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46 皇帝陛下到着
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結婚式まで2週間を切ると、異国からのお客様が到着される。
警備の騎士も、普段より厳しい表情を浮かべている。
残り1週間という日に、帝国から皇帝陛下と電気工学の先生がお見えになった。
わたくしは、急いでお迎えに上がる。
皇帝陛下は一番大きな応接室に通されていた。
陛下も、急いでいるようだった。
先に応接室に到着したのは、わたくしだった。
「いらっしゃいませ。遠路はるばる、わたくしの結婚式に来て戴きありがとうございます」
わたくしは、最上級のお辞儀をしました。
「マリアーノ、美しく成長したな?どうだ?研究は上手くいっているか?」
「はい、皇帝陛下、お陰様で、化粧品も医薬品も順調に売れております」
「クレセントは元気にしておるか?」
「はい、結婚式に招待しておりますので、近々、会えると思います」
「そうか」
「皇帝陛下、お願いがあるのですけれど、この国の王子を電気の勉強をするために留学させることはできますか?正式に国王陛下からお願いされると思うのですが、如何でしょうか?」
「この国には電気はないのか?」
「はい、わたくしの研究所だけでございます」
「そうか、マリアーノは幼い頃に学びに来たな?」
「はい、キルルゴ国の紹介で、クリシス帝国に参りました」
「では、正式に国王陛下からお願いされたら、考えるとしよう」
「どうか、お願いします」
前置きはできたので、暫く、待つと、扉がノックされた。
国王陛下と王妃様、イグとキエフシア王子、もう一人キエフシア王子と同じ頃合いの男性が現れた。
「クリシス皇帝陛下、お初にお目にかかります。私はオピタル王国の国王、リオン・オピタルでございます。この度は、息子、イグレッシアとマリアーノ嬢の結婚式に来て戴き、ありがとうございます」
イグは立ち上がると、「初めまして、イグレッシア・オピタルと申します」と頭を下げた。
皇帝陛下は、大きく頷いた。
「マリアーノを頼むぞ」
「はい、必ず、幸せにします」
皇帝陛下は優しく微笑んだ。
「マリアーノとは、マリアーノが、11歳の頃だったな?化粧品を作るために電気工学の勉強をしたいとキルルゴ国の紹介で、我が国の電気工学を学んだな。同じ頃にわしの甥が学んでいた。意気投合した二人は、この国に発電所を作り、研究所を作ったと聞いた。工場も作ったのだな?」
「はい」とわたくしは返事をした。
「先ほど、マリアーノから電気を学びたいと申す者がおると聞いたが」
「はい、私の息子、キエフシアとこの先、電気の専門家になるバロールです。どうか二人を留学させたいのですが、如何でしょうか?」
「この国も電気の発電をして、近代化させたいのだな?」
「はい」
「発電所を作るのにも電気を発展させるのも、かなりの金がかかるができるのか?」
「できるように、努力をしたいと思います」
「では、国王の息子、キエフシア王子とバロール、二人とも留学を認めよう。一緒に来た、電気工学の専門家、カロルを紹介しよう」
「ありがたき幸せでございます」
国王陛下とキエフシア王子、バロールは頭を下げた。
「マリアーノ、カロルを呼んできてくれ」
「はい」
わたくしは立ち上がると、部屋を出た。
別の応接室にいる先生を呼びに行きます。
お客を案内している宰相様に案内して戴き、わたくしは、カロル先生がいるという部屋をノックした。
返事があり、わたくしは部屋の中に入った。
「先生、この度はわたくしの結婚式にわざわざ来ていただきありがとうございます」
「大きくなったな。それに、美しなった。どうだ?成功したか?」
「はい、化粧品の研究も販売も上手くいっております」
「それは、よかった」
「それで、今回、先生に教えを請いたいという二人の生徒を紹介したいのですが」
「皇帝陛下は了承したのだな?」
「はい、一緒に来て戴けますか?皇帝陛下のいる部屋に案内いたします」
「では、参ろう」
カロル先生は、いつものくたびれた白衣ではなくて、正装をしてきてくれている。
皇帝陛下のいる部屋に案内して、ノックをすると、中から扉を開けられた。
「カロル先生をお連れいたしました」
わたくしは、カロル先生を奥のソファーに案内した。
「カロル、この国の王子、キエフシア王子とバロールだ。二人を預かることにした。面倒を見てやってくれ。この国も明かりのある文明社会に憧れを持っておるようだ。光を灯して見せよう」
「畏まりました」
カロル先生は深く頭を下げた。
キエフシア王子とバロールも頭を下げている。
「マリアーノ。其方は結婚式と言いながら、わしに、招待状を送り、生徒を押しつけた。これは結婚祝いでいいのか?」
「はい、結婚祝いで構いません」
「そうか、マリアーノは伝を頼って、わしの所にやって来た頑張り屋の生徒であった。マリアーノが勧める生徒ならば、きっと役に立つ電気工学のプロになるであろう」
「皇帝陛下、ありがとうございます」
わたくしは、また、頭を下げる。
「国王よ、いい嫁をもらうな?」
「はい、できた嫁でございます。この間、研究所も見せてもらい。電気の素晴らしさを知りました。是非、私の息子とバロールをお願いします」
陛下と王妃様は、頭を下げた。
「では、お部屋に案内いたします」
宰相様が、頃合いを見て、声をかけた。
「その前に、マリアーノ、こちらに来なさい」
「はい」
わたくしは、皇帝陛下の前に移動して、最上級の礼をする。
「頭を上げよ」
「はい」
「これは、祝いだ」
皇帝陛下は手にティアラを持っていた。
それをわたくしの額に付けてくれる。
「有り難き幸せでございます」
「よく似合っておる。わしは、クレセントと所帯を持つと思っておったが、思い人がおったのか?」
「所長とは、仕事の相棒でございます。その様なことはありません」
「そうか」
皇帝陛下は笑うと、わたくしの頭を撫でた。
「大きくなったな」
「はい、もう17歳になりました」
「月日が経つのは早い」
「はい」
皇帝陛下は、満足したのか、「では、参ろう」と声を掛けた。
「では、案内させて戴きます。私は宰相のアルソスでございます」
「アルソス、頼む」
皇帝陛下は、宰相様に連れられて、部屋から出て行った。
別の宰相様が、カロル先生をお連れした。
陛下は緊張していたのか、帝国陛下とカロル先生が部屋から姿を消して、暫くしてから、脱力した。
「凄い迫力だ」と言葉に出したのは、キエフシア王子だ。バロールは蒼白な顔をしている。 王妃様はにこやかに立ち上がると、わたくしの前まで歩いてきた。
「マリア、立派でした。あなたのお陰で帝国と関係を持つことができました。ありがとう」
「いいえ、お役に立てて嬉しく思います」
「素敵なプレゼントよ」
王妃様は、ティアラに触れた。
わたくしは、ティアラを外して、じっと見た。
本当に素晴らしい物だ。金でできた地金に、たくさんのダイヤモンドが惜しげもなく、散りばめられている。
「こんなに高価な物を」
「娘のように思っておられたようだな」
イグはわたくしの前まで来ると、ティアラをわたくしに付けてくださった。
「そうだ。帝国と関係を持つことができた。感謝する」
「いいえ」
陛下もお礼を言ってくださいました。
この国の発展の為でしたら、わたくしは、今まで培った知り合いや知識を差し出すことができます。
それがイグの妻になることだと思います。
13歳の結婚の時は、侯爵様に力を貸すつもりは微塵もありませんでしたが、今は違います。
イグが言ったように、もう過去のことを忘れようかと思います。
白い結婚も貴族学校に通えなかったことも。
今は幸せですから、この幸せな時間を大切にしたいと思うのです。
警備の騎士も、普段より厳しい表情を浮かべている。
残り1週間という日に、帝国から皇帝陛下と電気工学の先生がお見えになった。
わたくしは、急いでお迎えに上がる。
皇帝陛下は一番大きな応接室に通されていた。
陛下も、急いでいるようだった。
先に応接室に到着したのは、わたくしだった。
「いらっしゃいませ。遠路はるばる、わたくしの結婚式に来て戴きありがとうございます」
わたくしは、最上級のお辞儀をしました。
「マリアーノ、美しく成長したな?どうだ?研究は上手くいっているか?」
「はい、皇帝陛下、お陰様で、化粧品も医薬品も順調に売れております」
「クレセントは元気にしておるか?」
「はい、結婚式に招待しておりますので、近々、会えると思います」
「そうか」
「皇帝陛下、お願いがあるのですけれど、この国の王子を電気の勉強をするために留学させることはできますか?正式に国王陛下からお願いされると思うのですが、如何でしょうか?」
「この国には電気はないのか?」
「はい、わたくしの研究所だけでございます」
「そうか、マリアーノは幼い頃に学びに来たな?」
「はい、キルルゴ国の紹介で、クリシス帝国に参りました」
「では、正式に国王陛下からお願いされたら、考えるとしよう」
「どうか、お願いします」
前置きはできたので、暫く、待つと、扉がノックされた。
国王陛下と王妃様、イグとキエフシア王子、もう一人キエフシア王子と同じ頃合いの男性が現れた。
「クリシス皇帝陛下、お初にお目にかかります。私はオピタル王国の国王、リオン・オピタルでございます。この度は、息子、イグレッシアとマリアーノ嬢の結婚式に来て戴き、ありがとうございます」
イグは立ち上がると、「初めまして、イグレッシア・オピタルと申します」と頭を下げた。
皇帝陛下は、大きく頷いた。
「マリアーノを頼むぞ」
「はい、必ず、幸せにします」
皇帝陛下は優しく微笑んだ。
「マリアーノとは、マリアーノが、11歳の頃だったな?化粧品を作るために電気工学の勉強をしたいとキルルゴ国の紹介で、我が国の電気工学を学んだな。同じ頃にわしの甥が学んでいた。意気投合した二人は、この国に発電所を作り、研究所を作ったと聞いた。工場も作ったのだな?」
「はい」とわたくしは返事をした。
「先ほど、マリアーノから電気を学びたいと申す者がおると聞いたが」
「はい、私の息子、キエフシアとこの先、電気の専門家になるバロールです。どうか二人を留学させたいのですが、如何でしょうか?」
「この国も電気の発電をして、近代化させたいのだな?」
「はい」
「発電所を作るのにも電気を発展させるのも、かなりの金がかかるができるのか?」
「できるように、努力をしたいと思います」
「では、国王の息子、キエフシア王子とバロール、二人とも留学を認めよう。一緒に来た、電気工学の専門家、カロルを紹介しよう」
「ありがたき幸せでございます」
国王陛下とキエフシア王子、バロールは頭を下げた。
「マリアーノ、カロルを呼んできてくれ」
「はい」
わたくしは立ち上がると、部屋を出た。
別の応接室にいる先生を呼びに行きます。
お客を案内している宰相様に案内して戴き、わたくしは、カロル先生がいるという部屋をノックした。
返事があり、わたくしは部屋の中に入った。
「先生、この度はわたくしの結婚式にわざわざ来ていただきありがとうございます」
「大きくなったな。それに、美しなった。どうだ?成功したか?」
「はい、化粧品の研究も販売も上手くいっております」
「それは、よかった」
「それで、今回、先生に教えを請いたいという二人の生徒を紹介したいのですが」
「皇帝陛下は了承したのだな?」
「はい、一緒に来て戴けますか?皇帝陛下のいる部屋に案内いたします」
「では、参ろう」
カロル先生は、いつものくたびれた白衣ではなくて、正装をしてきてくれている。
皇帝陛下のいる部屋に案内して、ノックをすると、中から扉を開けられた。
「カロル先生をお連れいたしました」
わたくしは、カロル先生を奥のソファーに案内した。
「カロル、この国の王子、キエフシア王子とバロールだ。二人を預かることにした。面倒を見てやってくれ。この国も明かりのある文明社会に憧れを持っておるようだ。光を灯して見せよう」
「畏まりました」
カロル先生は深く頭を下げた。
キエフシア王子とバロールも頭を下げている。
「マリアーノ。其方は結婚式と言いながら、わしに、招待状を送り、生徒を押しつけた。これは結婚祝いでいいのか?」
「はい、結婚祝いで構いません」
「そうか、マリアーノは伝を頼って、わしの所にやって来た頑張り屋の生徒であった。マリアーノが勧める生徒ならば、きっと役に立つ電気工学のプロになるであろう」
「皇帝陛下、ありがとうございます」
わたくしは、また、頭を下げる。
「国王よ、いい嫁をもらうな?」
「はい、できた嫁でございます。この間、研究所も見せてもらい。電気の素晴らしさを知りました。是非、私の息子とバロールをお願いします」
陛下と王妃様は、頭を下げた。
「では、お部屋に案内いたします」
宰相様が、頃合いを見て、声をかけた。
「その前に、マリアーノ、こちらに来なさい」
「はい」
わたくしは、皇帝陛下の前に移動して、最上級の礼をする。
「頭を上げよ」
「はい」
「これは、祝いだ」
皇帝陛下は手にティアラを持っていた。
それをわたくしの額に付けてくれる。
「有り難き幸せでございます」
「よく似合っておる。わしは、クレセントと所帯を持つと思っておったが、思い人がおったのか?」
「所長とは、仕事の相棒でございます。その様なことはありません」
「そうか」
皇帝陛下は笑うと、わたくしの頭を撫でた。
「大きくなったな」
「はい、もう17歳になりました」
「月日が経つのは早い」
「はい」
皇帝陛下は、満足したのか、「では、参ろう」と声を掛けた。
「では、案内させて戴きます。私は宰相のアルソスでございます」
「アルソス、頼む」
皇帝陛下は、宰相様に連れられて、部屋から出て行った。
別の宰相様が、カロル先生をお連れした。
陛下は緊張していたのか、帝国陛下とカロル先生が部屋から姿を消して、暫くしてから、脱力した。
「凄い迫力だ」と言葉に出したのは、キエフシア王子だ。バロールは蒼白な顔をしている。 王妃様はにこやかに立ち上がると、わたくしの前まで歩いてきた。
「マリア、立派でした。あなたのお陰で帝国と関係を持つことができました。ありがとう」
「いいえ、お役に立てて嬉しく思います」
「素敵なプレゼントよ」
王妃様は、ティアラに触れた。
わたくしは、ティアラを外して、じっと見た。
本当に素晴らしい物だ。金でできた地金に、たくさんのダイヤモンドが惜しげもなく、散りばめられている。
「こんなに高価な物を」
「娘のように思っておられたようだな」
イグはわたくしの前まで来ると、ティアラをわたくしに付けてくださった。
「そうだ。帝国と関係を持つことができた。感謝する」
「いいえ」
陛下もお礼を言ってくださいました。
この国の発展の為でしたら、わたくしは、今まで培った知り合いや知識を差し出すことができます。
それがイグの妻になることだと思います。
13歳の結婚の時は、侯爵様に力を貸すつもりは微塵もありませんでしたが、今は違います。
イグが言ったように、もう過去のことを忘れようかと思います。
白い結婚も貴族学校に通えなかったことも。
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