綾月百花   

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『声』は今でも聞こえる。


 仕事のこと。

 新しい彼女とも会わせてくれた。



「俺、第六感があるんだ。声が聞こえて、危険な事が起きる時、教えてくれるんだ」


「すごいわ。私が危険な時も教えてね」


「そうだね」


 今度の恋人は恵という。料理教室で知り合った女性だ。

 柊は今度の彼女には、秘密を打ち明けた。

 彼女は実家から仕事に通っている。

 大学を出たばかりで、柊の会社の近くの会社に勤めている。

 仕事の終わりに待ち合わせして、食事をしたりお酒を飲んだり、一緒にお料理教室に通ったりと、楽しく過ごしている。

恵は柊との結婚を望んでいる。



『結婚したらどう?』



『声』の示すまま、柊は恵に求婚した。




「恵、結婚しないか?必ず幸せにする」



「柊、ほんと?凄く嬉しい」


 恵は喜んでくれた。

 今回は指輪を用意しなかった。

 一緒に選びたかった。


 恵は葵よりも明るく、元気で、それに葵に負けないほど美しかった。

 俺は『声』が示すとおり、結婚した。

 今でも『声』が聞こえる。


『子供ができたな』


 声の言った通り、数週間後に恵から「赤ちゃんできたみたい」と聞かされた。


『大丈夫、今度は幸せになれる』


『声』は、柊を励まし、支えてくれる。


 柊は自分だけに聞こえる『声』に感謝している。
 柊を導き、幸せの場所に連れて行ってくれる。

(『声』は俺の道しるべ)

 きっと命が尽きるまで、『声』は聞こえるだろう。

 聞こえていて欲しい。






……………………………………*…………………………………………






最後まで最後まで読んでくださりありがとうございます。
これにて、『声』は完結しました。
感想などありましたら、どうぞ書いてください。




明日から、


『聖女なのに魔王に溺愛されています』を投稿をします。
こちらは長編です。
ギリギリR15で連載したいと思います。
ストーリーは全く違います。
ファンタジーで、載せていきます。
毎日、一話、予約投稿で朝の7時に上がるようにするつもりです。
予約投稿は、とても細かい作業なので、日付がずれていたり、時間がずれていたりするかもしれませんが、載っていないときは、毎日、確認で見ていますので、時間は遅くなりますが、必ず一話あがるようにします。
宜しければ読んでいただけると嬉しいです。






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