリマは、毎年、美しかったよ」
「ありがとう、クリス」
クリスは寮まで送ってくれた。
辻馬車で帰ると言うと、送ると言ってくれたのです。
「僕は邸から、馬車が来ているんだ。このままクリマの邸に送っていくよ。ご両親にもお付き合いのご挨拶をしたいし」
クリスは積極的だった。
「早めに式を挙げたい」
私は微笑んだ。
「ありがとう」
「荷物を持ってくるよ。ここで待ち合わせでいいかな?」
「ええ、直ぐに荷物を持ってくるわね」
私達は別々の寮に戻っていった。
私は部屋に戻ると、直ぐに制服を脱いで、普段着のドレスを着る。
髪は下ろしたままですわ。
私は実は手先が不器用で、髪を結い上げるのが苦手なの。パーティーの時などは、一緒の部屋の伯爵令嬢のアリスに髪を結い上げてもらっていたのよ。彼女は手先が器用ですもの。
「クリマ、どうだった?」
「告白されたわ。結婚を前提に付き合って欲しいって言われたわ」
「おめでとう」
「ありがとう。アリス」
私は忘れ物がないか、部屋の中を確認する。
「クリマ、もう帰るの?」
「遠いですもの」
「また会いましょうね」
「そうね。すぐに王都に来るから、連絡をするわ」
私はアリスとしっかり握手をすると、待ち合わせの場所に向かった。
すると、クリスはもういた。
「荷物を持つよ」
クリスは私の荷物を持つと、歩き始めた。
「場所は、こっちだ」
男子寮の前は、馬車が寄せられて、荷物を詰め込まれている。
私とクリスの姿を見つけた殿方達は、声を揃えて叫んだ。
「クリス、クリマ、おめでとう」
「ありがとう」
クリスは嬉しそうに、声を上げた。
私は嬉しくて、頬が熱くなります。
殿方の皆さんも、私とクリスの事を見守ってくださったようです。
また、声を揃えて、声を掛けてくださった。
「お幸せに」
「ありがとう」
今度は、クリスと一緒にお礼を言った。
殿方達の視線は優しい。
きっとクリスの背中を押してくださったのでしょう。
御者が荷物を馬車の上に荷物を載せてくれる。
「馬車に乗ろう」
「お願いしますわ」
クリスは、私の手を取るとエスコートをしてくれる。
耳まで赤くて、そんなクリスが、私は好きなの。
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